第346回定例会(12月)一般質問2019年12月10日

 おはようございます。ひょうご県民連合議員団の石井秀武でございます。6項目にわたりまして分割で質問をさせていただきます。

サイクルツーリズムによる地域振興について

 まず、サイクルツーリズムによる地域振興についてでございます。
 サイクルツーリズムは、自転車による健康づくりとともに、地域の景観を楽しみながら走ることができることから、新たな地域資源として活用できる可能性があり、全国の各自治体でさまざまなイベント等が開催されております。また、国では、海外からの訪日外国人旅行者の観光スタイルが買い物中心のモノ消費から体験型中心のコト消費に変化したことから、インバウンド効果を全国へ拡大するため、サイクル観光による積極的な取組を進めようとされております。
 このように、身近な自転車を活用することにより、交流人口の拡大をもたらす地域創生につながる可能性が大いに期待できることから、私はこれまでもツール・ド・ひょうごや六甲山を活用したヒルクライムの実施などについて提案を行ってきたところですが、兵庫県においても、関係するイベントとして、距離が50キロメートル以上となるロングライドでは、丹波のツール・ド・丹波や山陰海岸ジオパークコウノトリチャレンジライドin但馬、私も今年は9年ぶりに参加しましたが、第1回大会の設立に少し関わり、今年10回目の開催となった淡路島ロングライド150など、多くのイベントが開催されるようになりました。さらに、各県民局等が関係する地域のイベントも開催されております。
 また、新たな取組として、先日、大鳴門橋への自転車道の敷設に向けた風洞試験を徳島県と協力して実施し、大鳴門橋全体の耐風安定性に問題がないことが発表されました。この大鳴門橋の自転車道が完成すると、人気を集めるアワイチから四国へ周遊できる新たなコースが可能となり、さらに、将来的に海外からも高い評価を受けているしまなみ海道と結ぶことができれば、瀬戸内海を一周するセトイチへの期待も高まり、世界に誇れるサイクリングロードとなる可能性もあります。
 このように、兵庫県でも着実に根付き、更なる展開が見込めるサイクルツーリズムですが、今後も発展させるためには、走行環境の整備や、国内・海外の方に来てもらうために必要な受入環境の整備、各地域の特色を生かした魅力づくり、魅力を伝えるための情報発信・プロモーション、関係地域との連携など、多くの課題があると考えております。
 地域活性化につながるサイクルツーリズムを積極的に推進するには、さまざまな課題に取り組み、セトイチなどは他県との連携を進めていく必要がありますが、現状では個々のイベントに個別に対応している状況です。私は、県内各地で執り行われようとしている自転車を利用した大会を、開催時期や大会スタイル、例えば自転車の大会といっても、ロングライドをはじめ、ヒルクライム、クリテリウム、エンデューロ、タイムトライアル、シクロクロスなどなど、さまざまな大会があり、それぞれに根強いファンがいる中で、全県を網羅しながら戦略的に大会を構成していくことにより、国内外に発信力を持った県独自の魅力ある大会に育てていけるのではないかと考えております。これも一例ですが、関西シクロクロスの大会も、県内には会場がないようで、こういった大会を誘致することも重要だと思います。
 そこで、更なる交流人口の拡大に向け、地域創生の推進策としてサイクルツーリズムを積極的に活用するに当たって、大会の効果的な集客のために、地域バランスを踏まえた開催時期や場所の調整などを行うことで、大会の参加者はもちろん、大会を支える方たちにも参加しやすい環境を整えるなど、県全体を見渡し、総合的な判断ができる体制づくりが必要と考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

