平成20年平成19年度決算特別委員会(教育委員会、企画県民部教育課及び大学課)

石井秀武委員

 民主党・県民連合の石井秀武である。よろしくお願いする。

 まず、博物館施設の運営についてお尋ねする。

 県内には、教育委員会が所管する博物館と名のつく施設として、歴史博物館、人と自然の博物館、考古博物館がある。また、博物館の名こそつかないが、「コウノトリの郷公園」も博物館施設といえると思うが、総務省の公共施設状況調べによると、本県の県立博物館の人口1,000人当たりの床面積は約12平米で、財政規模が類似している埼玉、千葉等9府県の中では第1位という高い水準にある。
 今後、これら貴重な資産をいかに有効に活用していくかということが重要となるわけであるが、博物館施設の費用対効果というものに対してはどのように認識されているのか。
 例えば、三田市にある「人と自然の博物館」の19年度の運営について聞くと、入館者数は約4万2,600人で、入館料等の収入は約900万円、これに対して運営費は人件費込みで約7億円とのことである。これには施設の償却費が含まれていないが、施設の償却費を含めた県内施設の総費用は相当な金額になるものと思われる。今後、ゼロベースでの行財政構造改革を進めていく中で、このような博物館施設についても運営の見直しが求められると思うが、単純に運営経費を何%縮減するというものではないはずである。
 また、他県では、人を呼び込むために次から次へとイベントを繰り広げている例も見受けられるが、入館者数だけが目標でもない。運営費用を縮減しながらも、それでは効果としてどのような目標を立てていくのか。今後ともこのような施設の必要性、重要性は変わらないと思うが、それだけに運営目標を明確にして、費用対効果を認識しながら運営に当たらなければいけないと思っている。
 そこで、これまでの施設運営についてどのように評価しているのか、お伺いする。
 また、来年度の決算審査からは、新行革プランの進捗状況という観点も踏まえて審査されることになるだろうと思う。今後は、施設運営の効果について、県民、議会に対して公表していく必要があると考えるが、あわせて当局のご所見をお伺いする。

野田社会教育課長

 県立博物館においては、教育・学術・文化の発展に寄与するという使命を果たすべく、入館者数、セミナー回数などの目標を設定の上、効率的、効果的な運営に努めてきたところである。
 19年度は、交流博物館をコンセプトに歴史博物館をリニューアルし、また体感を重視した参加体験型の考古博物館を開館したところであり、さらに本年4月には人と自然の博物館に恐竜化石クリーニング展示施設を開設したが、新しい年齢層の開拓等により、それぞれの館で入館者、セミナー受講者の増加等の成果が見られている。
 一方、博物館の運営は、ご指摘のとおり、入館者数だけではなく、費用も含めた複数の指標により、定量的、定性的に評価していくことが望ましいと考えている。
 現在、国において、本年6月の博物館法の一部改正を受け、博物館の運営状況に関する評価改善のガイドラインづくりが検討されているところである。これらの動向も踏まえた上、各館に応じた適正な指標を設定し、的確な評価を実施するとともに、その結果についてホームページ等を通して公表し、議会を初め幅広い県民のご意見をお聞きしながら、これからの施設運営に生かしていきたいと考えている。

石井秀武委員

一般に博物館の基本的な役割は、資料の収集、整理・保管、展示であり、他に調査研究、普及・教育とされているが、特に近年は地域の自然・文化の保全・再生・創造のための研究及び情報の拠点として、またそれと同時に、総合学習や生涯学習の拠点としての役割が重要視されている。また、施設運営と連携した地域おこしなども行われている。
 一昨年、丹波市で発見された恐竜の化石、これなんかは学術的にも非常に価値の高いものであるし、一昔前なら直ちに恐竜博物館の設置を検討しようということになっていたかもしれないが、現在の状況を考えると、とても困難な話である。幾ら県民ニーズが高くても、人員や財源には制約があり、この制約の中でニーズにこたえていかなければならない。
今ある施設をできるだけ有効に使う、つくるから使うということを徹底していかなければならないと思っている。
 そこで、新行革プランを推進する中、今後の博物館施設については、博物館そのものの本来の役割や機能を再確認し、運営のあり方を検討すべきものと思うが、今後どのような方針を持って運営されようとしているのか、当局のご所見をお伺いする。

