第343回定例会(2月)一般質問2019年2月22日

ひょうご県民連合議員団、神戸西区選出の石井秀武でございます。
分割にて質問を行います。
早速、質問に入ります。

1 兵庫県立大学のブランド力向上に向けた取組の推進について

兵庫県立大学のブランド力向上に向けた取組の推進についてでございます。
昨年5月1日現在で、全国に大学は782校あり、そのうち、公立大学校は93校、学生数は約15万5,000人となっているようです。私が卒業した時点では39校、6万人ほどであったことからしますと隔世の感を否めません。
数ある公立大学の中で、県立大学が全国5位の学生数と有数の歴史を誇る学校として発展を続けていることは、OBの一人として誇らしく感じているところです。今後も、我々OBが誇りを持てる大学であり続けてほしいと考えているのですが、18歳人口の減少等、大学を取り巻く情勢を踏まえると、今後、大学間競争はますます厳しくなっていくだろうと思います。
県立大学が競争を勝ち抜き、地域や社会に貢献し続けていくためには、選ばれる大学を目指してブランド力の向上を図ることが重要であり、そのためには就職の支援と広報の強化が重要だと考えます。
まず、就職ですが、県立大学の就職率は、平成29年と平成30年3月の学部卒業生の就職率は、ともに99.3%と高い数字となっております。最近の売り手市場が反映されているにしても好調であると言える数字です。
私が申し上げるのも口幅ったいことですが、現在の好調な就職状況を支えているのは、旧神戸商大、旧姫路工大のOBであると考えます。例えば旧神戸商大なら、かつてはダイエーの創業者や東芝、野村証券、私も勤めておりました長谷工など、また、旧姫路工大ならマツダなどといった企業の経営者を輩出してきた歴史と伝統があります。
OBが各企業で責任ある地位につき、県立大学卒業生を自分たちの後輩として評価し、採用につなげてくれているのだろうと考えます。
しかし、それがいつまでも続くわけではありません。そうしたOBも順次退職していきます。それまでにOBたちが築いてきた財産である企業とのつながりを最大限に生かして、県立大学卒業生のより良い就職につなげていかなければならないと思います。
そのためには、例えば、理事長なり学長なりが有力なOBに働き掛けるトップセールスを行い、魅力的な就職先を維持、あるいは新たに開拓していくことにも取り組んでいくべきではないでしょうか。
さらに、課題なのが就職支援の体制です。例えば、首都大学東京はキャリア支援課、大阪市立大学は就職支援室、横浜市立大学は学生・キャリア支援課といった体制を整備しているのに対し、県立大学の体制は果たして十分なのでしょうか。就職支援に長けた専門人材による支援体制の構築も検討していく必要があるのではないでしょうか。
次に広報です。県立大学で学びたい、子供を進学させたい、卒業生を雇いたい、というように県立大学に魅力を感じる人々を増やしていくためには、伝える相手と内容に、より最適な手段と方法を選び、記憶に残る広報を行っていくことが重要です。
県立大学は何を目指し、どういう教育・研究をしているのか、県立大学で学ぶことにより、自分の将来にどういう展望が開けるのかなどを明確に発信していかなければなりません。そのためには広報を戦略的に企画し、実施する体制の構築が必要です。
例えば、大阪府立大学や大阪市立大学は広報課や広報室を、首都大学東京では企画広報課を、北九州市立大学は広報入試課を、横浜市立大学は広報室を持っております。それに対して、県立大学には専門的に広報に取り組む部署がありません。部署を作ることが難しければ、外部人材をスカウトし、県立大学の広報を強化する手段も考えられます。メディアに取り上げられれば取り上げられるほど、また、その媒体の種類や数が多いほど、県立大学の認知度は高まり、良い印象を与えることができると考えます。
そこで、県立大学では、自身のブランド力について、どう評価しているのか、また、その向上のために就職支援及び広報の強化に今後どのように取り組んでいこうとされておるのか、お伺いいたします。