総合リハビリテーションセンターの今後の展開について

 次に、総合リハビリテーションセンターの今後の展開についてお尋ねいたします。
 先月、総合リハビリテーションセンター開設50周年記念式典が開催されました。式典の中で、センターの設立に関わった澤村顧問による基調講演があり、センター設立時のさまざまな困難や、2次圏域ごとに地域リハビリテーション広域支援センターを整備する兵庫県方式が介護保険の導入の際に厚生省で採用され、現在、全国での地域リハシステムの整備の基礎となったことなど、貴重な話があったと伺っており、改めて兵庫県の総合リハビリテーションセンターの果たしてきた役割の重要性を再認識させられたところです。
 この総合リハビリテーションセンターは、医療・福祉の多様な施設機能を生かし、高度で専門的な医学・社会・職業リハビリテーションサービスを一体的に提供するなど、障害者や高齢者の自立した生活や社会参加の支援に加え、近年では福祉のまちづくり研究所を核として、最先端技術を生かした医療・介護用リハビリロボット等の拠点化を推進されるなど、兵庫県においてリハビリテーションの県域拠点として重要な役割を発揮されております。しかしながら、9月にあった報道では、厚労省が、がんや救急など高度急性期または急性期医療の診療実績が少ない病院や近隣に機能を代替できる民間病院などがある病院等について、再編・統合について特に議論が必要と位置付け、その再編の検討を求めた公立・公的病院のリストの中に兵庫県立リハビリテーション中央病院が含まれておりました。
 総合リハビリテーションセンターは、センター内にある各施設が連携し、入院から社会復帰までの一貫したサービスを提供しており、専門医やセラピスト、看護師などチームアプローチによる高度で専門的なリハビリテーション医療を提供するリハビリテーション中央病院は欠かせません。今後も各施設が一体となって兵庫県におけるリハビリテーションの拠点としての役割を果たすよう、国に対してもリハビリテーション中央病院の重要性をしっかりと認識していただけるように働き掛けていただきたいと思っております。
 また、総合リハビリテーションセンターは、今後も地域の拠点となるような取組を積極的に展開する必要があると考えます。開設50周年を記念して職員から募集し、選定されたキャッチフレーズ、FROM HERE!ここから!には、センターの持続的発展を目指すという強い思いが込められており、また、式典後の懇親会で陳所長が、総合リハビリテーションセンターの今後について、まず場所、総合リハから全国へ、そして質、レベルを向上していく、そして時、総合リハビリセンターから未来に向けてという三つの思いを込めて発信していくとの発言がありましたが、ぜひその意気込みで取り組んでいただきたいと思っております。
 そこで、変化し続ける社会環境の中、先進的な取組をこれからも進めるために、どのように展開されようとしているのか、当局のご所見をお伺いいたします。

小規模林業への支援について

 次に、小規模林業への支援についてお尋ねいたします。
 兵庫県の森林率は67%であり、その4割を占める人工林の多くが主伐期を迎えておりますが、全国的には、昭和30年頃には9割を超えていた木材自給率が4割を下回る状況となっており、我が国の林業はなかなか元気を取り戻せていないと感じております。
 森林の公益的機能の発揮に向けて、人工林資源を伐採・利用し、再造林、保育と続く林業生産サイクルを円滑に循環させ、林業が産業として十分に成り立っていくよう取り組んでいく必要があり、県においても平成29年に兵庫県県産木材の利用促進に関する条例を議員提案により制定し、条例制定を契機として、県産木材の利用促進を通じた林業・木材産業の発展と、森林の多面的機能の持続的な発揮に向けて、林業の収益性向上や県産木材の新たな需要開拓、担い手の育成などのさまざまな取組を進めておりますが、その中で、林業の収益性向上としては、主伐・再造林の推進に向けた低コストモデルの構築や高性能林業機械の導入促進を進められております。
 しかし、県内には、高性能林業機械の導入を進めて規模拡大を目指す企業的な事業体以外に、家族経営的な小規模の担い手もまだまだ多いのではないでしょうか。私は今年4月末に徳島県で、家族経営で自ら所有する山林を経営されている自伐型林業の取組を視察してまいりました。そこでは、森林に小規模で壊れにくい作業道を張り巡らす高密度路網を整備して搬出コストを抑え、皆伐ではなく、間伐や択伐による持続可能な林業経営をされておりました。
 確かに林業を成り立たせるためには、伐採利用が可能な森林の集約化や高性能林業機械の導入による生産性の向上、流通の合理化といった施策が重要であることは間違いありませんが、一方で、森林の自然災害や地球温暖化への防止等の公益的機能の維持向上を図るためには、森林整備の一翼を担っている小規模の担い手に対する支援についてもしっかりと対応していく必要があると感じます。この小規模な担い手の中には、森林を持っていなくても、地域の森林所有者から森林管理を請け負うことで新規に参入される方や、都会から移住して、他の業種と組み合わせて行う方もあると聞いております。
 そこで、主伐・再造林はもちろん進めていただきながら、家族経営的な小規模の担い手であっても持続可能な林業経営ができるよう、森林環境譲与税を活用するなど、県独自の財政的な支援も含めて積極的に支援していく必要があると考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

