平成30年平成29年度決算特別委員会(健康福祉)

石井秀武委員

 ひょうご県民連合議員団の石井秀武である。早速質問に入らせていただく。
 質問は、障害者スポーツ施設の環境整備についてである。
 障害の有無にかかわりなく全ての人が持てる力を発揮して活動することができるユニバーサル社会の実現を目指す兵庫県においては、障害を持つ方の社会参加、生きがいづくりの観点からも、多くの障害者にスポーツに参加する機会を提供することは非常に重要なものと考えている。
 県では、これまでも県立障害者スポーツ交流館や県立ふれあいスポーツ交流館の二つのスポーツ施設を整備し、障害者スポーツの振興に取り組んできた。施設の稼働率も非常に高く、障害を持つ方だけでなく地域の方を含め、多くの利用者にスポーツ活動に取り組める環境を提供してきている。
 しかしながら、現在、パブリックコメント中の新たな障害者スポーツ施設の基本構想の中にある障害者スポーツ競技団体へのアンケートの結果では、全県的な中核拠点施設である障害者スポーツ交流館の課題として、温水プールや常設の卓球室、会議室、研修室の設置など、利用者から見たさまざまな意見が出されており、県民への魅力あるスポーツ施設の提供には、更なる努力が必要であると考える。
 そこで、これまで県立障害者スポーツ交流館において、その魅力向上のためにどのように取り組んでこられたのか。また、既存の交流館に加え、新たな障害者スポーツ施設が整備された場合、連携した魅力向上が必要と考えるが、例えば、車を利用される利用者も多いと推測される。現状でも利用率は高く、大きなイベントなどでは障害者スポーツ交流館の駐車場だけでは足りないとの話も聞いている。そのため、建物内の設備の充実だけでなく、駐車場設備の充実も必要と考えるが、今年度、基本構想を作られる中でどのように検討されているのか、併せて伺う。

福祉部長(柏 由紀夫)

 スポーツ施設の魅力向上についてである。
 県内における障害者スポーツの中核拠点である県立障害者スポーツ交流館では、平成18年の開設以来、一つには、選手にとって活動の目標となるようなスポーツ大会の開催、二つには、電動車椅子サッカーやサウンドテーブルテニスなどの多様なスポーツ教室の実施により、障害者スポーツの魅力を全国に発信してきたところである。
 こうした取組により、パラアスリートの練習拠点となるなど、平成29年度の利用者数は約7万8,000人、1日平均にして約280人、アリーナの稼働率は98%となっている。
 障害者スポーツ交流館と新たな障害者スポーツ施設の連携による魅力向上について、まず、委員ご指摘の駐車場については、車椅子使用者が雨天時にぬれないように新たに屋内駐車場を設けることを検討している。また、駐車場以外では、両館を渡り廊下でつなぐとともに、障害者スポーツ交流館にはない温水プールや卓球室、研修室をはじめ、県大会に対応した観覧スペースやパラリピアンのメダル等の展示室を整備したいと考えているところである。
 新施設整備後は、障害者スポーツ交流館と一体的に運営し、大会の開催、各種情報の発信、研修の実施や障害者と健常者の交流の場となる施設とするなど中核拠点としての機能を充実させ、障害者スポーツの更なる振興を図っていく所存であるので、引き続きのご指導よろしくお願いする。

石井秀武委員

 部長からご答弁いただいたが、今部長がご答弁されたことは既に本会議でも島山議員も質問されたし、また、この基本構想の中にも書かれておることであり、要は、私も地元にいて、やはり駐車場、特に障害をお持ちの方が利用されるということになれば、その部分、やはり近隣というかもうすぐ近くに駐車場の確保が必要になってくると思う。それで、アリーナのところを見たら、アリーナのところに駐車場を設置する、その隣にも置くようだが、アリーナの部分は体育館というかバスケットコート2面ぐらいだから、駐車場スペースとしても何台とれるかというとそう多く確保できないのでという思いもあって質問させていただいたが、そのあたり、もう少し駐車場の充実はどのように考えられているか。

福祉部長(柏 由紀夫) 