2 県庁舎のセキュリティ対策について

次に、県庁舎のセキュリティ対策についてお尋ねいたします。
県庁舎には、仕事や県庁見学などで連日多くの来庁者がありますが、一義的には職員の執務の場所として、あるいは、議員の活動の場であるため、行政文書や個人情報など外部へ流出させてはいけない情報を多く扱っております。そうした情報の保護のためには、例えば不審者の侵入に配慮するなどのセキュリティ対策に万全を期しておくことが重要であると考えます。
本日は、来庁者の数や扱う情報量が多い本庁舎のセキュリティ対策に絞ってお伺いすることにいたします。
県庁舎への出入り口については、午後6時以降になると1号館から3号館は、保安室のある出入り口からしか出入りできないようになっているので、ある程度のセキュリティは確保されているようにも思いますが、勤務時間中はどうでしょうか。
例えば、国の合同庁舎に入館時のセキュリティチェックがあることは、ご存じの皆様方も多いと思います。また、神戸地裁では、この1月4日から、X線手荷物検査装置を導入したという報道がありましたが、危険物持ち込み防止のため、裁判所でもセキュリティの強化を図る動きがあります。
地方自治体では、東京都庁がセキュリティゲートを設け、一時通行証の発行を受けなければ入庁できないようになっております。
確かに、都道府県庁でここまですることが必要かどうかは議論の分かれるところであると思いますし、誰でも気軽に利用できるオープンスペースも必要だとは思うのですが、個人情報保護、行政文書の管理の徹底、防犯といった観点からは見習うべき点もあるのではないかと思っております。
それは、よく他の自治体でも新庁舎再整備を検討する際、来庁者、職員、議員等の立ち入れる区画や動線の分離、セキュリティ・ゾーニングなどを考慮した整備を考えていることからも分かります。
現在建設中の岐阜県庁舎では、共用スペースと執務エリアを区分し、ICカード認証設備等を設置するといいます。さらに、横浜市も現在、新庁舎を建設中ですが、その管理計画を見ますと、セキュリティの項で8ページにわたって、セキュリティ・ゾーニングの考え方や機械警備の導入などについて詳細に記しております。
セキュリティ対策というのは、何かが起きてからそれにどう対応するかということも重要ですが、それ以上に、その何かが起こらないように、あらかじめ対策をとって防いでいくという考え方も重要だと考えますので、現在の勤務中のセキュリティ対策は、はなはだ脆弱に思っております。
県庁舎の再整備に当たっては、他の自治体と同様にセキュリティ面も課題とされているようですが、では、新庁舎ができるまでの間はどうするのでしょうか。そこで、現在の県本庁舎のセキュリティ対策について、どのように取り組んでいるのかを伺いますとともに、今後、県庁舎の再整備までの間、どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いいたします。

3 ツール・ド・ひょうごの実施について

次に、ツール・ド・ひょうごの実施についてお伺いいたします。
私はこれまで、この場で、誰にでも身近な自転車を活用した地域振興について、ツール・ド・淡路や六甲山ヒルクライムの実施などを提案してまいりました。いずれもまだ実現できていないのですが、来年度は、淡路島ロングライド150が琵琶湖や佐渡島を1周する、いわゆるビワイチ、サドイチと連携した新たな取組を行うとともに、丹波市でツール・ド・丹波を開催されるなど、県内の各地域でサイクルツーリズムを活用した地域振興策が充実していくのを感じました。ほかにも県が主催者として関わりを持っているものとしては、山陰海岸ジオパークコウノトリチャレンジライドin但馬があります。
こうした大きな事業でなくとも、阪神南では、自転車まちづくりの推進、阪神北では、ひょうご北摂スポーツサイクルの郷づくり、西播磨では、サイクリングde地域活性化など県民局単位や、はりまクラスター型サイクルスタイルなど広域で、自転車を活用した地域活性化に取り組まれようとしております。
こうしたサイクルツーリズムの地域での取組を更に広げることはもちろんですが、併せて本県のサイクルツーリズムを象徴する自転車のイベントの実施を検討してはどうかと考えます。
私が具体的な先進事例としてイメージしているのは、栃木県が開催しているツール・ド・とちぎで、今年の3月に第3回目の大会が開催されることになっております。栃木県は、自転車先進県を標榜しているのですが、ツール・ド・とちぎは、国際自転車連合公認のレースとして国内外の強豪選手を迎え、県内全域を1回当たり3ステージのコースを設定し、2年で全市町を走破するというものです。
主催は特定非営利活動法人ツール・ド・とちぎの会、主管はツール・ド・とちぎ実行委員会で、委員会の会長は、NPO法人の理事長で民間企業の代表者、県知事が名誉会長、宇都宮市長が副会長、その他経済団体の方々などが入っております。
財源としては、地方創生推進交付金を県と全市町(14市11町)が共同で申請し、活用しております。平成29年の第1回と平成30年の第2回とで全県の市町を回ったので、この第3回は2回転目に入ることになります。
第1回大会は観客動員数約6万6,000人、経済波及効果約10億9,000万円、第2回大会は同じく、約7万2,000人、約11億1,000万円であったそうですが、こうした効果だけではなく、地域住民、経済界、県や市町などがオールとちぎとして連携・協力して開催している、象徴的な取組であるところに大きな意義があると考えます。
本県は、栃木県に比べて大都市部があり、島・海があるなど、バラエティに富んだ魅力的なシーンを満喫できるコース設定が可能です。そこで、ぜひ兵庫県でもツール・ド・ひょうごとして開催を検討してみてはどうかと考えるのですが、ご所見をお伺いいたします。

