平成30年平成29年度決算特別委員会(企画県民➀)

石井秀武委員

 おはようございます。ひょうご県民連合議員団の石井秀武である。
 早速、質問に入らせていただく。
 消防団活性化に向けた取組の推進についてである。
 消防団は、言うまでもなく消防組織法に基づいて設置されている、れっきとした消防機関であり、その団員は非常勤特別職の公務員に位置付けられている。
 常備消防と比べると、地域密着性、要員動員力、即時対応力の点で特徴を持っているとされている。確かに、消防団員は、その地域で居住または勤務している人が団員となっているので、地域とのつながりが深く、また地域の実情をよく知っていることから、災害現場で、より的確な判断や対応が可能となっている。
 また、常備消防の職員数と比較して、人数が多いので、特に大規模災害時や林野火災時、行方不明者の捜索には、その動員力により大きな力を発揮している。
 さらに、消防団員は、日ごろから教育訓練を受けており、消防についての技術と知識を習得していることから、災害現場ですぐに活動ができる。
 こうした特徴を現場で最大限生かすことができれば、地域防災力は維持できると思っている。しかし現在、消防団員数は全国的に減少傾向にある。総務省のまとめたデータを見てみると、全国で平成29年度に85万人いたものが6,670人減り、平成30年4月1日現在、84万4,000人ほどになっている。
 本県は全国一の消防団員数を誇っているわけであるが、減少傾向は同様である。全国的な少子高齢化がこれからも進展していくことから、団員の高齢化や数の減少傾向は続くものと思われる。
 数が減れば、要員動員力や即時対応力も低下し、ひいては地域の防災力低下につながっていくわけであるから、消防団員の減少を食い止めるか、それに変わる対策を構築する必要がある。
 私は、この消防団員の減少の原因は、休みが取りにくい勤め人が増えたこともあるとは思うが、それ以外に、消防団活動への理解や共感が少なくなってきている現れではないかとも考えている。
 例えば、会派として海外の先進事例を調査するため、ドイツを訪れたことがあるが、ドイツでは住民が消防団に敬意を払い、非常に信頼感を持っており、同時に、消防団員は消防団であることに大変、誇りを持っていた。
 先ほど、我が国の消防団員数は85万人を切ったと申し上げたが、ドイツは100万人を超えているという。ドイツの人口が我が国の6割程度ということを考えると、非常にその数が多いということであるから、ドイツでは、住民の消防団に対する意識の高さが伺える。我が国、あるいは本県において、住民がそこまでの思いを消防団に持っているかといえば、残念ながらそうは感じていない。
 今後、南海トラフ巨大地震をはじめ、台風や豪雨災害等、さまざまな災害に対する地域防災力が課題とされていることを踏まえると、消防団の存在は非常に重要であるため、消防団員の減少を食い止めるか、それに変わる対策を講じていく必要がある。
 国では、東日本大震災等を踏まえ、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」を制定し、地域防災力の強化に着手しているところであるが、このことは消防団活性化に向けた取組を進める上で追い風になるのではないかと考えている。
 そこで、本県として消防団活性化に向けて、もっと活動を広く県民に周知する取組や、消防団の重要性、消防団に加入しやすい環境づくりなどに取り組んでいく必要があると思うが、これまでどのように取り組んできたのかを伺うとともに、今後どういう点に重点を置いて取組を進めていこうと考えているのか伺う。

災害対策局長(森田克彦)

 消防団は、地域防災の中核として大きな役割を担っているが、年々、団員数は減少している。これは、ご指摘のとおり、コミュニティ意識の希薄化や団員のサラリーマン化等が原因と考えられ、団員確保と活性化のためには、消防団への県民の理解の促進と入団しやすい環境づくりが重要であると考えている。
 これまで県では、市町や県消防協会と連携して、県内各地での消防団活動パネル展の開催や、中学生への消防団啓発リーフレットの配布、また県消防協会ホームページによる消防団活動の発信、さらには自主防災組織と消防団が連携した防災訓練への支援等により、県民の理解促進を図ってきたところである。
 また、今後、地域の企業や事業所との連携・協力を重視して、勤務時間中に従業員の消防団活動を認める消防団協力事業所の拡大や企業連携消防団の導入の促進、さらには消防団員への特典やサービスを提供する消防団員応援事業所の登録促進等により、入団しやすい環境づくりを進める。
 今後とも、市町や県消防協会と連携して、消防団充実強化法の趣旨や、これまでの取組の成果及び各消防団の課題等を踏まえて、更なる消防団の充実・強化を図るので、よろしくお願いする。

石井秀武委員
 今後も大規模災害が多発していく懸念がある中で、地域防災力の要である消防団に対する県民の期待がますます大きくなってくると思っている。
 そこで、消防団に担っていただいている役割の重要性をしっかりと県民に広報し、また啓発することによって、消防団員が今まで以上に活動しやすい、そういった環境づくりにも努めていただきたいと思っているので、いろんな取組をしていただいていることは答弁でよく分かったが、やはり消防団員が消防団員として活動していく中で、尊敬され、そして地域に貢献しているということを県民がより感じていただく。そういったことにも力点を置いて広報にも努めていただきたいと思っている。
 どうかよろしくお願い申し上げ、質問を終わらせていただく。ありがとうございました。