明石公園のリノベーションについて

 次に、明石公園のリノベーションについてお尋ねいたします。
 私は10年前の平成20年2月定例会において、明石公園のあり方を質問いたしました。そのときは、新行革期間を経て、築城400年などを迎えるときに一定の方向性が得られるよう、着実に検討を進めていくとの回答でありましたが、今年はその明石城築城400周年を迎えております。
 県土整備部においても、県立都市公園の魅力向上のため、事業アイデアや収益施設の市場性の有無の把握について、今年7月から都市公園等のマーケットサウンディング調査を進められております。民間の力を活用してさまざまな視点から明石公園のあり方を検討していくことは重要であり、特に明石公園の魅力向上としては、明石城を活用し、城と一体となった検討が必要です。
 その上で、老朽化が進み、今後大規模改修が必要なスポーツ施設をどうするのかといった検討が必要と思いますが、その検討の中にアリーナの新設を検討できないでしょうか。私は全国でいろんな施設を見てきておりますが、近接するスポーツ施設と共存するアリーナは大変魅力あるものになると確信いたしております。
 6月定例会でも質問があったように、県内の施設では、老朽化や収容人数の関係から、コンサートなど多目的に利用が可能で国際レベルの大会が開催できる施設の整備は、スポーツ振興や地域の活性化の観点からも選択肢の一つとして考えられております。また、先日の新聞記事では、関西は首都圏に比べアリーナの少なさが指摘されており、大阪では、大阪・関西万博の開催までに万博記念公園内に民間事業者が整備して運営する民設民営方式による2から3万人規模を収容可能な国内最大級のアリーナが誕生することで、知事も新アリーナは検討しなければいけない課題と発言されておりました。
 一方、国では、スタジアム・アリーナが地域活性化の起爆剤となることが期待されることから、多様な世代が集う交流拠点となるようなスタジアム・アリーナを2025年までに20ヵ所を整備することを具体目標として掲げております。
 このような状況の中、明石公園は、文化財保護法に基づく史跡の指定を受けている城跡に加え、史跡の保存に伴う空間的な制約や既存のスポーツ施設をどうするかなど、公園のあり方を検討するにはさまざまな課題があることは認識いたしておりますが、都市近郊で交通アクセスも非常によい立地環境にあります。史跡保存等の課題点の整理やニーズを十分に把握した上で、史跡や既存のスポーツ施設との一体的な整備による、地域活性化につながる大胆なリノベーションの検討が求められているのではないでしょうか。
 そこで、明石公園の今後の利活用を考える中で、アリーナの規模やイベント需要、地域に求められる施設機能などを具体的に打ち出すことにより、どのような関心が寄せられるのか、サウンディングしていってはいかがでしょうか。当局のご所見をお伺いいたします。