4 ライフラインの早期災害復旧に向けた県の取組について

次に、ライフラインの早期災害復旧に向けた県の取組についてお尋ねいたします。
昨年の台風21号による被害の中の一つとして、関西電力管内で延べ約220万件という大規模な停電がありました。強風による倒木・飛来物等による電線の切断、電柱の倒壊などにより停電したもので、5日後の9月10日零時には全停電軒数の99%が復旧いたしました。しかしながら、全面復旧は9月20日、つまり2週間以上掛かったということになります。
阪神・淡路大震災のときの停電の規模は約26万件で、今回より更に大きかったのですが、1週間後には全面復旧したことと比べると、確かに時間が掛かっております。まだ残暑厳しい折でしたから、特に高齢者や病院・介護施設などに入っておられる方は、大変ご苦労されたことと思います。
言うまでもなく、電気は重要なライフラインの一つであり、復旧が遅れると家庭生活や経済活動など、さまざまな分野に大きな影響を及ぼすため、早期復旧が望まれます。そして、その復旧作業を一義的に担うのは電気事業者であることは承知いたしております。
今回復旧が遅れた原因は、被害が広範だったことに加え、道路上の倒木などで復旧・修理が必要な現場に近づけない、山間部で現地へのルートが限られており、到着に時間が掛かる現場が多かったなどだったという理由が上げられております。
今回の事態を受けて、関西電力では昨年9月に内部で台風21号対応検証委員会を立ち上げ、12月に報告を公表いたしました。そこで課題として上げられているのは、1つに、停電の早期復旧、2つに。お客様対応、これが大変やったようでございますが、3つ目に、自治体との連携の大きく3点であります。
この中で、私が特に注目したいのは、早期復旧を達成するための課題として、障害物・土砂崩れ等による停電復旧に長期間を要したということです。山間部において道路が倒木や崩れた土砂にふさがれ、作業員の立ち入りがままならない場所があったことへの対応として、関西電力の報告では、自治体との早期連携に向けた事前協議を進めること、関西電力自身が重機の導入等により障害物を除去することも検討していくとされております。
ということは、この台風21号に被災した時点では、電力会社の復旧を担う人たちにそうした機能が不足していたということが分かりますし、行政もその視点がやや弱かったのではないかと感じます。
電力をはじめとするライフラインが停止して困るのは県民であることを考えますと、今回のことを教訓として、自治体側からも早期復旧のためにできることを積極的に提示しながら、事業者等と協力した体制を進めるべきではないかと考えます。
そこで、県として、これまでライフラインの早期復旧に向けた事業者との連携についてどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいこうとされておるのか、所見をお伺いいたします。

