石井秀武委員
ひょうご県民連合議員団の石井である。
それでは早速質問に入らせていただく。
まず、路肩に駐車し、携帯電話等を使用する行為の防止についてお尋ねする。
路肩に駐車、もしくは停車することは、道路交通法上基本的には禁止されており、人の乗降と貨物の積み下ろしなど、一定の理由がある場合のみ許されている。しかし最近、路肩に駐車して携帯電話を使用している光景をよく目にする。実は今日も登庁するときにそういった光景を見てきた。これが駐車禁止、あるいは駐停車禁止区域であれば、もちろん違反であることは運転者も分かっていることと思う。
では、そうした区域を避ければ停車していいのかというと、そういうわけではない。それほど道幅が広くなかったり、カーブの途中で停車すれば、交通量がそれなりにある道路では円滑な交通が妨げられる。さらに通行人や自転車の通行の妨げにもなる。
基本的には、運転中ならドライブモードにしておき、目的地に着いてから、あるいは安全に停車できる場所に移動してから電話するか、私としてはお勧めではないが、ブルーツースハンズフリーキットを付けるなどすべきであり、運転中のマナーの問題といえる。ただ、さきにも申し述べたように、駐停車禁止区域外でも違反になる場合があるということは自覚されていないようにも思える。
そこで路肩に停車して携帯電話等を使用する行為を未然に防止するための啓発を強化する必要があると思うが、県警として、これまでどういう取組を行ってきたのか。また、今後どう取り組んでいこうとしているのか。考えをお聞きする。
交通部長(松元美智久)
県下の駐車車両が影響したと思われる人身事故件数では、放置違反金制度導入前の平成17年と平成29年を比較すると83.4%減少し、また、駐車関連の110番件数も20.6%減少しているなど、これまでの違法駐車対策の効果が現れていると認識している。
一方で、委員ご指摘の路肩に駐車して携帯電話を使用するなど、運転者が乗車した状態で迷惑駐車の存在はあることは認識している。このような駐車車両に対しては、まずは早期排除を目的に運転者に声かけをするなどの移動措置を優先しているところである。それにも従わない違反者に対しては検挙措置を講ずるなど、厳正に対処している。
これらに関する啓発についてだが、違法迷惑駐車車両に関しては、兵庫県交通安全対策委員会ストップ・ザ・交通事故県民運動実施要綱において、毎月1日を「みんなで迷惑駐車をなくする日」に定めている。県警察としては、この日を中心に関係機関、団体等と連携した各種キャンペーン等を実施して、啓発活動に努めているところである。
県警察としては、引き続き、広報啓発や指導取り締まり活動を通じて、路側帯における駐車が違反になる場合があることを理解していただくなど、効果的な駐車対策を推進していきたいと考えている。
石井秀武委員
いろんな取組もしていただいているということだが、警察官がなかなかそこで現認して取り締まるということは、なかなか、今、私が指摘させていただいたケースでは数は少ないと思う。やはり啓発ということを重点を置いて、さらに取り組んでいただけたらと思っているので、どうかよろしくお願いをする。
続いて、住民の身近な困りごとに対する警察の対応についてお尋ねする。
これは私が相談を受けた事例であるが、ごく小規模な民間の月極駐車場において、同じ車が他人の借りているスペースに一日中無断駐車するため、その賃借人から苦情を言われて迷惑をこうむっているということであった。
その車に無断駐車を注意する張り紙をしても効果がないという悪質な例であるが、ここまでひどい例ではないにしろ、私の経験を踏まえても、私有地への無断駐車はよくあると思っている。確かに私有地である以上、まず、警察にというのではなく、民事的に解決すべき話であることは承知しているが、余りにも悪質な場合は、とめる人間も悪質である可能性があり、いわゆる逆切れされ、怖い思いや危ない思いをしたりすることも考えられるため、なかなか単独で対応するというのも勇気のいることではないだろうか。
そこで、こうした住民に身近な困りごとについて、警察としても何らかの対応が期待されると思うが、ご所見をお伺いする。
地域部長(西影正明)