答弁

兵庫県知事 井戸敏三
 ひょうご県民連合議員団の石井秀武議員のご質問にお答えいたします。
 まず、サイクルツーリズムによる地域振興についてのお尋ねです。
 自分自身のペースでまちや村を巡るサイクリングは、体験型の観光に適した手法であります。自転車活用推進法においても、観光振興策として自転車の活用を位置付けています。本件もこの自転車活用推進法に基づく県推進計画を作成するための検討を行っていますが、五国の多彩な魅力を生かしたサイクルツーリズムを一つの柱に位置付ける予定です。
 サイクリングモデルルートについては、既に丹波チャレンジ200をはじめ、各県民局が地域の個性を生かした八つのルート整備を行い、大会の企画を進めています。さまざまな競技大会の提案を受けましたが、ヒルクライムでは、六甲山や有馬温泉の魅力を体験できる大会が検討されています。オフロードを周回するシクロクロスも、未利用地等を活用して会場が整備できれば開催可能であります。併せて、ロングライドでは、鳥取県や岡山県、京都府など隣接府県と連携した広域モデルルートを検討しています。
 自転車は地域とのふれあいや人々とのつながりを取り持つコミュニケーションツールと言われています。この特性を生かし、来訪者に豊富な地域資源を味わっていただき、地域の活性化につなげたいと考えます。そのためには、大会を開催するだけではなく、地域に根差したツーリズムとしての魅力を高めることも必要です。
 県自転車推進計画は、部局横断のワーキンググループを設けて、自転車施策の推進を図ることにしています。今後はこのワーキングをベースに、サイクルステーションの整備など、サイクリストから愛される環境を作ってまいりますとともに、日本海から太平洋までを舞台とできる兵庫の特性を生かして、集客力の高いサイクルツーリズムを目指していきたいと考えています。できればツール・ド・ひょうごのような、ロングライドで、しかも県内を回るようなサイクリングをベースとするルートができればと考えてもおります。引き続き自転車競技連盟の会長である石井議員のご指導をよろしくお願いいたします。
 続きまして、明石公園のリノベーションについてお答えいたします。
 明石城築城400周年を迎えた明石公園では、樹木の伐採により、築城当時の石垣を一望できる景観整備が完了いたしました。それとともに、桜ややぐら、石垣のライトアップなど、記念事業を実施しました。来園者は前年同期と比べますと3割増加しています。50万人以上増加をいたしております。一方、施設の老朽化が進行しており、公園の魅力を一層向上していくには、利用者の増加につながる公園のリノベーションが不可欠だと考えられます。
 明石公園は史跡とスポーツ施設とが共存している公園であります。この特色を生かし、例えば、史跡区域では、かつて存在した武家屋敷など建築物の外観を復元した上でカフェやレストランとして活用する、史跡区域以外では、駅至近の利便性を生かしたスポーツ施設等の再整備を検討していく、これらの対応が考えられます。
 国際レベルの大会が開催できる規模のアリーナ施設の整備については、競技団体などから強く整備を求められています。特に2万人以上の観客席を持つアリーナが兵庫にはありませんが、これがないと国際競技が兵庫県内では行えない懸念も出てきています。明石公園での整備については、明石駅に近く、54ヘクタールの区域面積を持つ公園ですので、有力な候補ではあるわけでありますが、既存公園施設の移転などの検討が必要です。アリーナ自体については、近年の集客や収益性の実情と課題等を把握する必要がありますため、まず、県内の立地適性の検討に加えて、スポーツやイベント関係者に対してヒアリングするとともに、民間事業者による整備・管理・運営の可能性なども探るサウンディング調査も実施したいと考えています。今後、教育委員会とともに可能性を検討してまいります。
 今後とも県下を代表する明石公園が地域活性化に資する魅力的な公園であり続けられるよう努力をしてまいりますので、よろしくご指導をお願いいたします。

福祉部長(入江武信)
 私からは、総合リハビリテーションセンターの今後の展開についてお答え申し上げます。
 総合リハビリテーションセンターは、医療・福祉の多様な施設機能を生かし、高度で専門的なリハビリテーションを中心とした総合的なサービスを提供しており、障害者・高齢者の医療・福祉ニーズが複雑化・多様化する中、圏域拠点としての役割を果たし続けていく必要があります。今後の展開としましては、リハビリテーション医療の中核病院である中央病院では、睡眠障害に加え、脳性麻痺等の肢体不自由児に包括的に対応するなど、小児リハ部門を充実するとともに、アスリートのスポーツ障害に対する医療的サポートの体制整備に向けた検討を進めています。
 なお、国による公立医療機関等の再検証要請につきましては、地域の実情を考慮せず、一律の基準で評価したものであり、県としましては問題点として指摘しております。今後、地域医療構想調整会議におきまして、総合リハビリテーションセンターがこれまで果たしてきた役割も含め、地域の実情も考慮しながら議論されていくことになりますが、県としましては、機能強化の必要はあれ、再編の対象としては考えておりません。
 また、新たに障害者のための総合トレーニングセンターを整備し、パラアスリートを総合的にサポートするとともに、障害者と健常者の交流を促進する県下の障害者スポーツの中核拠点としまして、障害者スポーツの更なる振興に取り組んでいきます。
 福祉のまちづくり研究所では、国際義肢装具協会、ISPO世界大会の成果を継承・発展し、筋電義手やロボットスーツHALなど、最先端のロボット技術を活用したリハビリテーションの普及・確立を進めてまいります。併せて、商品化も視野に入れて、企業との共同研究、情報共有の充実を図り、実践的な研究開発を進めます。さらに、神戸市北区に移転する新万寿の家と連携し、最先端ロボット機器を用いて介護予防等を図る取組を展開してまいります。
 今後も高度で専門性の高いサービスの提供と質の向上を図り、先導的な取組を進めるとともに、その成果を全国へ、そして未来へと発信していきますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