5 長期保有土地の有効活用について

次の質問は、長期保有土地の有効活用についてであります。平成29年度末現在、県の長期保有土地は約2,000ヘクタールあり、これとは別に、先行取得用地のうち、直ちに利活用が見込めない山林を県有環境林として約2,180ヘクタールを取得しております。
また、企業庁では、播磨科学公園都市、そして、ひょうご情報公園都市に、合わせて約1,379ヘクタールの事業進度調整地を保有しておりますが、兵庫県行財政運営方針では、県民・企業ニーズや事業採算性等を考慮の上、地元自治体等の理解と協力を得ながら、その利活用を検討するが、利活用が困難な場合は、長期的には環境林としての活用も検討すると記載されております。
今後の社会経済情勢にもよりますが、その多くが県有環境林となる可能性があるのではないかと思います。そうなれば、その面積は、尼崎市や川西市とほぼ同じくらいになりますので、それが有効に利活用されないのは非常にもったいないことだと思います。議会といたしましても昨年、行財政構造改革調査特別委員会の報告書において、地域創生に資する事業など、より効果的な事業への利活用の検討を行うよう提言しているところです。
そのような中、県有環境林として管理されている三木市福井・上荒川用地を活用した、狩猟者育成センターの整備が平成31年度当初予算で打ち出されました。
長期保有土地のうち、一旦、直ちに利活用が見込めないとして、県有環境林として取得した用地であっても、こうした有効活用をもっと積極的に図っていくべきだと考えます。
そこで、県有環境林として取得した用地も含め、長期保有土地の今後の活用について、どのような姿勢で取り組んでいこうとされているのか、所見をお伺いいたします。
以下、質問席に移ります。

答弁

兵庫県知事 井戸敏三

ひょうご県民連合議員団の石井秀武議員のご質問にお答えします。
まず、兵庫県立大学のブランド力向上に向けた取組の推進についてのお尋ねがありました。
18歳人口の大幅な減少など、大学を取り巻く情勢は厳しくなる一方です。学生や社会から選ばれる大学であり続けるためには、ご指摘のように、教育研究の充実に加え、就職支援や広報の強化が必要だと考えます。
近年の就職活動は、OB面接や教授の推薦等が採用活動の第一段階とされていた時代とは異なり、まずはインターンシップ、インターネットでのエントリーシートや適性検査等の選考過程を自分で突破することが求められています。
このため県立大学では、就職課は設置はしておりませんけれども、本部と主要キャンパスの学務課にキャリアコーディネーターやキャリアアドバイザーを配置して、教職員と連携したキャリア教育、就職対策講座、面接指導、若いOB・OGを活用した企業研究など、個々の学生の就職力強化に向けて、さまざまな支援を1年生から行っています。
理事長、学長等による県立大学のトップセールスも有効であります。今回の新学部の開設に当たりましては、大企業をはじめ県内外の企業と95社を訪問して、PRと採用依頼を行っております。
広報の強化につきましても、広報課は設置しておりませんが、今年度新設した広報担当副学長をトップとする体制のもと、各キャンパスと連携しながら、インスタグラムやフェイスブックなどSNSも活用した、定期的な情報発信に取り組みました。更に新年度からは、新たにマスコミと連携して、年間を通じた広報企画や情報発信に取り組むことにしております。また、理事長や学長による定例記者会見を行うことと予定しております。
県立大学は、最も古い旧神戸商大から数え、全卒業生が約7万人に上り、企業経営者をはじめ、社会各分野で活躍する多くの人材を輩出しております。この旧3大学の伝統と知名度を礎に、これからの社会を担う人材育成に取り組み、開設から15周年を迎える県立大学のブランド力を更に向上させてまいりますので、先輩として、ぜひ応援をよろしくお願いいたします。
続いて、ツール・ド・ひょうごの実施についてお答えをいたします。
自転車で地域を巡り、魅力を楽しむサイクルツーリズムの人気が高まっています。瀬戸内しまなみ海道では、日本人、外国人とも観光客が大きく増加するなど、交流人口を増やす有効な地域振興策になっていると承知しています。
平成29年に施行されました自転車活用推進法でも、サイクルツーリズム推進が政策課題として位置付けられています。
本県でも、アワイチと称される淡路島一周のサイクルや、アワイチは、ビワイチ、そしてサドイチと併せて、全国の3大サイクリングコースだと認められておりますが、そのほかにもツール・ド・丹波のほか、銀の馬車道・鉱石の道サイクリングイベントをはじめ、県内各地でルートマップを作成し、休憩箇所の整備など、自転車を活用した取組を進められてきています。
県は、こうした取組を全県的に展開・拡充するため、来年度より、ひょうごサイクリングモデルルートを含む兵庫県自転車活用推進計画を策定し、路面標示の充実などの走行環境や、道の駅へのサイクルスタンド設置など受入環境の整備、情報発信などに取り組んでまいります。
また、大鳴門橋の自転車道設置の実現可能性の検討も現在、風洞実験を行い、進めております。
ご提案のツール・ド・ひょうごは、全県をコースとした大規模なサイクルイベントになります。子午線上を城崎まで北上するルート、但馬、播磨、淡路、阪神、丹波と五国を巡るルートなどが想定されます。明石海峡大橋をルートに組み込むことができれば、世界的なサイクリングコースになるのではないかと思いますが、明石海峡大橋の交通安全対策や、日程が長期になることなどを考えると課題も多い。しかし、挑戦したいと思います。
ツール・ド・とちぎのように、複数年で一周する方法もあります。これが現実的かもしれません。実行力を備えた先行事例のような自転車関係団体を中心とした主体や、適切なスポンサーの発掘などの課題もありますが、これも努力をしてまいります。
いずれにしても、県におけるサイクルツーリズムの象徴として、まずは市民レベルの大会の実現に向けて、積極的な検討を進めてまいります。兵庫県自転車競技連盟会長である石井議員にも、ぜひご協力とご指導をお願いいたします。

