平成25年度予算特別委員会(総括)

石井秀武委員

それでは、民主党・県民連合議員団を代表して、早速、総括質問をさせていただきます。

1 県債残高の上限管理について

はじめに、来年度予算の財政状況に関わる質問として、「県債残高の上限管理」についてお伺いします。

この質問は、財政状況の審査において、我が会派の栗山委員より、本県の適正な県債残高について、お尋ねしましたが、再度、井戸知事のご所見をお伺いしたく、質問させていただくものであります。

来年度の当初予算資料によりますと、県債残高は今年度当初予算時に比べて約2,327億円増加し、今回も過去最高額を更新する4兆6,680億円になるとされています。償還に要する費用が後年度の地方交付税で措置される臨時財政対策債等を除いた残高でみても、前年度に比べて823億円増加し、3兆2,639億円となる見通しとなっています。

この点については、735億円の収支不足額とともに、新聞でも大きく報道され、県民の皆様に対して、大きな不安とご心配をおかけしているのではないかと思います。将来世代に多くのツケを残すことに対して、我が会派としては大きな不安と責任を感じています。

さて、本県では、人口減少が既に始まっています。これは、単なる人口減少ではなく、高齢者数の増加と生産年齢人口(15~64歳)の減少という「人口構造の変化」を伴うもので、県内GDPや県民所得の低下など、本県歳入に関わる不安な要素を抱えていますが、県債残高は増加の一途をたどっています。

栗山委員の質問に対する答弁によりますと、県債残高は平成28年度までは増加すると見込まれており、それをピークに平成29年度から減少に転じると答弁されています。さらに、「平成28年度の県債残高見込みが、本県のアッパー、上限額と認識しておいて良いか」との再質問に対しても、「限度額のアッパー、このフレームの中でお示ししているところの範囲の中で財政運営に努めていく」と財政課長から力強い答弁を頂きました。

国の動向は、まだまだ不透明な面も多くあり、本県財政にどの程度影響するかはわかりません。先般、財務省より、国債残高が10年後の平成34年度末に1000兆円を超えるという試算が発表されました。国債残高も右肩上がりであり、国頼みについても、もう限界であるといわざるを得ません。

しかしながら、このような状況下にあっても、県民に安心を与えられる財政運営を進めていかねばなりません。我が会派も、県当局と同様にこれまでより、「県民サービスの確保」について、度々主張してきたところですが、もはや、そのようなことも言っていられない状況になってきているように感じています。

知事が県民の痛みを伴う施策を徹底していくことは難しいかもしれませんが、県民に対して、多少の我慢をお願いしてでも借金を減らすという意識がないと県債残高の上限を管理していくことは難しいと思います。そこで、改めて、県債残高の上限管理についてどのように考えておられるのか、井戸知事のご所見をお伺いします。

兵庫県知事 井戸敏三

 県債残高の上限管理の重要性は、ご指摘を待つまでもなく、我々も大変重要なことだ、財政運営を行うに際して、主要な目標の一つだと、このように考えている。
 県債は、ストックとフロー両面で管理しなくてはならない。行革プランにおいては、フロー指標としては実質公債費比率、ストック指標としては将来負担比率を指標として挙げているが、残高ベースでは、目標として、臨時財政対策債など交付税措置のある県債を除く実負担が生じる県債残高を目標にしている。
 具体的には、収支が均衡する30年度には、実質公債費比率は県債発行の自主性が高まる18%に、将来負担比率は、震災の影響を除いて、全国平均並みの250%水準に、県債残高も、交付税措置がある臨時財政対策債などを除いて、改革前の19年度末残高の80%水準をめざすという目標を掲げて挑戦している。
 今後も、25年度の行革総点検で、30年度の目標年次だけではなくて、31年度以降の長期的な視点も踏まえながら、県債残高の適正水準について引き続き検討していく。
 なお、臨時財政対策債は、本来は交付税、現ナマで交付すべきである訳であるが、ご案内のように、国も大変な財政危機だという状況の中で、22年度以降、本県においても1,600億円を超え、25年度は1,800億円の発行が続いている。現在の国の財政状況を踏まえると、この縮減が一挙に実施されるとはなかなか考えられない。本来、申し上げたように、交付税交付金として措置されるべきものであるので、元利償還が100%算入されている。県としてはいたし方がない措置ではあるが、それが余りにもボリュームが大きくなると、今度は償還をどうするかという問題が出てくる。そのような意味でも、国、地方を通ずる財政対策は不可欠だと言われている状況である。
 今後とも、先ほど申したような県債残高についても、その水準を十分直視しながら財政運営に努めてまいる所存である。これからもよろしくご指導いただきたいと存じる。

石井秀武委員

2 チャレンジ枠の意義と効果について 

次に、「チャレンジ枠の意義と効果」についてお伺いします。

新年度の予算編成では、21世紀兵庫長期ビジョンの実現を目指し、時代を的確にとらえ又は先取りする施策を実施するため、新規事業枠に5億円の「チャレンジ枠」が新たに創設されました。