農政環境部長(寺尾俊弘)
 私から、小規模林業への支援についてお答えいたします。
 本県林業を持続的に発展させていくためには、生産性の向上を目指す企業的な事業体を育成していく必要がございます。一方で、家族経営的な小規模事業体であっても、100ヘクタール規模の自己所有山林の経営や施業作業の請負、他産業との兼業などで地域に根差して経営展開している事業体がございます。このような事業体が林業や地域の担い手として引き続き役割を果たしていけるよう、技術向上や施業条件の改善などを支援していく必要があると考えております。
 このため、技術の習得や向上を目的に、作業道開設や林業機械の操作技術の向上研修、また、森林を持たずに就業を目指す方などを対象に12日間の就業支援・技術講習を県立森林大学校などで開催をしてございます。また、林業は労働災害の発生率が高いことから、林業、木材製造業、労働災害防止協会と連携をしまして、伐採作業の現地研修や巡回指導、振動障害予防の特殊健康診断を支援しております。さらに、国庫補助対象外の小規模の間伐や作業道開設に対しまして、標準事業費の4割を補助する県独自の支援も行っております。
 加えて、県が策定しました市町向け森林環境譲与税活用ガイドラインで、森林整備の人材育成メニューも示しまして、既に市町段階で、例えば、養父市で林業初心者を対象とした自伐型林業の経営研修、また、丹波市では林業技術講習の受講費用の補助などの取組も始まっております。
 今後とも企業的な事業体の育成とともに、家族経営的な小規模事業体も支援をしまして、本県林業や地域の活性化を図ってまいりますので、ご支援よろしくお願いいたします。

石井秀武
 それぞれに前向きなご答弁をいただきましてありがとうございます。特に知事からいただいた答弁のところで2点コメントのほうさせていただけたらと思います。
 最後にありました明石公園のリノベーションについてでございますが、やはりあえて私がそこでアリーナと申し上げましたのは、そういうことを外に発信することによって興味を持っていただけるかどうか、そういうのが一番大事かなと思っております。やはりこの明石公園いうのは県下でも有数の県立公園でございますので、そこをいかにリノベーションしていくかいうのはスピード感を持ってやっていく必要があると思います。いろんな関係団体がありますけれども、そういったところをしっかり調整しながら、魅力ある公園として、先ほども申し上げましたが、城を中心とした公園としてリノベーションができればと強い思いを持っておりますので、そういった観点でも引き続き検討していただきたいと思っております。
 併せて、サイクルツーリズムによる地域振興でございますが、先ほど知事からもツール・ド・ひょうごのお話も答弁のほうでしていただいたわけでございます。これに関しては本当、警察の協力いうのは不可欠でございますので、本部長もそのあたり、兵庫県の地域創生、地域活性化のために、ぜひとも前向きに交通規制のところ、公道をやはり利用させていただくわけでございますから、そういったところも踏まえて、また一緒になって検討していただきたいと思っております。部局横断的なワーキングチームを既に設けていただいて、検討していただいておるということでございます。
 細かい話になりますけども、先般11月10日に神戸の神出山田自転車道、約20キロメートルでございますけども、久元市長の肝いりでリニューアルをしたところでございます。私も当日走らせていただいたわけでございますが、全て走るいうんでもなく、ちょうどつくはら湖いうのがございまして、つくはら湖のダムの管理用道路を一部利用させていただいて、なおかつ県道の85号線、ちょうど神戸加東線いうのがあるんですが、そこの恐らく二、三百メートルを、ちょうど三木市に該当するんですけども、そこを少しうまく利用すれば、ちょうど周回コースもとれるわけでございますので、そういった視点で、やはり県が市域を越えた調整、または市域を入ってこういうアイデアがあるよということで、できるだけ外から人を呼び込むような施策にもつなげていっていただければと思っておりますので、そういったことも踏まえて、今回質問をさせていただきました。