防災監(早金孝)

私からは、ライフラインの早期災害復旧に向けた、県の取組についてご答弁申し上げます。
ライフラインの復旧は、事業者が行うことが基本ですが、大規模広域災害時は、県民生活への影響が大きいため、事業者と協力し、迅速な復旧の支援を行う必要があると認識しています。
このため県では、関西電力などのライフライン事業者に対し、平時から合同防災訓練や本部運営訓練などへの参加を求め、連携を強化してまいりました。災害時には、県対策本部で停電や住民対応の状況を共有するなど、連携して対応しております。
また、道路上に崩土等が発生した場合には、道路管理者として道路の通行を確保するために、それを撤去しています。昨年の台風21号の際には、復旧見込みなどの状況の共有や医療施設の優先復旧など早期復旧に向け、連携して対応に当たりました。
なお、当時、県内の停電原因は、強風の飛来物による送電線の切断によるものが多数でありまして、復旧の遅れは、電力作業員の方が土砂崩れ等によって、断線箇所に到達できなかったことによるものではないと聞いております。
関西電力では早期復旧に関し、一つには、迅速な道路計画、二つには、事前対策も含めた障害物除去への協力、また、三つには、市町など関係機関との連絡体制の確立などについて、管内府県への協力要請を検討されています。早期復旧に向けて、本県も必要な協力を行いますほか、道路の復旧見込みの共有など連携できる事項を提案する。また、医療や福祉施設など優先復旧すべき施設の事前選定などを行います。
今後ともライフライン事業者との連携を一層進めて、災害発生時の迅速な復旧を支援し、県民の安全・安心の確保を図ってまいります。

企画県民部長(山口最丈)