交番、駐在所は、地域警察官が24時間体制で活動しており、地域住民の方々にとって最も身近な警察施設であると認識をしている。地域住民からの交番等に持ち込まれる相談は多種多様なものがあって、昼夜を問わず対応しているところである。
ご質問にある住民の身近な困りごとについても、その内容に応じた適切な対応に努めており、例えば犯罪捜査が必要と判断される事案については刑事、生活安全等専門部門と連携をするなど、迅速かつ組織的に対応し、検挙、警告等の措置をとっている。
また、事情背景等総合的に判断した上で、今後、犯罪に発展するおそれがある事案については、相談者の意向等踏まえながら、相手方からの事情聴取や必要に応じて警告等の措置を講じているところである。
他方で、警察の権限が及ばない民事事案については、権限を有する他機関の紹介や引き継ぎを行うほか、民事的な解決に向けての手続等の教示、さらには相手方との対応要領等について指導、助言を行っている。
今後とも住民の身近な困りごと相談については、その相談内容に応じた適切な対応に努めていく所存である。
石井秀武委員
私の質問に対して、全般的なことについて対応していただいていることを、答弁していただいた。何でもかんでも警察に対応していただくということは思っていないし、今回、先ほどの質問もそうだけども、二つの質問は、身近なところで頻繁に起こっているであろうことを抜本的な対策がとれれば、いろんな事故とか事件に結び付かないではないかと思って質問させていただいた。そういう意味では、各方面に働き掛けて、方策をとっていただければと思っているので、どうかよろしくお願いをする。
それでは、最後の質問のまず一つ目の項目に移らせていただく。
指名手配被疑者の検挙方策についてである。
まず、留置施設における被疑者等の動静監視及び逃走防止対策についてお尋ねする。
本年8月12日に大阪府富田林警察から逃走していた被疑者が、9月29日、発生場所から約350キロも離れた山口県周南市内の道の駅で万引き容疑で逮捕された。
報道によると、警察署の留置施設から弁護士との接見の後、面接室のアクリル板をこじ開けて逃走したとのことで、これが事実なら、本県でも発生し得る事案ではないだろうか。
また、発生当初は大阪府内を逃走しているようなニュースであったが、どのような経路をたどったかは、現段階では判明していないものの、大阪府から山口県まで逃走していたことを考えると、兵庫県内をいずれかの方法で通過していたと考えるのが自然であり、大変驚いている。
大阪府警では、逃走事件発生の翌日に被疑者を全国に指名手配をして公開捜査を行い、私たちもテレビのニュースなどで被疑者の顔写真や動画を見ることができた。これは公開捜査というもので、公開捜査であれば、全国警察に手配されるだけでなく、テレビのニュースや新聞、警察のホームページ、警察署、交番などにポスターやチラシが掲示されることとなる。
しかし、指名手配された被疑者が全て公開捜査されているものではない。全国で指名手配されている被疑者の数は、本年6月末現在で665件となり、公開捜査されている被疑者は、その中のごく一部になるそうである。
兵庫県は、日本のほぼ中心に位置し、1868年の神戸港開港以来、日本の玄関口として発展し、国内の各都市とも高速道路、鉄道、航空、船舶で結ばれ、東からも西からも日本を縦断するためには必ず通過することになる日本の要衝である。
そのため、今回の被疑者以外にも複数の指名手配被疑者が通過、または潜伏する可能性があり、県民としては不安でならないのではないだろうか。
そこで、まず、同種逃走事件が繰り返されないために、本県の留置施設では、被疑者等に対して、どのように動静監視を行い、また、施設の盲点を突いた逃走を防止する対策についてご所見をお伺いする。
警察本部総務部長(有田幸司)
県警察では、警察本部、警察署で合わせて49の留置施設を有していて、被留置者の人権を尊重しつつ、そのものの状況においては、適切な処遇を行うとともに、留置施設の適正な管理を行っているところである。
被留置者の処遇に当たっては、自殺、逃走、在所隠滅並びに防御権に特に留意をして動静監視を徹底しており、特に注意を要する者については、特異被留置者に指定をし、巡回の強化、対面による監視、幹部による巡視の強化など、組織的に監視体制を強化し、各種事故防止を徹底を図っているところである。