チャレンジ枠の要件としては、「既存事業にとらわれない、先進性、創造性、斬新さ等を有する新規事業」とされ、本庁分、県民局分計27事業が打ち出されています。

私たち民主党・県民連合議員団が先日、井戸知事に対して提出しました「県政評価・検証委員会報告書」においても指摘しましたが、組織を活性化していくには、リーダーのトップダウンと組織のボトムアップのバランスを常に配慮することがより一層求められると考えています。そのような観点から、チャレンジ枠の創設は、多いに可能性のある取り組みだと考えています。是非とも、これまでの殻を破り‘チャレンジ’をしていただきたいところです。

本県の経常収支比率は、23年度決算時点で99.3%であり、県が自由に裁量の効く額としては、経常一般財源収入約1兆362億円の0.7%に相当する、たった71億円しかありません。そのような中にあって5億円の貴重な財源を投入するわけですから、この5億円の使い道が、事業効果を上げることはもとより、組織の活性化にも資するような取り組みでなければなりません。

さらに、新規事業枠にチャレンジ枠を創設するわけですから、通常の新規事業との違いを明確にし、それを県民に対して説明するプロセスも必要であります。

 しかしながら、財政状況の審査でも他会派の委員より指摘がありましたが、ユニークな事業が挙げられている一方で、特に県民局事業では、既存事業の延長線上の事業であり、チャレンジとはとてもいえないようなものが多く含まれていました。その答弁では、「これまでやりたくても十分には出来なかったことに取組むことで、地域の課題解決が進むことが期待されるなど」一定の意義があるとのことで、昨年度創設された、「地域の夢推進事業」と共通している部分が認められるものであります。この際、県民局分については、「地域の夢にチャレンジする事業」として、チャレンジ枠と地域の夢推進事業と統合する方が、県民に対して分かりやすいのではないかとさえ感じています。

 そこで、チャレンジ枠として井戸知事より打ち出された27事業について、その事業要件に照らして、どのように評価していますか。また、チャレンジ枠と地域の夢推進事業の関係についても併せてお伺いします。

兵庫県知事 井戸敏三

 ご指摘のようなチャレンジ枠に対する期待は、私も共通して持っているし、そのためにチャレンジ枠を設定して、期待をしたものである。結果として、チャレンジ枠5億円の一般財源を活用して、本庁では14事業、県民局では13事業の事業を実施することになった。
 本庁のチャレンジ事業では、例えば、但馬牛の増体性向上対策事業を行うとか、あるいは県民局のチャレンジ事業では、神戸県民局でのミュージアムロードの振興であるとか、西播磨県民局のように、ラジオパーソナリティーに田舎暮らしを体験してもらって、生の体験談をラジオで語ってもらうとか、大変ユニークな事業も上げられている。
 ご指摘の、県民局のチャレンジ事業と地域の夢推進事業とは、地域の課題解決を地域で図っていくという意味では、私は、軌を一にして共通していると思っている。ただ、地域の夢推進事業は、県民局自体が自ら判断して推進を図ってほしいということで、県民局の自主的な対応に期待して措置しているものであるが、県民局のチャレンジ事業は、その延長線でも、あるいはそれとは全然切り離してでも、新たな発想で、従来の予算編成ではなかなか出てこなかった斬新さだとか先進性などを持った事業を推進してほしいという意味で設けたものである。いずれも、先ほど言ったように、地域の主体的取り組みに期待したものである。
 私は、違いよりは、そのような取り組みそのものを推進する、地域の課題を解決していく、取り組みの一つだと理解していただいたらありがたいと思っている。
 チャレンジ事業は、新たな発想で取り組もうとするものであり、その効果にも期待しているが、私は、併せて、チャレンジ枠を設定することによって、チャレンジ事業を検討する過程が重要だと思っている。既存事業では何ができて、何ができていないのか、今の課題に対して、何が適切な対応なのか、将来へのシーズ、将来への布石はどうしたらいいんだろうかという視点で検討を重ねていくことが、私がチャレンジ枠、チャレンジ事業に期待している原点である。
 最初であったので精粗はどうしてもあるが、各県民局、各部局において、そのような原点に立った検討が行われてきた。そして、結果としてご評価いただいているような状況になっていると、私自身は評価したいと思っている。手始めであり、温かく見守っていただきたいと存じる。

石井秀武委員

3 地方分権を推進するための地方交付税の確保について

次に、「地方分権を推進するための地方交付税の確保」についてお伺いします。

井戸知事は今定例会の提案説明で「さらなる義務付け、枠付けの見直しや、国からの地方への権限移譲など、分権改革を加速するよう、全国知事会や地方六団体と連携し、積極的に主張してまいります。」と述べられました。

