スポーツ振興の 取組において私が特に力を入れていただきたいと 考えている一 つが、国際スポーツ大会や その事前合宿の誘致です。 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに参加する海外の 選手らと地域住民の交流を促進するホストタウン構想では、昨年 12 月に地方自治体から計 画が申請され、神戸市など 44 自治体が第 一 次登録として決定されました。ホストタウン構 想の推進に当たって、事前合宿地誘致の取組自体は 、 各府県 ・ 市町村が地域の実情に応じ て、相手先交流事業を決めていくべきものですが、このホストタウンの取組が 、 2021 年の ワールドマスターズゲームズにも 生 かされるのではないかと考えます。
関西広域連合において、各自治体の誘致活動を後押しするような取組、例えば 、 関西全 域において宿泊、旅行業者、鉄道、交通などの民間事業者の参画も得て、ハラール等の 食 への対応、ドーピング検査体制などが整った宿泊施設や競技施設、行政によるバックアッ プ体制などをパッケージにした誘致活動を展開してみてはいかがでしょうか。
こうした取組は 、 世界への関西ブランドの発信、インバウンドによる観光振興にも大き く寄与するものであります。そこで、広 域スポーツ振興ビジョンが掲げる戦略の 一 つ、 「 スポーツ の 聖地関西 」 の実 現に向け、各自治体との役割分担のもと、国際スポーツ大会等の誘致に積極的に取り組む べきと考えますが、連合長にご所見をお伺いいたします。
世界中で観光需要が高まる中、旅行者ニーズは多様化し、より質の高いツーリズムが今 後ますます求められます。アジアからの来訪者による一過性のいわゆる爆買いに頼った観 光だけでは 、 今後 、 関西が世界の中で観光地として生き残ることは難しいと思われます。 そもそも日本 文化は、古来、大陸文化の影響を受け、その文化を守り育て、日本独自の変 化を遂げて発展してまいりました。中国をはじめアジアの人々は、そのような日本の文化、 食、芸術、町並みに強い親近感と郷愁感を抱いております。また、西洋の人にとっては 、 異文化の体験であり、新しい発見、感動の連続であるはずです。さらにイギリスの雑誌エ コノミストが 2015 年に調査した世界安全な 都市 ランキングで大阪が3位にランクインして おります。また、関西は阪神淡路大震災を教訓に、災害に強い地域づくりも進めてまいり ました。世界トップクラスの安全安心を基 盤に、首都圏にはない魅力を持つ関西で、日本 の奥深さを十分に堪能してもらえる個人、家族を中心とした長期滞在型のツーリズムを積 極的に提案していく必要があります。例えば健康 、 医療、スポーツ 、 産業、農業、環境な どのツーリズムについて 、 昨年認定された広域観光周遊ルートや3月 24 日に設立予定の関 西国際観光推進本部を活用しながら売り込んでいくべきであります。
そこで、関西広域連合として、アジアを基軸にしつつも、欧米なども含め、ターゲット を絞り、海外拠点を持つ大手旅行社とも連携しつつ、積極的に 「 関西 」 を発信する必要が ある と考えますが、広域観光振興担当の山田委員にご所見をお伺いいたします。
先週、インテックス大阪においてメディカルジャパンが開催されました。期間中、私も 先ほどの横倉議員と同様に2月 24 日に現地を訪問し、会場の賑わいと共に改めて医療関係 分野の裾野の広さを感じました。関西広域連合はブース出展など、特別協力団体として参 画し、 今年 で2年目となります。来年度の当初予算でも広域産業振興事業費約 4,100 万円 のうち 、 2,500 万円をこのメディカルジャパンへ の 出展 関連 費用 として計上しております。 これだけ多くの方が来場し、さまざまな医療機器を分野 を またがって見ることができるイ ベントが関西で開催されることは、医療関係者のみならず大きな意義があると思われます。
