平成30年平成29年度決算特別委員会(農政環境部)

石井秀武委員 

 こんにちは。ひょうご県民連合議員団の石井である。
 今日は皆様方と同じように、県産木材の名札も付けて、応援団という気持ちと、神戸市に対する後押しをしていただきたいという気持ちで質問に立たせていただく。
 また、今週末予定されている兵庫県の農林漁業際、ここ二、三年、雨で開催が中途半端な形になったが、今年は天候に恵まれるようであるので、大いに盛り上がっていただいて、また鍛冶屋鍋も楽しみにしているので、よろしくお願いする。
 それでは、質問に入らせていただく。
 農地の災害復旧についてである。
 まず、被災時の農家の負担状況についてお尋ねする。
 先般、神戸市内の農家から相談を受けた。その内容は、農地が被災したので農協へ相談に行ったところ、被害額が40万円以上あるので、工事費については国の補助が受けられるが、そのために必要な測量費や事務費を負担してもらわなければならず、負担額は、激甚指定を受けた場合は総費用の約30%、そうでない場合は40%~50%になると説明を受けたようで、負担額が大きく、申請するかどうか迷っているとのことであった。
 災害復旧では基本的に国の補助金を活用することが可能で、災害の規模が大きくなるほど国の補助率は高くなり、激甚災害の場合は95%以上になると承知しているが、測量費など、災害復旧事業の対象にならない費用を含めると、農家負担は決して少なくないと考える。
 神戸市の場合、農地の災害復旧事業はJA兵庫六甲が事業主体となり実施していることから、農協へ支払う負担も加わり、例えば本工事費、調査費の合計が約100万円程度、激甚法に基づく国庫補助率を平成29年度並みの95%と仮定して、その農家の負担額を計算したところ、私が行った簡易な計算では、神戸市の場合と測量費や事務費の負担を求めず、国庫補助残にも市町負担がある場合とでは、約15万円を超える差があった。事業に係る人件費などの全てを農協が負担することが難しいことは理解できるが、その費用が大きく農家の負担になっているのであれば、農業の持続的発展の観点から何とかしなければならないと考える。
 そこで、まず、このように農協が事業主体となっていて、また、測量費や事務費について農家に負担を求めているのは神戸市だけであるのか、県内の状況について、県当局としてどのように把握しているのかお尋ねする。

農村環境室長(松岡浩司) 

 農地の災害復旧事業は、復旧工事の実施に対して国が経費を補助するものであり、事業主体は、市町または土地改良区、JA等の団体とされている。県内では、JAが事業主体となっている例は神戸市だけであり、そのほかは各市町が事業を実施している。神戸市の場合は、地元や農地に精通したJAが適当であるとの判断から、神戸市とJAの間でこのように取り決めされていると承知している。
 また、国庫補助金は、補助率50%を基本とし、災害の規模に応じてかさ上げされ、事業主体へ交付されるが、復旧工事を実施するためには、工事費のほかに測量設計費や工事雑費、事務雑費が必要となる。これらの費用は基本的に国庫補助の対象にはならない経費であり、これを農家に求めているのは、神戸市ほか13市町である。さらに、神戸市の場合は、以上の費用に加えて、JAに発生する人件費を農家へ求めており、このようなことから、費用の面からすると、神戸市では他の市町と比べて農家負担は大きいと認識している。

石井秀武委員 

 そこで、ちょっと確認だけしておきたいが、例えば神戸市西区と隣接するJA兵庫南管内の明石市に農地を持っている場合に、同じ被災でもその負担額に差があり、また神戸市と同じJA兵庫六甲管内の北区に隣接する三田市の農地において同等の被害があった場合、その負担額に差があると理解していいのか。

農村環境室長(松岡浩司)

 基本的には、その農地の属する市町が事業主体であったり、その市町の考え方で事業を実施しているので、耕作者が他の市町であっても、その農地の属する市町の実施ということになるので、差が生じるということはある。

石井秀武委員 

 そこで、県内の他の市町では、市町が主となって行っている農地災害復旧事業を神戸市ではJA兵庫六甲に事業を委託し、よく言えば、これ神戸市とJA兵庫六甲が事業のすみ分けをしておると思うが、そのことにより、農家に負担が増えているのであれば、これは本末転倒ではないかと私は思うので、改善していく必要があるのではないかという観点から、次の質問に移らせていただく。
 次は、被災農家への支援についてである。
 例年、被害件数と災害復旧事業の実施件数との間には大きな差がある。これは、1ヵ所の被害額が40万円以上という事業要件によるものであると思うが、中には40万円以上であっても、負担が大きいために申請をあきらめたという事例もあるのではないか。農家の営農再開への意欲をそいでいるのではないかと心配している。
 国の支援制度が最大限に活用され、一人でも多く農家が救済されるよう、県として神戸市への指導、助言を行っていただきたいと考えるが、ご所見を伺う。

農村環境室長(松岡浩司)

 JA兵庫六甲には事業に熟練した技術職員も配置されており、事務執行において特に問題はないと考えているが、経費負担が大きいことで被災農家が復旧を断念している例が生じているのであれば、事業の趣旨に照らしても望ましくないことと思われる。
 農地や農業用施設の災害復旧事業については、事業主体への補助金に加えて、市町に対する地方財政措置も講じられているところである。補助残の一部を自ら負担し、農家負担の軽減を図っている市町は24市町に上り、これらの市町のように、制度を活用して農家の負担軽減が図られるのが望ましいと考えている。
 農家の費用負担については、第一義的には各市町が判断すべきものではあるが、県としても現場の状況を適切に把握し、国の支援制度が十分に活用され、農地が速やかに復旧されるよう、神戸市をはじめ、農家負担の大きな市町に対して指導・助言してまいりたいと考えている。よろしくお願いする。

石井秀武委員 

 踏み込んでご答弁をしていただき、また、県下の各地の取組状況も答弁していただいたので、そういったことを神戸市のほうにもしっかり伝えていただき、神戸市も農政振興ということで、現在、経済産業局に農政担当局いうものもしっかり置いて、その振興を図っている。やはり県下によって、先ほども最初の質問でも言ったが、例えば明石と西区に土地を持っておる西区の農業者もおり、逆に明石に住んでおられて西区に土地を持っている人がおったときに、そういう違った形で対応されるというのはいかがなものかとも思うし、実際、私もこの質問するに当たって、秋祭りもあったので、いろいろ農家さんともお話しさせてもらったが、余り他のところのことというのは、余り知らないというのが実態であったが、その辺も踏まえて、県として、しっかり神戸市のほうにも助言なり指導なりをしていっていただければと思っているので、そのことをお願い申し上げ、質問を終わらせていただく。どうもありがとうございました。