野田社会教育課長

これからの博物館は、資料収集や保管、展示や調査研究といった博物館活動の基盤の充実はもとより、学校教育との連携を強化し、さらに県民とともに資料を探求し、知の楽しみを分かち合う博物館としていくことが求められている。
 このため、各施設では学校への出前授業、学習支援ブックの配布や、授業での博物館活用方法等を紹介するといった取り組みを行うとともに、積極的に地域に出向き、地域の人々と協働してさまざまな自然・環境・歴史等の調査研究に取り組んでいるところである。
 一方、ご指摘のとおり、人員や財源には制約がある中で、今後、博物館運営をさらに充実していくためには、一つには、異なる分野の博物館を含めて、他の博物館とのネットワークを強化し、相互補完し合いながら共同の展示企画や調査研究を実施すること、一つには、博物館活動を側面から支える方々の協力を得ながら、事業活動を深化発展させることなどが重要である。
さらに、事業活動等に参加した人たちの知的欲求にこたえて、みずから企画・運営して調査研究や学習プログラムを立案するといった取り組みも必要になってくると考えている。
 今後とも、新行革プランを推進する中で、これらの取り組みを通じて魅力ある博物館づくりに努めてまいりたいと考えている。

石井秀武委員

県民の貴重な財産であるこれらすばらしい博物館を、今後ともしっかり運営できるように取り組んでいっていただきたいと思っているので、どうかよろしくお願いしたい。
 次に、競技スポーツの振興についてお尋ねする。
 この夏の北京オリンピックでの数々のドラマは記憶に新しいところであるが、アスリートのひたむきな姿やその成果は、多くの人々に夢や感動を与えるなど、健全で活力のある社会の形成にはなくてはならないものと思っている。
 また、国際的、全国的なスポーツ競技会などでの本県選手の活躍は、県民に明るい話題を提供し、日々の暮らしに潤いと活力をもたらすものである。
 昨年の秋田国体では、天皇杯5位、皇后杯で3位、また先ごろ行われた大分国体においては、天皇杯で7位、皇后杯で3位と、のじぎく国体以降も堂々たる成績をおさめており、このことは大変誇らしく思うわけであるが、その背景には、教育委員会を初め各競技団体等のご尽力があったのだろうと改めて敬意を表したいと思っている。
 しかしながら、全国的な傾向としては、各競技団体では指導者の高齢化や指導者不足が課題となっていることに加え、少子化の進展や学校部活動への加入数の減少が見られることなどから、競技スポーツに取り組む選手の人口が年々減少していると聞いている。
 また、県内では、選手強化費が予算規模ではのじぎく国体時の約半分となり、各競技団体では限られた予算をやりくりしながら、何とか選手強化を図っているのが現状であると聞いている。
 そこで、のじぎく国体終了後2年が経過し、競技力向上に向けた取り組みの中で、いろいろと課題が出てきているのではないかと思うが、どのように認識しているのか、お答え願いたい。

吉本教育長

 本県では、のじぎく兵庫国体の開催を契機として高まった競技力を継承・発展させるため、「兵庫県スポーツ振興行動プログラム」を策定した。その中で、競技スポーツの振興を重要課題として位置づけ、トップアスリートの育成と活用の促進、ジュニア選手の発掘と育成、企業・大学スポーツとの連携、指導者の養成、スポーツ施設等の利活用の促進などに取り組んできたところである。
 その結果、委員のご質問にもあったように、昨年の秋田国体で天皇杯5位、皇后杯3位、ことしの大分国体では天皇杯7位、皇后杯は連続して3位を確保するなど、着実な成果を上げているところである。
 一方、高い競技水準を維持し、「スポーツ振興行動プログラム」の目標である国体での天皇杯8位以内の入賞や、国内外で活躍する本県選手数400名以上を確保するためには、特に高齢化が進んでいる指導者について、若手の指導者の養成や次代を担うジュニア選手の育成が最重要課題であると認識している。
 このため、若手指導者が不足している競技団体を重点に、中央講習会への派遣や県内研修会の一層の充実を図り、優秀な若手指導者を養成するとともに、大学やスポーツ関係団体等との連携のもと、ジュニア選手の発掘・育成プログラムを開発し、その活用を通じてスポーツ人口のすそ野の拡大と系統的な指導体制の構築を図り、競技力の維持・向上に努めてまいりたいと考えている。