「地方分権の推進」は私たち県民にとって重要な課題ですが、その推進のためには、「地方交付税の確保」が欠かせません。

知事は、全国知事会や地方六団体等のあらゆるチャンネルを使い、地方交付税の確保を国へ要請されており、心よりエールを送るものです。

しかし、この度、国から東日本大震災にかかる臨時的措置として国家公務員の給与の引き下げに準じ、本来国に強制されるはずのない地方公務員の給与についても同様の措置を実施するよう求められ、地方交付税の削減が決定されました。

知事は「地方交付税を政策誘導の手段として用いることは、地方の自主性、自立性を損なうものであり、地方交付税の補助金化の危険があり」、「平成25年度当初予算では、これに対応した予算計上は行っていません」と述べられました。

地方は、すでに独自の給与削減や人員削減を行っており、兵庫県でも阪神・淡路大震災からの創造的復興を行う中で、「行財政構造改革推進方策」を策定し、定員、給与については国に先行して削減を実施しています。

これまでの地方の取り組みを踏まえずに、国家公務員の2年間限定の給与削減をもとに、本来、条例で決めることになっている地方公務員の給与に対して、一方的に地方に関与し、地方交付税を削減することは、中央集権を益々強めることにつながります。全国知事会、地方六団体も一致して、地方との十分な協議を経ないまま、地方交付税を一方的に削減する今回のような措置を二度と行うことのないよう、国に強く申し入れております。

知事は「今後の対応を慎重に検討する」としており、いま、懸念されるのが、一部の地方自治体において何らかの理由で足並みをそろえないところが出てこないか、不安に思うところです。

地方分権を進めていくにあたっては、本来は、地方自治体が自主財源によって自立できる体制を整えていくことが必要ですが、現行制度では、地方固有の財源である地方交付税を確保していくことがまずもって必要であります。

そこで、地方交付税の確保にあたり、兵庫の知事として、また関西広域連合の連合長として、全国への影響力が大きい井戸知事には、リーダーシップを発揮していくことが求められていると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。

兵庫県知事 井戸敏三

 本来であると、地方税だけで地方自治体の運営ができることが一番望ましい訳であるが、ご案内のように、税源――税を生み出す資源にどうしても地域の不均衡がある。それを埋めるために、地方交付税制度がある訳である。したがって、我々は、地方交付税は、国税として一度は取られているものの、本来は地方の財源であり、それが再配分されてきている固有の財源だと言ってきている。そのこと自身は、実を言うと国会でも、福田大蔵大臣時代から十分に理解をされてきたものである。
 ただ、今の財政状況は何が問題かというと、国自身がその予算の半分も税収で賄い切れていないという厳しい実情にある。そのような意味で、地方についても地方交付税をなかなか増やせといっても――地方交付税法では、収支が3年以上償わない場合には税率の変更をするんだと書いてあるが、そういう実情にないことから、臨時的な措置を積み重ねることによって収支を償わさせてきたという実態にある。
 したがって、我々からすれば、常に地方交付税の充実・強化を要請していく立場であるが、結果として、地方交付税自身もその原資は赤字国債に依存せざるを得ないという実情にある。一方では、どうしても社会保障財源などが自然増として必要となるので、地方財政計画上は地方単独事業などにしわ寄せが生じ、結果として、地方の自由に使える枠がどんどん縮小してきてしまっている。大体、地方全体で言うと、この10年で社会保障の自然増が10兆円ぐらいあるが、その部分を単独事業枠の削減で賄ってきているという実情にある。
 だからこそ、我々は社会保障財源の確保と併せて、今回も地方消費税が増強されたり消費税が増強される場合には、地方交付税原資をきちっと確保してほしいという要請をしてきた。そのような意味で、今後も地方交付税の増強をしていく必要があると考えている。
 ただ、ご指摘いただいたように、25年度の地方交付税の積算上、相当無理な対応をなさっておられるのではないか。特に、人件費を国家公務員と合わせるために、水準を下げるということを前提にした地方交付税の計算をするということを織り込まれているので、ある意味で、国の政策に沿って地方を誘導しようとする地方交付税の補助金化の危険を助長するのではないか、そのような意味で大変懸念をしているものである。
 今後とも、地方交付税の充実、あるいは地方消費税を含む税の充実を求めて、地方が自分で判断して使える枠の増額を求めていきたい。それがまた地方分権の推進にもつながり、裏打ちになると考えている。ぜひ今後ともよろしく国に対する要請など、議会としても活動を展開していただくように。もとより、地方六団体――議長さんにも入っていただいているが、市長会、市議会議長会、町村会、町村議長会の皆さんともども、働きかけをしていきたいと考えている。どうぞよろしくお願いする。

石井秀武委員

4 教育委員に求められる資質について 

 次に、「教育委員に求められる資質について」お伺いします。

今年度は、かつてないほどに教育委員会の在り方が問われた1年だったように思います。

4月の京都府亀岡市で発生した、通学中の児童の列に自動車が突っ込んだ事故や大津市の中学生や川西市の県立高校生がいじめを苦に自殺した事件など、痛ましい事件が後を絶ちませんでした。さらには、大阪市立桜宮高校のバスケット部における体罰を原因に生徒が自殺した事件をきっかけに、クラブ活動に限らず教師による指導の在り方自体が大きな問題となっています。