留置施設からの逃走を防止するため、留置施設内の居室、面会室、浴室などの設備や出入り口の施錠等の状況を日々点検を行い、異常の有無を確認しているほか、月一回以上、警察署長等の留置業務管理者による施設点検、備品点検を実施していて、小さな不備でも認められれば、早期に修繕を行っているところである。
なお、大阪府警察の逃走事件を受けて、県下全留置施設の緊急点検を実施をしたけれども、面会室の仕切り板、ドアの感知センサー等含めて、逃走につながるような不備はないことを確認をしている。
また、被留置者の留置施設内の居室から出す場合には、逃走に備えて事前に留置施設の出入り口の施錠、それと使用する場所の異常の有無を確認した上で、複数の看守勤務員で処遇を行うなど、逃走防止の徹底を図っている。併せて、万が一の逃走に備えて、あらかじめ警察庁舎内で身柄を早急に確保するためのマニュアルを策定し、これに基づいて定期的に訓練を実施してもいる。
さらに、被留置者の処遇に当たる監視勤務員についても、被留置者に勝る気力・体力を充実した警察官を任用していて、任期終了後には表彰や希望する部門へ登用するなど、看守勤務員が職責を自覚し、士気高く、積極的に勤務に精励できる職場環境づくりの構築にも努めているところである。
県警察としては、大阪の事案を教訓として、今後とも施設の管理、看守勤務員に対する指導教養を徹底して、被留置者の逃走防止の絶無を図ることとしている。
石井秀武委員
安心した。ちょっと時間が来ているので、次の質問に入らせていただく。指名手配被疑者等逮捕に向けた取組の他府県警との連携についてお尋ねする。
今回の逃走事件は、レアケースではあるとは認識しているが、逃走被疑者に限らず、指名手配被疑者は、先ほども述べたように多数いることから、その逮捕に全力を挙げてほしいと考える。そのための県警の取組の現状と、他府県警との連携状況について、所見をお伺いする。
警察本部長(西川直哉)
本年9月末現在の数字であるが、県警が指名手配している被疑者は17人いる。また、1月から9月までの間に検挙した指名手配被疑者の総数は、他府県警察から手配されたものも含めて29人である。
県警では、指名手配被疑者の迅速かつ的確な検挙に向けて、顔写真等の県警ホームページへの掲載のほか、被疑者の立ち回り先や潜伏の可能性がある簡易宿泊施設等に対する聞き込み、あるいは公開手配ポスターの駅やコンビニエンスストアへの掲示によって、情報提供を広く呼び掛けているところである。
さらに、指名手配被疑者の写真から、その特徴を記憶して、繁華街や駅など、人が多く集まる場所において指名手配被疑者を見つけ出し検挙に結び付ける、いわゆる見当たり捜査員の運用も推進しているところである。
また全国の指名手配被疑者の人定事項や写真、立ち回り見込み先等各種情報であるが、これらについては、全国共通のデータベースがあって、各都道府県警察が情報を共有して、職務質問の無線照会等によって、即時に判明するシステムとなっている。
各種警察活動を通じた照会の徹底のほか、逃走経路、逃走手段等、刻々と変化する情報については、隣接府県警察等との共有や連携を図りながら、指名手配被疑者の一刻も早い発見、検挙に取り組んでいるところである。
以上である。
石井秀武委員
本部長からもご答弁いただいたので、再質問はしたかったが、それは控えさせていただくが、ちょっとコメントのほうを聞いていただければと思う。今回の逃走事件を見た場合、やはり警察の縦割り意識と縄張り意識というものが結果として身柄確保に49日間もかかった一因ではないかと、私はそのように感じている。
実は私、8月末に自転車でしまなみ海道走った。そのときも日本一周をしている若者に出会って、私のほうからも、頑張るように声をかけさせていただいた。今回、自転車での日本一周を装って逃走していた今回の事件に関しては、本当そういった意味で大変腹立たしい思いをしている。
今は、府警において取り調べ中ということで、いずれ逃走の全容が明らかになることと思うが、万一、県内を自転車などで逃走していたという事実が判明した場合、県内において、水際で身柄を確保できなかったことに対して、県民にどのように説明していくのかということをしっかり踏まえながら、今後対応のほうをしていっていただければと思っている。どうかよろしくお願いを申し上げ、質問を終わらせていただく。どうもありがとうございました。