石井秀武委員

指導者の育成、また競技力維持・向上に向けたさらなる取り組みの強化と、競技種目によっては大会出場等での個人負担が大きい競技もあるので、そのあたりのご配慮もよろしくお願いしたい。
 次に、全日制高校の分校についてお尋ねする。
 全日制高校の分校については、現在、全県で5校あり、それぞれ地域の教育資源を活用して、資格取得やボランティア活動など特色ある教育活動に取り組み、成果を上げていると承知しているが、一方で小規模校であるがゆえに、多数の生徒の中での人間関係による切磋琢磨や相互啓発、柔軟な教育課程の編成、学校行事や生徒会の運営、部活動の活性化など、学校教育活動の活力が維持しにくいという課題も指摘されている。
 このため、教育委員会では19年度から県立高等学校全日制の分校と全学年が1学級となる小規模校を対象として、「県立高等学校小規模校活性化支援事業」を実施し、対象となる学校ごとに地元市町の代表や地元中学校長、地域住民で構成される協議会を設置し、地域の支援体制を整備することとされた。
 しかし、その後、県立高等学校教育改革第二次実施計画の策定において、小規模校と分校とは区別して協議、検討されることになったと聞いたが、ことし6月に県立淡路高校一宮校及び県立洲本実業高校東浦校がそれぞれ本校へ統合するとの発表があった。私としては、この2分校の募集停止については性急という感が否めないが、2分校の廃止に至った経緯についてどのように地元関係者に説明され、一定の理解を得ているのかお伺いする。

平井高校教育課長

淡路学区においては、生徒数の減少に伴い、平成12年度から20年度までに募集学級数を10学級400名分を減じる中で、三原高校と志知高校の発展的統合を行う一方、分校は維持をしてきた。
 しかし、平成21年3月の中学校卒業者が前年度に比べ約200人減少し、今後も減少傾向が続く中で分校を存続すると、本校や他の高等学校の学級減を行わざるを得ず、学区内の高等学校がさらに小規模校化することとなり、多様な選択科目の設置など、特色ある教育課程の編成や部活動が制限されるなど、学区全体の教育水準の低下につながることから、第二次実施計画に基づき、本年6月に分校の募集停止を公表したところである。
 当該市の教育長に対しては、平成20年1月及び2月に、生徒数減少が続く中で、淡路学区の高校の教育水準の維持のためには分校の募集停止も含めた検討が必要であることを説明したところ、一定の理解を得られたものと考えている。
 また、5月には市教委や学校関係者等を対象とした第二次実施計画の説明会でも、淡路学区の生徒数減少の課題について説明をし、意見聴取を行った。
 さらに、県として分校の募集停止の方針を固めつつあった6月に、2回にわたって淡路学区の市教委、中学・高校の校長や教員、PTA、地域教育推進委員の代表を対象とした説明会を実施し、理解を求めてきたところである。その後も要請のあったPTAの代表者、分校の保護者会等において丁寧な説明をさせていただいたところであるが、今後も要請があれば説明を行うなど、地域の理解が得られるよう努めてまいりたいと考えている。

石井秀武委員

これまで分校の運営については教育委員会としてご努力され、また地域もこれを支えてきたということは承知している。そのような歴史もあるわけであるから、地元の市町や地域に対しては十分に意を用いて説明を行うなど、地域の納得が得られるよう引き続き努力されるよう要望しておく。
 次に、それに関連して生徒や保護者等への配慮についてお伺いする。
 例えば、東浦校について言えば、教育委員会の考え方でいけば、東浦中学校の生徒で商業科を学びたいのであれば、洲本実業本校を志望してくださいということになるわけであるが、実際に通学しようとすると、学校のある洲本市までバス通学ということになると思われる。バスの路線や便数等までは詳しく調べていないが、通学時間や交通費等の面で生徒や保護者の負担が非常に大きくなることは明かである。
 そこで、このように分校を廃止するに当たっては、少なくとも、通学にかかわる生徒や保護者の負担の増大はもちろんのこと、通学方法や地域の特性に対しても何らかの配慮が必要ではないかと考えるが、当局のご所見をお伺いする。