 いずれの事件や事故でも共通しているのは、学校や教育委員会の対応のまずさで、問題が大きくなってからあわてて対応するという印象を受けます。しかも、矢面に立たされるのは、教育委員会事務局の職員であり、教育行政の重要事項や基本方針を決定するとともに、事務局の事務執行を担う教育長を指揮監督する役割を担う教育委員の顔はほとんど見えません。

教育委員会制度は、首長からの独立、合議制、レイマンコントロールにより、政治的中立性の確保、継続性・安定性の確保、地域住民の意向の反映を図るものとして我が国に導入され、地方教育行政の基本的な制度として定着しています。

しかしながら、一般的には教育委員会の現状については、会議が形骸化しており、教育行政に対する基本的方針が決定されているとは思えず、国の示す方針に従う縦割りの集権型の仕組みになっています。そのほか、合議制のため、責任の所在が不明確となっていることや迅速な意思決定ができないことなど、多くの問題が指摘されているところです。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条では「委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。」とされています。

 現在、国において教育委員会のあり方を見直すことについて検討されています。にもかかわらず、教育委員の資格や任命する方法は、この4条のほかに、定められたものはありません。これでは、県民からは、どのような基準で教育委員が選ばれているのか全く見えません。

また、議会においても、教育委員の同意を行うにあたり、経歴書だけで同意の是非を判断しなければならず、委員に対する十分な判断材料がないまま決断を求められてきた経緯もあることから、例えば、同意する前に所信表明や質疑を行う場を設けていくことも検討していくことも必要です。

そこで、任命権者である知事は、教育委員に求められる資質について、どのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

兵庫県知事 井戸敏三

 お尋ねの教育委員会制度であるけれども、戦後、戦前の日本の人材育成が国家至上主義的考え方であったとして、アメリカの制度にならい、民主主義的教育システムとして導入されたものである。その当時は、県や市町と独立した委員会ごとに、委員は選挙で選ばれていた。しかし、余りにも政治的な混乱が生じたので、現在の議会同意・任命制となったものである。ご指摘いただいたように、相当長期間にわたり、定着をしてきている。
 教育委員は、政治的中立性を持つことはもとより、見識や豊かな経験を持っていただくとともに、合議体としての適切な判断ができ、自己の考え方はもとより、他の委員の意見も受け止めることができる方でないといけないのではないかと思っている。さらに、今日では、高い専門性を持ちながら、教育に対して熱意を持っておられる方、県民目線に立って教育を指導していただける方、広く学校などの教育現場の実情に十分に理解をしていただける方、そして、速やかに良識ある判断ができる能力を持っておられる方、これらの方がふさわしいと考えている。
 特に、私は、教育専門家ではなくて、まさしく教育界外の方々が教育委員になっていただくことが必要なのではないかと、これまでも意識をしてまいったものである。ある意味で、適切な判断を合議体としてする場合に、スピード感に欠けるということがあるかもしれないが、これは事務的なトップである教育長を中心とする事務執行部が的確な対応を図るべきであり、教育委員会だけにその責任を持たせるのはいかがかなと。教育委員会は教育委員会としての本筋をもっと発揮していただいたらどうかと考えているものである。
 現在の教育委員の皆さんは、今申し上げた資質は十分お持ちで運営をしていただいていると思う。
 ただし、ご指摘いただいたように、なかなか教育委員さんの顔が見えないと言われるのであるが、教育委員会の運営そのものも本庁だけで行うのではなく、地域にお出かけいただいくという教育委員会の出前も随分なさっておられる。このような県民の目に触れる機会にさらに努力していただくとありがたいと思っている。
 なお、選任に当たって、議会に対して履歴書だけで評価させるのかというご指摘があったが、関連する資料を用意させていただくなど、同意に当たって必要となる情報の提供について、その充実を図るように検討してまいるので、よろしくご理解をいただきたい。

石井秀武委員

5 健康寿命の延伸に繋がる「ロコモ運動」の推進について 

次に、「健康寿命の延伸に繋がる『ロコモ運動』の推進」についてお伺いします。このことについては、健康福祉部の部局審査において、我が会派の前田委員より、質問いたしました。

「運動器症候群」、「ロコモティブシンドローム」とは、骨、関節、筋肉、神経などの「運動器」の障がいにより、要介護またはその一歩手前の状態のことを、通称「ロコモ」と呼ばれており、近年、大きくクローズアップされてきております。

老後に要介護・要支援状態に至った原因のトップ3は、脳血管障害、認知症、加齢による衰えの順となっていますが、それに次いで、4番目の関節疾患と5番目の転倒・骨折の占める割合を足せば、トップの脳血管障害を上回っており、運動器障がいへの対策の必要性を窺うことができます。