県庁舎のセキュリティ対策と長期保有土地の有効活用についてお答えをいたします。
まず、県庁舎のセキュリティ対策についてです。
県庁舎は、職員の執務スペースのほか、2号館最上階のみどり展望園など、広く県民に開放しているスペースも備えており、その利用者をはじめ、各種申請手続に訪れる県民の方や物品納入業者など、多くの人が出入りする場所でございます。
そのため来庁者が利用しやすい調査環境を整えると同時に、職員の安全を確保し、個人情報や行政文書等を適切に管理するためのセキュリティ対策を講ずる必要があります。
現在、本庁舎では、保安員が各庁舎の玄関で立哨し、随時、庁舎内で、庁舎敷地を巡回警備しております。
また、通用口やロビー等に防犯カメラを設置いたしまして、保安室で監視をしているほか、庁舎受付には、緊急時に保安室等に自動通報できる設備を設置するなど、不審者や不審物に対する防犯対策を講じているところでございます。
さらに、厳格なセキュリティ対策が求められる税や給与などのサーバ室は、専用のICカードによる入退室管理を行っているほか、課室単位では必要に応じて、執務室内に立入制限エリアを設けるなど、情報の適正な管理に努めております。
加えて、閉庁日の入退庁を職員証で管理するシステムを現在開発中でございまして、4月から運用を開始することとしております。
今後とも、こうした新たな対策にも積極的に取り組みながら防犯対策や情報管理を徹底し、庁舎の利便性にも配慮した、適切なセキュリティ対策を講じてまいります。
なお、本庁舎の再整備に当たりましては、国や他の自治体の事例も参考にしながら、業務内容にふさわしいセキュリティレベルに応じた対策の強化を検討してまいります。
次に、長期保有土地の有効活用についてです。
長期保有土地については、新行革プランにおいて処理の基本方針を定め、県での利活用や民間売却、県有環境林としての適性管理に取り組み、この10年間で、面積で約2,400ヘクタール、金額で約2,000億円を縮減してまいりました。
県での利活用に当たりましては部局横断的な検討を行い、近年では小野市山田用地の緊急自動車総合訓練センターの整備、加古川市神野用地の健康科学研究所の移転整備、このたび提案をいたしております、三木市福井・上荒川用地の(仮称)狩猟者育成センターの整備など、具体化を図っているところであります。
一方、直ちに利活用が見込めない山林は、県有環境林として適正管理を行っておりまして、宝塚新都市用地を活用した自然環境学習会等の取組に加えまして、丹波市氷上・南油良用地では、市やNPO法人と協定を締結いたしまして、森林の整備・保全、研修活動のフィールドとして活用するなど、地元市町の利活用の取組も進んでおります。
今後は、無秩序な開発を防止するために、取得した経緯を踏まえまして、引き続き適正に管理していく中で、小野長寿の郷構想や加古川神野用地の健康拠点構想の更なる推進による健康福祉等の施設整備への活用、さらに、北近畿豊岡自動車道、東播磨南北道路の整備によるアクセス向上を踏まえた、地域振興に資する活用を検討してまいります。
併せて、企業庁が保有する事業進度調整地について、企業ニーズや経済情勢、地元自治体等の協力や理解を踏まえた活用の検討、地元市町から取得要請等のあった用地の市町との連携による活用、今後の県施策に応じた活用などに取り組んでまいります。
今後とも社会経済情勢の変化や県民ニーズを踏まえながら、長期保有土地の有効活用を図ってまいります。
以上でございます。

石井秀武議員

どうもご答弁ありがとうございます。
ちょっと後の質問がありますので、時間がありませんので、コメントを2点させていただきたいと思います。
まず、ツール・ド・ひょうごについてでございますが、知事より、踏み込んだご答弁をいただきました。昨日、大阪の吉村市長が、万博終了後、夢洲で、公道を使って自動車のF1レースを誘致したい、そのような意向を明らかにされております。前提条件はあるにしても、実現すれば大阪の活性化に、更に役立っていくのではないかと思われる事案でございます。
そこで、県警本部長にぜひお願いしたいんですけれども、地域活性化に寄与する公道利用時の規制については、各段のご配慮をいただきたいと思っておりますので、そのあたりまた地元から、また、県のほうから要請があれば、しっかり対応していただきたいと思っておりますし、また来月、実はツール・ド・とちぎが行われるわけでございますが、ぜひそこに視察団を派遣していただけないかな、そして調査していただけないかなと思っております。
3月22日の初日は、3キロの個人タイムトライアル、そして23日は、14.8キロを8周回する、そういったロードレース、それから最終日は、各市町村を横断する150キロのロードレースが開催される予定でございますので、見どころもですね、また、仕掛けも満載の、そういった大会でございます。こういう先進事例をしっかりと見ていただいて、兵庫として何ができるかということを検討していただければと思っております。
続いて、長期保有土地に関してでございますが、私は、長期保有土地の有効活用の一つとしてですね、今後、大規模な修繕とか改修が必要になってくる、そういったスポーツ施設などを集約していく、そういった観点も持っていただけないかなと思っておりますので、そういったことも踏まえて今後、検討していただければと思っております。
それでは、あと2問の質問に移らせていただきます。