平井高校教育課長

委員ご指摘のとおり、淡路学区の交通の利便性等の問題から2分校を募集停止することによって、分校の近隣に居住している生徒が本校や他の高等学校に通学することになれば、通学時間がふえることにより経済的な負担が大きくなるという課題が生じることは認識している。
 県としては、経済的に余裕のない生徒、保護者に対しては授業料減免の制度を整えており、全額免除の場合はおおむね生活保護の基準と同程度の収入を、半額免除の場合は全額免除の基準の約1.3倍の収入を基準としているが、その際に通学費についても控除できることといたしている。
 また、兵庫県高等学校教育振興会による奨学金制度もあって、4人家族の場合でおおむね年収680万円で月額1万8,000円を貸与できることとしている。この奨学金と先ほど言った授業料減免制度を重ねることも可能である。
 今後は、これらの制度についての周知を図るとともに、該当の生徒、保護者の皆様には制度をご活用いただきたいと考えているところであるので、ご理解をいただきたいと思う。

石井秀武委員

少子化の進行等による学校統廃合の問題は全国的な問題でもあり、統合による通学の問題を解決することが難しいということは十分承知しているが、例えば全国の事例を調べていけば、そこには何か解決の糸口があるのではないかと思っている。
 また、行政だけで考えるのではなく、地域と一緒に考えることによって手かがりがつかめる可能性もあると思うので、一考していただければと思っている。どうかよろしくお願いしたい。
 最後の質問は、県立大学の課題についてお尋ねする。
 まず、兵庫県立大学は、神戸商科大学を初め三つの大学を発展的に統合したもので、開設時の目標としては、従来の学部を越えた総合的な教育カリキュラムを提供することなど、従来の教育研究資源を最大限に活用することに加え、新たに応用技術科学研究科や災害看護等のあり方を研究する地域ケア開発研究所を設置するなどにより、教育研究機能の充実を図ることとしていた。
 また、産学連携や生涯学習などの地域貢献に関しても、大学本部に産学連携推進センターを設置するなど、その機能を強化し、積極的な推進を図っていくこととされていた。このような目標を掲げて出発した県立大学であるが、開設から4年が経過し、今春第1期生の卒業生を迎えた。学生の側から見ると、一応一つのサイクルが修了したということになるのだと思うが、開設当初の目的というか、見込みに対してどのような成果があったと評価されているのか。
 また、統合の効果として運営費用の削減といった部分もあると思うが、運営費の面ではどのような状況となっているのか、あわせてお尋ねする。

西岡大学課長

県立大においては、平成16年の開学以来、総合大学としての特徴を生かし、異分野間の融合を重視した教育・研究や専門能力の向上と幅広い教養を備えた人材の育成に努めるとともに、本県の特色ある地域資源を生かして、地域の活性化や産業振興などの社会貢献に取り組んでいるところである。
 大学統合による成果としては、共通教育において学生が他学部の専攻科目を履修できる他専攻科目や、文理連携の科目を受講できるようになったこと、部局を横断した共同研究が進みつつあること、旧大学ごとに行っていた共通教育の集約によって、生み出した教員定数の一部により新しく情報系大学院の設置が可能になったことや、全学的な「産業連携センター」の設置により、文系学部も含めた産学連携活動の充実が図られ、外部資金獲得件数も増加するなどの成果を得たところである。
 なお、運営費については、大学統合により共通教育の集約など削減された部分があるものの、大学本部の設置や各キャンパスを結ぶ情報システムネットワークの整備など、統合に伴う経費、新たな大学の設置や附置研究所の設置など、大学の新展開に要した経費が加わったため、統合後の平成16年度には約5億円増加し、約42億円となっている。