東京大学22世紀医療センターの調査によると、ロコモの推定有病者数(40才以上)は4700万人に上るといわれてます。衰えは、40代から始まり、若い世代への対策が必要なことから、来年度から始まる健康推進の国民運動「健康日本21(第2次)」では、この「ロコモ」が取り上げられています。

しかしながら、この「ロコモ」自体、あまり知られておらず、ロコモの認知度アップについては、もっとスピード感をもって取り組むべきであると部局審査において指摘したところです。

最近では当たり前のようにいわれる「メタボリック症候群」も2000年から始まった「健康日本21」で取り上げられましたが、その普及にはかなりの時間を要しました。

ロコモ運動の推進により、早い段階から運動習慣の定着を図り、運動機能の低下をできるだけ遅らせ、健康寿命を延ばしていくことは、一人一人の幸せはもとより、増え続ける医療費の抑制にも大きく寄与するものであり、運動を含め、スポーツを所管する教育委員会とも連携を図りながら取組んでいただきたいところです。

そこで、来年度の予算案では要介護・要支援状態に至る原因のトップ2である「認知症」に対する施策の充実が図られていますが、この「ロコモ運動」についても県民運動としてスピード感と危機感をもって取り組むべき重要な課題であると考えご所見をお伺いします。

健康福祉部長(太田稔明)

 ロコモティブシンドローム――運動器症候群――の概念は平成19年に、ご存じのように、日本整形外科学会が提唱した。骨折や要介護状態になる可能性が高いということで、その予防としてのロコモ運動は、健康寿命の延伸に極めて重要である。このため、来年度から始まる健康づくり推進実施計画に、ロコモティブシンドロームの認知度の向上を目標に掲げて、認知度80%をめざすこととしている。
 このロコモティブシンドロームという言葉と予防のための取り組みを、県民に広く、早く周知をするためには、県、市町、地域団体、健康づくり関係団体、そして企業等が一体となって展開する必要がある。このため、来年度からの健康づくり県民運動では、運動習慣の定着を重点活動目標として、約1,000の県民運動参画団体、それから約2,000名の県民運動推進員のご参加のもとで、県民総ぐるみの県民運動を展開してまいりたいと思っている。
 具体的には、一つには、来年度から登録を開始する健康づくりチャレンジ企業と連携した働き盛り世代への取り組み。それから二つには、ひょうご健康づくり県民行動指標に新たに追加した、「週に2回は 楽しく運動・スポーツを」などの行動指標を盛り込んだ健康教室の開催。また、健康教室等への健康スポーツ医、健康運動指導士等の講師派遣事業を行う。さらに、生涯スポーツ活動の促進など、教育委員会や各種団体等と連携した取り組みを進めて、ロコモ予防を含めた運動習慣の定着について、スピード感を持ってめざしていきたいと考えている。よろしくお願いする。

石井秀武委員

6 各種ツーリズムを活用した観光振興について 

 次に、「各種ツーリズムを活用した観光振興について」お伺いします。

この点については、来年度の産業労働部のチャレンジ事業でも「テーマツーリズムを核とした兵庫誘客促進事業」が掲げられており、ツーリズムを通じて地域の観光振興を図っていくことの必要性については、誰しも異論はないと思います。また、昨年度からスタートした「ひょうごツーリズム戦略」も3か年計画のうち2年が経過し、そろそろ次期計画の策定に着手する時期が来ているのではないかと思います。

国では、ビジットジャパンキャンペーンやクールジャパン戦略を推進し、積極的にインバウンドを図ってきた甲斐もあり、先週発表された観光競争力ランキングでは、日本は8ランク上昇し14位となりました。その一方で、昨年秋に発表されました都道府県魅力度ランキングでは、我が兵庫県は11位となっており、前年度から順位を2つ下げています。海外旅行をする際に、その国で訪れたい都市の名前を11番目まで挙げろといっても、ほとんどの方が、出てこないわけであり、相当のテコ入れが必要な状況ではないかと理解しています。

HISが見事に再建させたハウステンボスに会派で調査に伺いましたが、担当者からは、「日本1位、アジア1位、世界1位のナンバーワン・オンリーワン」に拘ったとお聞きしました。

また、お隣の大阪では、来年度から府・市・経済界で合同の「大阪観光局」を設立し、7年後の平成32年には外国人客を現在の4倍の650万人を目標とする取り組みがスタートすることとなっています。来年度7億5千万円の事業費で公衆無線LANの整備、国際会議や展示会の誘致を行っていくとのことで、観光振興に向けたテコ入れがなされようとしています。

幸い本県には、神戸ビーフや灘五郷等の日本酒などの食資源、国内2位を誇るゴルフ場、さらには世界遺産の姫路城やミシュラン・グリーンガイド・ジャポン2つ星の城崎温泉など数多くの観光資源があります。