ただ、これだけ民間ベースで盛況なイベントであれば、連合は厚生労働省と同様、PR や 後援 など後方支援に回ってもよいのではとも考えられます。昨年、日本医学会総会の関 西開催を契機に、産学官連携組織として関西健康医療創生会議が設立されました。むしろ 単にブース出展というだけではなく、例えばこの会議を母体として 、 イベント 全体の企画 立案段階から参画し、毎年テーマ性を持った内容にすることも考えられます。
そこで、来年度さらに規模を拡大して実施が予定されているこのメディカルジャパンに ついて、広域連合としてもより効果の高い事業となるよう 一 歩踏み込んだ出展内容の工夫 やイベントへの参画方法について検討すべきと考えますが、広域産業振興担当の松井委員 にご所見をお伺いいたします
関西広域連合では、これまで関西による首都機能のバックアップ構造の構築について 国等に提言してまいりました。一方で、大阪府市は、昨年、副首都推進本部を設置し、 12 月 と2月に本部会議を開催しております。首都東京は、江戸城を中心に同心円状に衛星都市 が発展し、圏域を形成してきました。一方関西は、古都京都、商都大阪、港町神戸をはじ め、大津、奈良、堺など歴史の特色ある都市が域内に点在し都市圏を形成しております。 首都 圏のコピーを関西につくるという発想では特色のあるこれらの都市の良さが 活 かされ ませんし、関西の中での一極集中が進む 恐れ もあります。現に、先週速報が発表されまし た昨年の国勢調査によると、関 西全体では人口減となっておりますが、大阪市や吹田市な どでは人口増となるなど、流入が顕著になっております。関西の持つポテンシャルを最大 限発揮するためには、域内の周辺都市も巻き込んだ議論の中で関西の機能強化、双眼構造 の構築を進めるべきではないでしょうか。
そこで、大阪府市が取り組む副首都構想とこれまでの関西広域連合が提案してきた 首都 機能のバック アップ 構造の構築はどのような関係にあるのか、また、副首都構想の目指す 姿はどのような関西 ・ 大阪の姿なのか、その中心都市の首長である吉村委員に ご所見 をお伺いいたします。
本年2月、関西電力高浜発電所3号機が 約4年ぶりに再稼働しました。関西電力管内の 原子力発電所では、 大飯 発電所3 、 4号機が定期検査で止まって以来、約2年半ぶりの稼 働です。国のエネルギー基本計画では、安全を前提に、安定供給、経済性、環境性を同時 に実現する上で、一定程度の割合で、原子力の必要性がうたわれております。経済性に関 して申し上げれば、先般 、 関西電力では、高浜発電所の再稼働を受け、平成 28 年5月1日 から電気料金を値下げすることを表明しており、これは 一般の家庭や産業界にとっては 歓 迎 すべきことであります。その一方で、原発の使用済燃料は、現在 、 発電所内の燃料プー ルで保管されております。関西電力によると、使用済燃料は、再処理工場に順次搬出する こととしておりますが、仮に発電所からの搬出が全くなく、9基全てのプラントが稼働し た場合、使用済燃料プールは、約7年から8年で 一杯 になるとされております。現在の枠 組みでは、一義的には電力会社において、中間貯蔵施設を確保することが求められており、 そのため関西電力でも使用済燃料の中間貯蔵施設を設置する方針としておりますが、個々 の事業者による取組だけで進展されることは難しく、国による積極的な関与が求められる 問題であります。さらに、エネルギー基本計画において国は核燃料サイクルの推進も基本 的な方針としております。であるならば、 尚 のこと、中間貯蔵施設の確保についても電力 事業者任せにせず、最終処分地の確保と同様、国が責任を持って対応すべきものと考えま す。東日本大震災以降、国内の原子力発電所が停止し、中間貯蔵施設の確保に向けた議論 が下火となっていましたが、先般の再稼働を機に、もう一度我々自身の認識としてその 対 処 に向けた道筋を整理しておく必要 があるのではないでしょうか。