 ご指摘の駐車場であるが、既存の施設にも1階の部分に駐車場がある。今、ご指摘あったように、新しい施設についてもアリーナの一番下に屋内駐車場を作り、車椅子の方が雨にぬれないところをしていきたいと思うが、あと、今、その付近駐車できるようにしているが、それでも都市計画の関係からも建物を増設することはなかなか難しいと思うので、利用状況を踏まえながら、またその状況に応じて、今総合リハビリセンター全体の駐車場の位置付けもあるので、そういうことを踏まえてできるだけ障害者の方が優先して使えるような駐車場については今後も配意したいと考えている。

石井秀武委員

 敷地もよく見ていただいたら、本当に狭隘なところにいろいろな建物が複合的に建っているので、そしてまた近隣も駐車場ができるようなスペースもないので、やっぱり今の段階でしっかり駐車場に関しては検討していただきたいと思っているし、何はともあれ障害者スポーツの魅力あるレガシー的な施設として作っていただきたいと思っているのでよろしくお願いする。
 それでは、次に、災害時の受け入れ体制について伺う。
 近年、異常気象等の影響による自然災害が頻繁に発生している。特に、今年は6月の大阪府北部地震や7月豪雨、また9月の台風21号などによる被害など実際に避難を伴う災害が多く発生しており、今後もこのような大きな被害を伴う災害が一定発生するのではないかと考えている。
 このような災害が発生した場合、基本は市町が指定する避難所へ避難することになるが、災害の規模が大きい場合や、緊急時には指定の避難所だけではなく地域のスペースのある公共施設へ避難される方も出てくる可能性があるのではないか。実際に避難所として指定されていない学校で地域住民が避難されて対応されたという話も聞いている。
 そこで、県立障害者スポーツ交流館も広いスペースを持っているので、やむを得ず避難してくる可能性もあると考えるが、そのような場合にどのように対応されるのか。また、併せて、今年度検討されている新たな障害者スポーツ施設には、このような災害に対する受け入れも想定した検討をされているのかお尋ねする。

ユニバーサル推進課長(岡田英樹)
 
 県立障害者スポーツ交流館は、神戸市の土砂災害・水害に関するハザードマップによると土砂災害への警戒が必要な区域や100年に1回程度の確率で発生する洪水による浸水想定区域には含まれておらず、安全な場所に立地している。
 近隣の避難所としては、障害者スポーツ交流館より西側の高台にある神戸市立王塚台中学校が市の指定を受け、ホームページで公表されているなど住民の避難所として広く周知されている。
 そうした中、障害者スポーツ交流館は、平成21年3月に市との間で災害時における地域住民の緊急退避所の開設に関する覚書を締結し、災害発生時に指定避難所への住民誘導が困難な場合に、市からの要請により避難者を受け入れる緊急退避所に位置付けられている。
 先月9月4日に神戸市付近に上陸、通過し、関西国際空港などに大きな高潮被害をもたらした台風21号の際に、市からの要請を受けて覚書締結後初めて2名の避難者を受け入れたところである。
 また、新しい障害者スポーツ施設については、視覚障害者や聴覚障害者が音声や文字情報を得られるようWi-Fi環境を整備するなど、ユニバーサルデザインを施した施設とする予定であり、神戸市とも連携し、障害をお持ちの方にも利用しやすい施設として地域住民の安全・安心に貢献していきたいと考えているので、どうぞよろしくお願いする。

石井秀武委員

 この質問をさせていただいたのは、今建設を計画されているところが住宅密集地に隣接しておるということも踏まえて、地域との共生がやはり必要ではないかといった観点を入れていただくのが必要ではないかというところで質問させていただいたが、もちろんこの施設が障害者のスポーツファーストである施設であることは言うまでもないが、その場所自体は大丈夫だというご答弁が今あったが、周りには明石川があって、住民がもし浸水等の被害を受けて緊急避難してくるということも可能性としてはあるんじゃないかと考えている。幸いにして、主に1階が駐車場で2階がアリーナなので、障害者にとってバリアフリーということは、お年寄りの方とか子供をお持ちの方にとっても身を寄せやすい造りになっていくと思っているので、地元ともよく相談をしていただいて、基本構想にそういった思いも反映していただければと思っているので、どうかよろしくお願い申し上げ、質問を終わる。どうもありがとうございました。