そこで、国内外から多くの旅行者に来県してもらえるよう、各種ツーリズムを積極的に展開し、ナンバーワン・オンリーワンの観光資源を創出していくことにより観光産業の振興を図っていくことが必要だと考えますが、次期ひょうごツーリズム戦略を策定していくにあたって、この点についてどのように取組まれようとしているのか、現時点の方針について、ご所見をお伺いします。

産業労働部長(佐藤啓太郎)

 平成23年度にスタートした「ひょうごツーリズム戦略」に基づく五つの戦略を掲げ、一つには、地域の魅力づくり、二つにはプロモーション、三つには人材育成、四つには国際ツーリズム、五つには地域ツーリズムと、これらを柱として、各種のツーリズム施策を展開してきた。同時に、アンケートや統計データの分析、また有識者の方との意見交換などによって、取り組み内容の評価、見直しも行ってきた。
 その中で、本県は世界遺産「姫路城」、世界最長のつり橋「明石海峡大橋」、日本三名泉の一つ有馬温泉を初め、県土が雄大であるために、多彩で豊富な観光資源を多く有している。それがかえって、国内外へのアピールを総花的としているのではないか、ややテーマ性、ストーリー性に欠ける嫌いがあるのではないかといった指摘もあった。
 ツーリズムのニーズがますます多様化する時代にあって、このような課題に対応していくため、今後、ナンバーワン・オンリーワンの観光資源を最大限に生かしたテーマツーリズムに取り組んでいく。
 その先駆けとして、平成25年度は、スーパーコンピューター「京」、SACLAなどの最先端技術や、地域に根づいた地場産業を紹介する、いわゆる産業ツーリズム、また姫路城や竹田城跡などを核とした歴史ツーリズム、世界に名高い安藤建築を初め建築物に焦点を当てた建築ツーリズム、さらには神戸ビーフや酒、スイーツ、松葉ガニなど、兵庫の食の魅力をアピールする食ツーリズム、こういったテーマツーリズムの展開に取り組んでいく。
 兵庫県の人口も減少に転じたが、今後も、地域の活力を持続、創出していくための重要なポイントは、交流人口であると考えている。この交流人口を増加させていくための中核となるのがツーリズムである。次のツーリズム戦略については、兵庫が有するナンバーワン・オンリーワンの多彩な観光資源をさらに強力にアピールし、観光でもビジネスでも、あるいは体験でも学習でも、さまざまな形で国内外の人がより多く訪れ、交流し、兵庫の元気づくりに貢献するものとなるように、民間の知恵もしっかりと受け止めて、官民一体となって戦略づくりに取り組んでいく。ご指導をよろしくお願い申し上げる。

石井秀武委員

7 競争に強い農林水産業の確立について 

次に、「競争に強い農林水産業の確立」について、お伺いします。

農業は、食料生産にとどまらず、水、緑、環境、そして地域コミュニティの維持にも大きな役割を果たしていますが、今後ともこのような役割を果たしていくことができるのでしょうか。

平成22年現在で、本県の農業就業人口の平均年齢は67.8歳となっており、全国平均の65.8歳を上回り、超高齢化が進んでおります。これまで農業を支えてきた昭和1けた生まれの方が、来年末には80歳を迎え、農業従事者の減少はさらに拍車がかかり、農業の担い手、特に新規就農者の確保・育成そしてその定着は喫緊の課題となっています。

また、今定例会の代表質問において我が会派の岸口幹事長が指摘いたしましたように、ここ10年で甲子園球場約1000個分の耕作放棄地や休耕田が県内で発生しており、「産業」としての農業への転換が急務です。関西広域連合でも、農業をはじめとする第1次産業も広く産業振興に寄与する分野の一つとして、地産地消運動など新たな連携の具体策の検討等を行うため、広域産業振興局内に農林水産部を整備して取り組みが進められています。

私も、今回の農政環境部の部局審査では、産地間競争に打ち勝つため、兵庫県独自の魅力ある作物やオリジナル品種を積極的に市場に提供すること、その一方で、既に栽培方法が確立された作目や品種については、生産力の強化に加えて、多様化する消費者のニーズに応じた適時・適量・適質の作物を安定的に供給できるように組織体制の強化をはかることを指摘いたしました。

さらに、新規就農者の経営作目の偏りや地域偏在を解消し、今後は、必要なところに必要な人材を育成していくよう、政策的・戦略的に新規就農者を育成していくことの必要性についても併せて指摘させていただいたところであります。

農業を取り巻く環境は厳しい状況が続きますが、ブランド戦略の推進、6次産業化など農業の付加価値を高め、「攻め」の農業を戦略的に展開し、魅力ある農業を確立していく必要があると考えます。

そこで、農政環境部の来年度の当初予算の大項目として「競争に強い農林水産業の確立」が掲げられていますが、「競争に強い」、「攻め」の農業を展開していくことについて、来年度の予算編成のなかで、どのように反映されたと考えておられますか、特徴的な点や広くアピールされたい点についてご所見をお伺いいたします。