競技スポーツ強化に向けた取組について

 それでは、次の質問に移らせていただきます。競技スポーツ強化に向けた取組についてお尋ねいたします。
 県では、平成24年に概ね10年間のスポーツ施策の基本的な考え方や具体的な方向性を示す兵庫県スポーツ推進計画を策定し、スポーツ立県ひょうごの実現に向けてさまざまな取組が行われております。計画では、重点目標として競技力レベルの向上を掲げておられますが、県民の運動やスポーツに対する意識を高めるためには、選手の活躍が重要な要素であります。
 先日のラグビーワールドカップでは、日本は史上初となるベスト8進出を果たしましたが、この快挙により、私の周りでもラグビーのにわかファンが増え、広くスポーツに対しても興味を示す方が増えました。
 このように、選手やチームの活躍はスポーツへの関心に大きく影響し、さらに、地元ゆかりの選手が活躍すれば、その競技人口の増加にも影響することが推測されますが、トップアスリートは簡単に発掘・育成等ができるものではありません。ジュニア期からの継続的な支援が重要となります。
 私はこれまでからも、国内最大の総合体育大会である国民体育大会に向けた競技力の向上について提案してまいりました。兵庫県スポーツ推進計画では、平成18年に開催されたのじぎく兵庫国体後の目標は、男女総合成績となる天皇杯、女子総合成績の皇后杯ともに8位以内の順位を目指すことになっておりますが、のじぎく兵庫国体後、2億5,000万円を超える強化費を掛け、目標としている8位以内の成績もあったものの、それ以降はなかなか10位以内の成績が得られず、強化費自体も現在は約1億8,000万円に削減され、今年度のいきいき茨城ゆめ国体では天皇杯13位と残念な結果となっております。せめて目標である8位以内に入れるよう、しっかりと来年度の予算確保に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
 また、強化に当たっては、必要な予算確保だけではなく、トレーニングの質の向上も重要です。先日、文教常任委員会の管外調査で福岡県のタレント発掘事業について調査を行いました。この事業は、個別の運動能力や形態特性に応じた競技種目に導く競技種目選択型モデルであり、小学4年生から中学1年生までを対象とした、子供たちの能力を見つけ、育て、生かす事業です。平成16年度から開始され、1次選考会に申し込まれる児童生徒数も増加傾向にあるなど、参加者数が増加しております。また、成果についても、平成16年度以降、国際大会出場者46名、全国大会優勝者63名を輩出しております。
 兵庫県においても同じような取組がなされておりますが、福岡県の事業の中で特に目を引いたのは、科学的に能力等の情報分析をされ、その結果に基づき課題や特性を明らかにしたり、自己の能力適性や目標に応じた競技種目の提示などを行っていた点です。従来の競技指導は指導者の過去の経験に基づく強化指導が中心だったと思いますが、このような客観的な情報に基づいた強化が今後ますます求められていくと考えております。
 そこで、スポーツ立県ひょうごとして、県内の競技スポーツ強化に向けて、必要な予算の確保はもちろん、アスリートを支える基盤づくりとして科学的な視点での効果的なトレーニング等を取り入れるなどの充実が必要であると考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