北陸新幹線のルート問題では、連合が提案した米原ルートは事実上、難しい状況となっ ております。これと同じ轍を踏まないためにも、慎重かつ丁寧な対応が求められます。そ こで、使用済燃料の中間貯蔵確保について関西広域連合としてあらゆる機会を捉えて、国 の責任において整備するよう提案していくべきと考えますが、連合長のご所見をお伺いい たします。
○広域連合長、広域防災担当、資格試験・免許等担当委員(井戸敏三)
国際競技大会やその事前合宿の招致 ・ 開催、あるいはホストタウン構想の取組は府県民 のスポーツへの関心を高め、ボランティアや国際交流の好機になる。 併せて 、インバウン ドの拡大などの経済効果も見込まれますので、地域活性化に大きく寄与すると考えており ます。したがいまして、広域連合といたしましても、構成府県市や外部機関との連携を図 りまして、極力 、 積極的な取組を進めていくべきものと考えています。
日本スポーツマスターズ 2017 が兵庫で開催することになっておりますが、 2018 年、世界 マ スターズ卓球選手権大会の誘致もしていたのでありますが、これはちょっと失敗をして しまいました。このような各取組を情報的に と りまとめて、海外のトッププロモーション などで、トップセールスを展開していくということも 一 つだと考えます。 併せ まして、情 報発信力が十分でない自治体などもありますので、その 市町 が作成している 招致 のための ホームページなどの情報を広域連合で と りまとめて情報発信していく。3番目に、大会や 合宿地の決定は、スポーツ施設だけではなくて、ご指摘いただきましたように宿泊施設や 交通アクセスなどの利便性も勘案され ますので、関西圏域のスポーツ施設とのパッケージ 的な提案も考えてまいります。 併せて 、広域観光分野と連携して国内外のスポーツ参加を 目的としたアスリートの訪問者に、食だとか観光だとか文化だとかといったスポーツ関連 の情報を提供して、アスリートからスポーツツーリズムの振興につないでいってもらう、 これらのことも検討していきたいと考えます。
議員ご提案の点も参考にさせていただきながら、スポーツを通じた関西ブランドの発信、 関西の元気に結びつけていきますので、よろしくお願いをいたします。
使用済燃料対策に関しては、国はエネルギー基本計画において、「使用済燃料の貯蔵能力の拡大を進める」ということを基本方針とされています。関西電力におきましては、この方針に基づいて、「使用済燃料対策推進計画」を定められ、他の事業者との連携による取組などの対応を検討されていると認識しています。使用済燃料の中間貯蔵施設については、その貯蔵容器が大変な重量物であり、海上、陸上輸送をどうするか、施設の安全立地の確保をどのように図るかなど、正に国民的な検討や議論が必要な重要問題です。広域連合としては、住民の安全安心を守る立場から、国がしっかりと対応されるように注視してまいりたいと考えております。
成熟した観光圏域の構築とい うことでありますけれども、とにかくおっしゃいますように、今、大変な勢いで観光消費 が伸びている。そして、観光消費が昨年1兆大体 4,000 億 位 伸びたんですね。2兆円だっ たものが、速報でいきますと3兆 4,000 億まで一挙に伸びた。1兆 4,000 億のうち実は買物 代で伸びたのが 7, 000 億ぐらいあるんですね。まずそうした現状があるということであり ま す けれども、ここが確かにおっしゃいますように、ものすごく偏在しておりまして、昨 年の速報で見ますと、買物代全体が、1兆 4,000 億 位 あるんですけども、中国と香港、台 湾で1兆 1,000 億 位 いってる。残りの国は 3,000 億 位 という状況で、特に中国の方の買物代 というのは、もうずば抜けているというのは現状であります。
ただ、これは多かれ少なかれ ですね 、その国の対応とか、その特性があるのではないかということがありまして、逆に欧米系で見ますと、宿泊費が 非常に高いということがあっ て、そして、買物代はあまり出ないというように、国別によってもそういうものは違うん じゃないかと。ですから、私どもは、正にこういうそれぞれの国の特徴に合わせた多様な 商品を開発し、そうした多様性に対応できる環境をつくっていくことが必要ではないかな というふうに思っているところであります。