農政環境部長(伊藤聡)

 経済のグローバル化の進展の中で、国内外の産地間競争に打ち勝つ足腰の強い兵庫の農林水産業を確立するため、平成25年度予算については、一つにはひょうご農畜水産物ブランド力向上対策、二つには生産基盤・体制の充実、三つには担い手の育成、四つには「食」と「農」に親しむ楽農生活の推進の四つを柱に編成した。
 特に、競争に強い攻めの農業の展開については、例えば、但馬牛の大型化や肥育期間の短縮への取り組み、野菜生産団地においては、ICTを活用して誰もが高品質の野菜を生産することが可能となるシステムの構築、また、米の食味「特A」をめざすモデル産地の形成、さらには農業改良普及センターごとに品目を定めて品質向上に取り組み、特産物のブランド化を進める「ひょうご元気な「農」創造事業」など、兵庫の農産物の一層のブランド力強化や品質向上を図る事業を実施することとしている。
 また、神戸ビーフや淡路島タマネギを初めとする兵庫ブランド産品や特産品を対象とした「ひょうご五国のめぐみ首都圏プロモーション」や、香港における神戸ビーフと県産農産物とのコラボプロモーションにより、県産農産物の販売力を強化していくこととしている。
 併せて、これらを支える担い手の育成と生産基盤を整備するため、集落営農の推進や定年就農を含めた多彩な新規就農者を確保するとともに、田畑輪換により農地の高度利用を可能とする基盤整備などを進めていく。
 これらの施策を進めることによって、国内外の産地間競争に打ち勝つ力強い農業を確立していく。

石井秀武委員

8 公共事業の量的確保と経済の活性化について 

次に、公共事業の量的確保と経済の活性化についてお伺いします。

来年度の当初予算では、投資事業のほか、農林漁業の基盤整備対策、中小企業資金繰り対策等を事業化するため、今年度12月補正予算と2月補正予算を合わせた16か月予算として一体的に進めようとされています。

なかでも、投資的経費については、昨年度2月補正予算と今年度当初予算を合わせた14か月予算と比べて、約30%上回る2,450億円の事業費が確保されています。増加分のほとんどは補助・直轄事業なので、国の補正予算に依存している状態ともいえます。

当初予算の記者発表資料では、「国の補正予算に即応し、県内経済の活性化を促すため、需要創出効果の高い公共事業等の投資事業を中心として補正予算を編成した」とされており、公共事業による県内経済の活性化を示唆されています。

今定例会における我が会派の代表質問では、増加する公共事業に対する執行力の確保について、質問したところですが、単に、公共事業の事業量を確保することが経済の活性化に繋がるのか、かつての自民党政権下では、バブル崩壊以降、200兆円を超える公共事業を行ってきましたが、結果としては経済再生に繋がらず、借金の山を残すことになりました。

公共事業によって、経済が活性化するということは、その直接効果として、従業員を含め、受注企業が公共事業を通じて潤うことがまずもって必要であり、直接効果が薄いとそこから波及する効果も当然薄くなります。しかしながら、入札制度は、適正な競争のもと、価格を可能な限り抑制しようとする立場から設定されています。そのうえ、公共事業の価格競争が激化している現状では、工事の受注による黒字もさほど見込めない状況も続くことが予想されます。公共事業の量的確保は、需要・雇用の創出面においては一定の効果が認められるものの、果たして経済の活性化に繋がっているのか、疑わしい面もあります。

そこで、公共事業の量的確保を通じて経済を活性化していくためには、受注企業が活性化できる「適正価格」を確保していく必要があると考えますが、この点を含め公共事業の執行にあたって、どのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いします。

副知事(吉本知之)

 25年度当初予算の公共事業については、12月補正、2月補正と合わせた16ヵ月予算として、24年度を上回る量を確保しているが、委員のご指摘にあったように、これを県内経済の活性化につなげてまいらねばならない。このため、一つには、受注企業が利益を確保できる適正価格として、最低制限価格を設定すること、二つには、地元企業の受注機会の確保を図ることが必要である。
 まず、本県の最低制限価格についてであるが、公共工事の品質を確保し、ダンピング受注を排除する目的で、中央公共工事契約制度運用連絡協議会――いわゆる中央公契連の算定式を採用しているところである。この算定式については、国発注工事実績の悉皆調査を踏まえ、毎年、適切に見直しが行われているところである。この結果、本県における現在の最低制限価格は予定価格の85%程度となっている。この価格は、中央公契連によると、受注企業が下請も含めて黒字がほぼ確保できる水準と言われており、引き続き適正価格の維持に努めてまいりたいと考えている。
 また、地元企業の受注についてであるが、地元企業に配慮した入札参加条件の設定として、ひょうご障害者ハート購入企業や、インターンシップ協力企業の加点制度の新設・拡充などに努めているところである。また、可能な限り分離分割発注することによる小規模工事の確保、2月補正予算の早期発注やゼロ国債・ゼロ県債の活用による切れ目のない発注など、その機会の確保に努めていく。
 加えて、公共土木事業については、昨年度から主要建設資材の県内産品の使用を義務づけているところである。県内産業への経済波及効果の向上にも寄与できるものと考えている。
 今後とも、公共事業の量的な確保を図るとともに、県下の地元企業の需要や雇用等に結びつく適正価格の維持に努め、本県経済の活性化につながるよう取り組んでまいるので、どうぞよろしくお願い申し上げる。