石井秀武委員

一定の成果は上がっていることのようであるが、反面、統合によるデメリットや課題についても顕在化しつつあるのではないかと思っている。何事もメリットがあればデメリットがあるのが当然で、例えば大学の知名度や特色がなくなったのではないかとか、大学としての一体感が生まれにくい。また、入学試験の倍率や偏差値が下がってきているのではないかといった指摘も聞こえているが、新たな大学文化の醸成に向けてどのような課題に取り組んでおられるのか。
 第2期中期計画によると、3大学統合によるメリットの発揮と課題の解消として、統合による相乗効果を発揮しながら、教育・研究・社会貢献活動の充実強化を図るともされているが、そこで、具体的にはどのような課題があると認識されているのか、そしてこの課題に対応されているのかお伺いする。

西岡大学課長

県立大学の今後の課題としては、教育分野においては高度専門職業人の育成や国際化に対応できる人材の育成など、時代や社会のニーズに的確に対応した教育をさらに推進すること、研究分野においては、地域や大学の有する特色ある資源を生かし、先導的、独創的な研究をさらに推進させること、社会貢献においては、産学連携の分野・地域・対象の拡充を図るとともに、生涯学習の支援、社会人向け教育の充実を図ることなどがある。
 また、統合によって各キャンパスの個性が弱まる一方、総合大学としてのアイデンティティが見えにくくなり、知名度が期待以上に高まっていないことから、旧大学からの歴史と実績を踏まえ、各学部の個性や特色を明確化することが課題と認識している。
 そのため、具体的な取り組みとしては、管理栄養士養成課程の設置、生命理学研究科ピコバイオロジー研究所による先導的研究の推進、高度産業科学技術研究所ニュースバルの産業利用の促進、震災の教訓を生かした国際的な災害看護拠点の形成など、各学部の新たな研究・教育の展開を進める一方、広報、産学連携、地域連携による個性・特色の確立に努め、大学の新展開を行ってまいりたいと考えている。

石井秀武委員

時間ももう少しあるようであるが、最後の質問である。
 研究・教育機関としてのレベルを高めていくためには、県内だけではなく、広く全国から、そして海外から優秀な学生や研究者を集めることが必要であり、そのためには研究内容の充実は当然のことであるが、やはりイメージづくりというものも無視できないものと考えている。
 今回の行革でようやく本部機能の移転が検討されることになったが、私としては遅きに失したのではないかと感じている。
本部機能の移転先については、いろいろと意見が上がっている。さきの本会議においても、我が会派の竹内議員や北野議員のお二人から、ともに姫路市選出ではあるが、
本部機能の移転について質問があり、その答弁において、移転先の検討に当たり考慮すべき点の一つとして、総合大学にふさわしい本部所在地のイメージが挙げられた。
本部の所在地によって各学部の研究内容そのものが変わることはないと思うが、やはり本部はその大学の顔となるわけであるから、私としては国内外に広く知られている神戸というブランドをぜひ生かしていただきたい。
すなわち神戸学園都市キャンパスに置くべきだと考えているが、改めて当局の所見をお伺いする。

榎本教育・情報局長

 県立大学の本部事務局の移転については、現在、移転先の検討を進めているところである。その際、移転に当たっての考え方であるが、一つには、大学本部と教育・研究等を担うキャンパスとの一体感の確保、また2点目には、現有の大学施設を活用することによる経費の削減、あるいは行政事務執行の効率化、3点目には、各キャンパスから本部へのアクセスなど交通の利便性、また4点目には、委員ご指摘の総合大学にふさわしい本部所在地としてのイメージ、また5点目には、大学本部立地に対する地元からの協力などを考慮し、多様な視点から幅広く総合的に検討していかなければならないというふうに認識している。
 今後、具体的な移転先の選考に当たっては、新行革プランにおいて移転先を神戸学園都市キャンパスなどとしていることから、神戸も当然有力な候補地であるというふうに考えているところであり、ご指摘のあった神戸の持つ国際都市としてのブランドイメージ、あるいは都市機能も考慮に入れ、ちょうど今現在、本部が入っているビルの中に応用情報科学研究科が入っている。その応用情報科学研究科が平成23年度に移転を予定していることも踏まえ、幾つかの候補地の中から適地の検討を進めていきたいというふうに考えている。

石井秀武委員

本部機能を神戸学園都市キャンパスに設置するには、地元神戸市の熱意・協力も必要であるということは認識しているが、卒業生の一人として強く要望するので、どうかよろしくお願い申し上げ、質問を終わる。ありがとうございました。