その点から申しますと、私は先日シンガポールの 「 トラベルレボリューション 」 という 旅行博に行ってきたんですけれども、そこでも ですね、 結構もう今多彩な商品が出て来て おります。例えば果物狩りですとか、産業施設の 見学・体験とか、また温泉のものだとか、 こうしたのが出て来ておりますので、私どもとしましてはそれぞれの特徴に合わせて、そ れぞれでうまく商品を開発し、特にその中で、 「 美の伝説 」 というのを今 、 推進本部を中 心に ですね 、プロモートしておりますけれども、こうした中で、医療や美容のテーマです とか、旅行商品ですとか、田舎農業体験ツアーなどのバリエーションを提供することによ って、いろいろな国の方々が楽しんでいける、そしていろいろな地域へ行けるような形を とっていくというのが当面の対策になろうかと思っております。
まだまだアジ アの国々、ASEANを中心に、最初の団体旅行が伸びている現状がござ いますので、当面はそうしたものをやりながら、これがだんだん落ち着いてくると、個人 旅行へ変わってくると滞在も長期化して、成熟化してくるという形をとると思いますので、 そうした点を踏まえた形での旅行商品の開発に努めていきたいというふうに思っておりま す。
○広域産業振興担当委員(松井一郎)
関西広域連合では、メディカルジャパンが関西のライフサイエンス産業の発展に寄与するものであることから誘致を行い、特別協力としてイベントのPRを中心に後方支援をしているところです。また、「関西」の認知度の向上、イノベーションの創出を目指し、自らブースの出展やマッチングセミナーも行っております。ブースでは、映像・パネル等による産業クラスターや先進的・革新的な取組を紹介をするほか、産学連携により生まれた医療機器などの実物展示などを行ったほか、セミナーでは大学などの研究者に優れた研究成果を発表していただいておりまして、28年度も当初予算案において、こうした経費を計上しています。
来年度の実施に当たりましては、引き続き、構成府県市や関係機関とも連携をしながら、来場者の声やアンケートの結果なども踏まえ、より充実したものに改善できるように検討してまいります。
○広域産業振興副担当委員(吉村洋文)
まず、大阪は、京都・神戸と共にこの関西、それから西日本の政治・経済・文化の拠点として長年にわたり発展してきた歴史的経過があります。大阪市としても、これまで関西広域連合に参画しまして、府県域を越える広域課題について関西圏の府県、政令市と一体になって取り組む、そういったことをしておりまして、関西・西日本の発展に取り組んできている、正にそういったところであります。
関西・西日本がさらに発展を目指す、そのためには、関西広域連合の位置づけを大切にしなければならないと認識しておりますが、その一方で、まず大阪がですね、日本の発展を牽引するふさわしい、この副首都としてあるべき姿、あるいはその方向性というのを示すべきではないかというふうに考えております。
そういった認識のもとで、今、大阪府と共同でですね、副首都推進本部を立ち上げまして、日本のツインエンジンとしての副首都の在り方、副首都にふさわしい統治機構改革について今府市一体となって検討を進めているところです。副首都にふさわしい都市機能と経済の成長力、これを併せ持った大阪の実現、さらには世界の都市間競争に打ち勝つことができる成熟した大都市・大阪の実現、それを目指しております。
この副首都推進本部においては、副首都の方向性の検討の一つとしまして、「首都機能のバックアップ拠点」、これを挙げております。具体例として、中央省庁の移転・分散、交通広域インフラの多重化を例示しております。これらは、関西広域連合が提案されています首都圏のバックアップ構造の構築、その方向性、目指すべき方向性については一致していると、そのように認識しております。