石井秀武委員

9 有能な女性警察官の確保に向けた取り組みについて

最後に、有能な女性警察官の確保に向けた取り組みについてお伺いします。

今定例会で、我が会派の徳安議員が行いました『女性警察官が働きやすい職場環境づくりについて』の質問に対して、塩川県警本部長からは、女性警察官の需要、期待の高まりについて改めて認識が示されるとともに、「その確保のために女性専用の仮眠室・シャワー設備などのハード整備をさらに進めるとともに、また職員の倫理教養も再度徹底し、女性が働きやすい職場づくりを進めていく」との答弁がありました。

質問の中でも紹介がありましたように、女性警察官の活躍が求められる場面がますます増大していくことが見込まれるなか、県警では「兵庫県警察における女性警察官の採用・登用拡大に向けた計画」に基づき、6年後には全警察官に占める女性の割合を現状の6.8%から9%とするべく、年間採用予定人数を拡大するなどの取り組みを進めていますが、そう簡単には増えません。結婚、出産、育児、介護などを理由に退職した警察官の再採用についても積極的に取組んでいただきたいところであります。

また、さらに深刻な状況なのは、現状で限りなく皆無に近い女性警察官の幹部への登用についてです。指導的立場に女性がいないことにより、組織が硬直化し、問題が潜在化しがちなのは、女性理事の不在がフォーカスされた全日本柔道連盟の問題と重ね合わせることができるように思います。

女性警察官の幹部への登用について、県職員と同様に目標を設定し取組むべきであるとともに、各人の意向を確認したうえで、意欲のある女性を、将来の幹部候補生として育成する取り組みも必要です。

本部長の答弁では、セクハラ問題について「現時点で常識とされることについて欠如している」とのことでした。まさに、県警察への幹部への登用状況についても当てはまるのではないでしょうか。

女性警察官が就職し、働き続けられる環境整備に向けて、先ほど質問しましたチャレンジ事業と同様に、既成概念を打ち破っていただきたいところですが、女性警察官の登用に取り組んではいますが、一般の視点からすれば、進んでいるとはいえない状況であります。

そこで、今後、兵庫県警におかれては使命感を持って、女性警察官の採用数や幹部への登用拡大をはじめ有能な女性警察官の確保に向けた環境整備に取り組んで頂きたいと考えますが、本部長の不退転の決意も含め、改めてご所見をお伺いします。

警察本部長(塩川実喜夫)

 警察安全相談やストーカー、DV事案などに対して、女性のニーズが高まっている現状、さらに、少子化の進展に伴い、警察官としてふさわしい人材を広く求める意味からも、女性警察官の積極的な増員に取り組んでいる。具体的に申し上げると、平成24年度の採用試験では、昨年度から倍増の52人を採用する予定としており、今後も年間50人程度を採用していくこととしている。
 また、再採用の状況であるが、結婚や出産などを理由にやむなく退職した女性警察官を現在までに8人採用しており、今後も引き続き豊富な実務経験を持つ有能な女性警察官の再採用に取り組んでいく。
 これら採用された女性警察官は、被害者支援、犯罪捜査、白バイ乗務など、警察業務全般にわたって活躍しており、中でも警察署長として活躍している者がいる。
 県警察としては、有能な女性警察官を確保するという観点から、警察官をめざす女性から見て魅力ややりがいのある職場と感じていただくため、女性警察官の採用数の増加とともに、さらなる女性幹部の登用が重要な要素であると考えている。したがって、幹部の素養を備えた優秀な女性警察官は、余すことなく登用していくという積極姿勢で推進していく。
 また、女性警察官の採用を積極的に進める上からも、来年度予算案において、女性警察官配置交番への専用仮眠室やトイレなどの整備を初め、警察署への女性専用シャワー室の改修整備に係る所要額を盛り込むなど、今後も女性が働きやすい環境整備に努めていく。

石井秀武委員

 塩川本部長におかれては、兵庫県警の置かれている現状をしっかりと踏まえた上で、さらにスピード感を持って取り組んでいただきたい、そのことを要望しておく。
 時間となったので、これで質問を終わるが、この平成25年度予算を着実に執行していただき、今定例会の知事提案説明にあった、一人一人が夢と希望を持って生き生きと暮らすふるさと「創造と共生の舞台・兵庫」づくりに寄与する予算となることを期待して、質問を終わる。