石井秀武委員
初めに、本委員会の委員長を初め、委員の先生方、また当局の皆様方のご理解のもと、会派持ち時間の中で、本日、質問の機会を与えていただいたことに感謝申し上げる。
さて、県財政厳しい中での予算審査ではあるが、明るい話題にも触れたいとの思いから、今回、神戸市街地を中心としたフルマラソン大会の調査研究を神戸市と共同で実施するとのことで、調査費500万円が計上されているので、このこと1点に絞り、質問をさせていただく。
まず、実現に向けての課題についてお伺いする。
本県は、マラソンに対する意識が高く、またアシックスを初め、スポーツメーカーも多く立地している。また先ほど、東野委員からご披露されていたが、西脇では先月、西脇多可選抜新人高校駅伝競走大会が開催され、大変好評で、地元に明るい話題をつくったようである。
しかし残念ながら、県下でフルマラソンといえば、ABC篠山マラソンのほか、主に河川敷をコースとする加古川マラソン大会など、限られている。一方、最近の健康ブームに乗り、市民マラソン愛好者は年々増加している。3月22日開催の東京マラソンでは、昨年2万7,000人、ことし1月に参加した鹿児島の「いぶすき菜の花マラソン」は1万7,000人、本県を代表する「ABC篠山マラソン」、これは昨年参加したが、ことしは過去最高の1万1,000人の参加があったようである。
このような中、大阪府や京都市でもフルマラソン開催が検討されていると聞く。一方、神戸では、復興のシンボル事業として、ルミナリエを初め、多くの県、市の共同事業が行われており、11月に行われる神戸女子ハーフマラソンもその一つである。
そこで、今回、神戸を舞台としたフルマラソン大会の開催に向けて、調査費500万円が計上されたことは、私としては大変意義深いことであると思っている。しかし、大会の実現に向けては、当然、多額の費用がかかることであろうし、コースや日程の問題等、解決すべき課題が多くあることは想像にかたくないわけであるが、神戸でのフルマラソン大会実現に向けての課題について、現段階において、どのように認識されているのか、お伺いをする。
北井スポーツ振興課長
全国的にマラソンへの人気が高まっている中、県民の健康の保持増進や県のスポーツ振興を図るとともに、兵庫、神戸の魅力を全国に発信するために、神戸市街地を中心とした都市型マラソン実現の可能性について、神戸市と共同で調査することとしている。
長時間の交通規制に伴う市民生活や事業活動への影響、開催経費の確保、運営体制の確立といったさまざまな問題がある中、とりわけ神戸の市街地にフルマラソンコースの設定ができるかどうかが、当面の課題と認識している。
石井秀武委員
次に、コース設定にかかわる県警等との協議についてお伺いをする。
私は、マラソン実施に当たっては、いかにうまく魅力あるコース設定ができるかがポイントとなると思う。魅力あるコースについては後で触れることとして、警備上、いかにコース設定ができるか、先ほどもあったが、海と山の迫る東西に長細い市街地を持つ地形を有効に活用しつつ、かつ交通規制をできるだけ最小限にとどめることができるかということも重要な課題である。
全国の例では、警備上の問題により中止を余儀なくされた大会もあるように聞く。さきの神戸市会での民主党会派の代表質問に対して、矢田市長も、市民生活や事業活動への影響を考え、県警等関係機関と協議を進めていきたいとのご答弁をされている。私は、のじぎく兵庫国体の自転車ロード競技では、競技大会役員として、そのコース設定に関心を寄せていた。コースは、ある程度変化に富んだコースを期待していたが、結果としては、そのコースは、明姫幹線を周回するという平凡なものになってしまった。もちろん安全が最優先であるので、いたし方ない面もあるが、コース設定というのは難しいものだと痛感した。
そこで、具体的なコースの検討はこれからであることは承知しているが、コース設定にかかわる県警との協議について、現時点ではどのような感触を得ているのかお伺いする。
北井スポーツ振興課長
コース設定については、神戸市街地は、先ほども出たように東西に長く、南北に狭いという地理的な制約があって、長時間の交通規制による影響が多大であることから、県警からは、道路利用者や地域住民の理解と協力が得られること、緊急車両の走路を確保することなど、市民生活への影響に配慮する必要があるとのアドバイスをいただいている。
来年度からは、これらのアドバイスを踏まえて、モデルコースを設定し、交通量調査を実施した上で、県警等関係機関と協議し、魅力あるコース設定の可能性を探っていくこととしている。
石井秀武委員
私が参加するマラソンは、比較的制限時間の長いものを選んで参加させていただいている。今回行われるこの大会の趣旨からすると、全国から多くのランナーに来ていただき、兵庫のよさ、神戸のよさを実感していただくこと、まさに兵庫国体のスローガンであった「“ありがとう”心から・ひょうごから」が一番だと思う。
そのためには、大変難しい問題であるが、まず制限時間をできるだけ長くすることが必要であると思う。ちなみに宮崎で行われている国際青島太平洋マラソン大会は、制限時間をことしから30分延長して6時間半に、また東京マラソンでは7時間としている。このあたりも重要な要素であると認識され、検討をお願いする。
最後に、魅力ある大会づくりについてお伺いをする。
復興した市街地を走ることはもちろんであるが、地元の観光資源をフルに生かすこと、例えば、明石海峡大橋を走らせることなど、目玉を最低二、三ヵ所、コースの中に入れることも大会成功の秘訣であると思う。
また同時に、市街地では、多くのボランティアの声援を初め、地元の温かいもてなしも必要であると思う。参画と協働を掲げる本県として、また震災後、全国的に芽生えた兵庫発のボランティア精神の集大成としても、市民・県民マラソンとして、ぜひ魅力ある大会にしていただきたいと思っている。
その意味からも、単にマラソンの競技力の向上や普及振興を図るというのではなく、世界に向けて観光都市神戸、そして兵庫をアピールし、国内外から旅行者を誘致することや、またボランティアや地域の人々の参加を促すことにより地域活性化を図ること、そして、多くの県民に希望や活力を与えることなど、相乗的な効果が期待されるので、今後設置される検討委員会においては、教育委員会だけでなく、企画県民部を初め、産業労働部、神戸県民局等、部局を超えて幅広い観点から夢のある議論を行っていただきたいと思うが、当局のご所見をお伺いする。
岡野教育次長
議員ご指摘のとおり、フルマラソン大会を開催する場合、全国から多くのランナーが集い、ボランティア、地域住民などによる応援、温かいおもてなしや関連イベントを開催することにより、県民の参画と協働のもと、大会に携わるすべての方々が充実感や達成感を感じるとともに、地元での経済効果を上げることや地域の活性化を図ることも重要な要素である。
そこで、来年度、検討委員会を設置し、コースの検討や他の大会視察、情報収集を行うなど、課題の整理に努めていきたいと思っている。検討を重ね、大会実施の可能性にめどがついた場合、観光資源のアピール、あるいはボランティア養成等、幾つも課題があるので、関係部局との連携を図っていくつもりである。
石井秀武委員
またぜひよろしくお願いをする。いろいろ言い出すとまとまりがなくなってしまうので、ともかく成功に向けて、県警を初め、関係市町・団体と協議を重ね、再生兵庫の起爆剤としてこのフルマラソンを位置づけ、夢のある大会として前向きに、できれば私の体力のあるうちに実施されることを切望している。
また、コースについては、私もアイデアを持っているので、ぜひ一度、聞いていただけたらと思っているので、よろしくお願いを申し上げ、質問を終わる。ありがとうございました。