6 世界パラ陸上競技選手権大会について

次の質問は、世界パラ陸上競技選手権大会についてであります。
障害者スポーツの最も大きな国際大会といえば2020年の東京パラリンピックであり、我が国では前回、すなわち1964年の東京パラリンピックを契機として、障害者スポーツが広まったと聞いております。
当初は、医療的、福祉的な訓練としての意味合いが強かったものですが、現在では我が国においても、全国障害者スポーツ大会が国体直後に開催されるなど、障害者スポーツをスポーツとして楽しむ意識が高まってきております。しかし、日常で障害児・者がスポーツに取り組む頻度は、障害のない方々に比べると、まだまだ低い現状であります。
適度にスポーツに取り組むことによって得られる効果やメリットをもっと発信していくことが必要であり、その発信の手段として効果が期待できるのが、一流アスリートが競技する姿を間近に見ていただくことだと考えます。そして、その絶好の機会がすぐ手の届くところにあります。それは先日、神戸市が2021年の世界パラ陸上競技選手権大会開催地に立候補されたことです。ほかに立候補しているのはパリで、4月に決定されると言います。
大会を主催する国際パラリンピック委員会、IPCで、1994年のドイツ大会以降、概ね4年に一度、2011年のニュージーランドにあるクラストチャーチ大会から2年に一度開催されており、ことしは11月にアラブ首長国連邦のドバイで開催されますが、これまで中東を除くアジアで開催されたことはありません。
つまり、神戸市の開催が決まれば、東アジアで初の開催ということになりますが、報道によれば、IPCは、東アジアでの開催を望んでいるということなので、かなり実現の可能性が高い話だと思っております。
本県では、これまで、今年のラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピック、そしてワールドマスターズゲームズ2021関西と国際スポーツイベントが続くことをゴールデンスポーツイヤーズと呼んで、インバウンドの増加等に向けて取り組んできておりますが、ゴールデンスポーツイヤーズの締めのイベントとして、この世界パラ陸上競技選手権大会は、ふさわしいのではないでしょうか。
特に、2021年は、ワールドマスターズゲームズ2021関西が5月中、つまり、2021年の前半で終わってしまうわけですから、秋頃開催される世界パラ陸上競技選手権大会は、ゴールデンスポーツイヤーズの締めのイベントとして、ふさわしいと考えます。
そこで、このゴールデンスポーツイヤーズの機会を捉えて、障害者スポーツの振興にどうやってつなげていくのか、当局の所見を伺いますとともに、障害者スポーツの振興を図る上でも、効果の期待できる世界パラ陸上競技選手権大会の開催について、神戸市と連携を密にして取り組んでいってはどうかと考えますが、併せて、ご所見をお伺いいたします。

7 渋滞交差点の解消に向けた信号制御のあり方について

最後の質問は、渋滞交差点の解消に向けた信号制御のあり方についてであります。
道路の渋滞が長時間にわたると、県民の生活や経済活動に著しく時間的・経済的な損失を生じるほか、沿道の大気汚染やCO2排出量の増加などの環境面や緊急車両がスムーズに走れないなど、さまざまな問題につながります。
例えば、国土交通省の平成27年3月5日の交通流対策についてという資料を見ますと、全国で一人当たりの年間渋滞損失時間は約40時間、乗車時間の約4割に相当すると言います。つまり、自動車を運転している時間の4割は、渋滞がなければ不要なものだということです。また、年間12兆円の経済損失もあると聞きますと、改めて渋滞対策に力を入れていくことが必要だと意を強くいたしております。
そもそも車の数自体も増えており、一般財団法人自動車検査登録情報協会のデータで乗用車の台数だけ見てみますと、平成30年の9月末現在、全国で約6,158万台であり、50年以上にわたって増加し続けておりますので、渋滞の発生につながりやすい状況にあると言えると思います。
一般道路における渋滞の原因としては、工事や事故による車線規制や路上駐車などもありますが、その多くは車が集中しやすい交差点を先頭にした渋滞です。例えば、第二神明道路の大蔵谷インターから出たところにある神戸市西区伊川谷町の漆山交差点では、各方面からの車両が集中し、同交差点を先頭に渋滞が発生いたしております。
本県では、交差点における渋滞の解消・緩和のため、平成25年度に策定された新渋滞交差点解消プログラムに基づき、今年度いっぱいで70ヵ所ある渋滞交差点を半減するとしております。交差点改良等のハード対策とともに重要なのは、適切な交通管制です。
県警では、車両感知器や光ビーコン、テレビカメラで収集した交通情報を分析し、交通実態に合った信号機の制御や交通情報の提供を行い、交通の安全と円滑を図っているとされております。ちなみに、中国の杭州市で交通信号制御にAIを試験導入したところ、高速道路の渋滞が15.3%減少したほか、最もひどい渋滞をしていた道路も渋滞が8.5%減少し、通過時間は約1分短くなったという事例を記事で見たことがあります。
AIを信号制御に導入するというのは、我が国ではまだ先のことだと思いますが、いずれにしても、渋滞緩和には信号機の制御が果たす役割は大きいと言えます。
そこで、渋滞交差点における適切な信号制御への取組について、ご所見をお伺いいたします。

答弁

福祉部長(柏由紀夫)

世界パラ陸上競技選手権大会についてです。
県では、東京2020パラリンピックやワールドマスターズゲームズ2021関西を障害者スポーツ振興の契機とするため、平成27年度から障害者スポーツ推進プロジェクトを展開しているところでございます。
具体的には、練習環境の整備として、19の特別支援学校の体育館、グラウンドを開放いたしますとともに、県内65の企業、大学等とスポーツ応援協定を締結し、障害者に対して練習場所の提供や、コーチ、ボランティアの派遣などに取り組んでいるところでございます。
また、選手の発掘、育成強化として、医療従事者、競技コーチ等が継続的に選手を指導する、障害者アスリートマルチサポート事業や、海外遠征費や競技用具購入費等の個人支援を行う、スーパーアスリート特別強化支援事業などを実施しております。
さらには、県民への普及啓発といたしまして、各種障害者スポーツ体験イベントや、小中学校への障害者スポーツ出前講座などを実施しております。加えて、新たなスポーツ拠点として、ひょうご障害者総合トレーニングセンター、仮称ではございますが、これを整備することといたしまして、今年度、基本構想を策定いたしました。
さらには、来年度から新たに、ワールドマスターズゲームズへの障害者の参加を促すため、障害者を対象としたワールドマスターズゲームズを普及する出前講座や、障害者スポーツ団体が行うワールドマスターズゲームズの関連スポーツイベントに要する費用の助成、さらには、ワールドマスターズゲームズに準じた障害区分での陸上競技、水泳の記録会などを行うことといたしております。
神戸市が誘致を進めております、世界パラ陸上競技選手権大会につきましては、県民の障害者スポーツへの意識の高まり、選手、コーチ、スタッフ、ボランティアなどの人材、練習拠点など、パラリンピックやワールドマスターズゲームズを契機といたしまして生み出される財産、いわゆるレガシーを継承しながら神戸市と連携いたしまして、県としての役割を果たしてまいりたいと考えておりますので、ご指導をお願いいたします。
以上でございます。

警察本部長(西川直哉)

交通渋滞は、経済的損失、あるいは環境問題のほか、交通事故の増加等、県民生活に大きな影響を与えるものでございまして、その解消のために信号制御が担う役割は大変重要であるというように認識をしております。
県警におきましては、交通の安全と円滑を図るために、交通実態に即した交通規制や、信号サイクルの秒数の見直しを行うとともに、交差点改良等ハード面の対策を見据えた道路管理者との調整など、諸対策を講じているところでございます。
しかしながら、信号制御による渋滞解消効果には一定の限界があるわけでございまして、漆山交差点のように、複数の幹線道路が複雑に交わる箇所、その他さまざまな要因により車両が集中する交差点では、信号制御のみによる渋滞の解消というのは、なかなか困難な情勢でございます。
交差点等における渋滞解消につきましては、道路管理者等との一層の連携を図るとともに、交通安全施設に係る先進技術の開発なども注視しながら、信号制御の見直しを含め、諸対策を総合的に推進して、安全で快適な交通社会の実現を目指していく所存でございます。
以上であります。

石井秀武議員

どうもありがとうございました。世界パラでも、ちょっとコメントしたかったんですけれども、時間がありませんので、交通制御のほうで、ちょっとコメントさせていただければと思っております。
先ほど答弁で触れていただきました漆山交差点の直近で、また新たに商業施設が今、建設中でございます。更に渋滞が懸念されますし、現状でも交通ルールを守らない一部のドライバーの姿を散見する交差点でございますので、信号制御の取組と併せて抑止力の観点からも、カメラ等を設置するなども一つかなと思いますので、一度、道路管理者としっかり協議していただいて、そのあたり改善していただければと思っておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げ、質問を終わります。どうもありがとうございました。