西神中央駅周辺のリノベーションに対する安全・安心の確保について

 質問の最後は、西神中央駅周辺のリノベーションに対する安全・安心の確保についてであります。
 神戸市では現在、西区役所の新庁舎移転整備が進められており、この機会を契機として、神戸市の西部地域や東播地域を含むエリアにおける商業、業務、文化などの都市機能の拠点として、神戸市営地下鉄西神・山手線の西神中央駅周辺一帯のリノベーションに取り組まれております。
 西区新庁舎は令和3年度に竣工予定であり、西神中央駅周辺の本格的な文化・芸術ホールや機能を大幅に拡充した新西図書館の整備、新たな人を呼び込む住宅供給などについても、今年4月に整備事業者の公募が行われるなど、着実に新たなまちづくりが進められております。
 西区は昭和57年に垂水区から分区し、当時9万4,000人であった人口が、平成27年度には24万8,000人と約2.6倍に増加いたしました。特に西神ニュータウンでは約1,000人から10万人と大幅に増加している中で、この庁舎移転整備と駅周辺のリノベーションが完成すれば、更なるまちのにぎわいにつながり、駅周辺の利用者が増えると考えられることから、今以上に治安の維持が求められます。
 開発の中心に位置する西神中央駅には、すぐ近くに県民の安全・安心の確保の要となる神戸西署がありますが、神戸西警察署管内の大幅な人口増に伴い、事件・事故等の事案も増加したことから、警察官の定員が増員されたことで狭隘化が進んでおります。
 実際に神戸西署は、今年度の警察署員の定員は324名と県内6位、管内の人口は今年4月時点で24万940人の県内4位、また、5年平均でありますが、刑法犯認知件数は約2,000件で県内10位、人身事故発生件数は約1,400件で5位、110番受理件数は約1万7,400件で5位と、県内でも人口、事件等ともに上位を占めております。このような実態もあり、また、神戸西警察署の利用者からは、駐車スペースが不十分であり、不便であるとの声も伺っております。
 私はこれまでも定例会の一般質問で、警察活動への支障や利用者の利便性向上の観点から、神戸西警察署の整備に関する対策を講ずるよう指摘してまいりましたが、増築による若干の狭隘化の解消は図っていただいたものの、根本的な解決には至っておりません。
 老朽化が進む警察署については、計画的な耐震化や建替等による整備に取り組まれていると思いますが、神戸市が進めている西区役所の駅周辺への移転やリノベーションによる人口増に加え、現在検討が進められている警察署等の再編整備による全県的な警察職員の配置の見直しが行われることから、この機を捉えて、神戸西警察署の整備促進についても検討すべきではないでしょうか。
 そこで、今後も県民の安全・安心を確保するため、警察力の充実を図るためには、核となる神戸西警察署の環境整備の見直しについて早急に検討を進める必要があると考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

答弁

教育長(西上三鶴) 
 私から、競技スポーツ強化に向けた取組についてご答弁をいたします。
 競技力向上対策として、1つとしては、ジュニア期からトップレベルまでの一貫した支援、2点として、指導者養成、3点として、拠点施設の整備に取り組んでいるところでございます。
 まず、支援につきましては、各競技団体と連携をいたしまして、一つは小学生までのジュニア期、二つは中・高校生、三つは大学・社会人、概ねこの区分に応じまして、基礎体力の向上など体づくり、より高度な技術の習得、競技大会への出場などに支援を行っているところでございます。加えて、スポーツ医科学、生理学、栄養学の専門家等で構成をいたします兵庫体育・スポーツ科学学会から、専門的な見地からの練習法や栄養摂取の方法などの助言を行っているところであります。
 指導者養成といたしましては、国体チームなどを率います指導者に対しましては、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者の資格を取得するよう促すとともに、国内に加えまして、海外にも派遣し、指導方法の習得を行っているところでございます。
 3点目の拠点施設の整備につきましては、教育委員会が所管しております総合体育館、また武道館などに加えまして、県立都市公園等に整備を行っております。この中には尼崎スポーツの森、三木総合防災公園、西宮アイスアリーナなどトップアスリートを支える水準の施設もございます。
 また、強化予算につきましては、行財政構造改革の厳しい財政状況にありましても、のじぎく兵庫国体開催前の水準、開催前は1億6,000万でございましたので、実はその水準を超える1億8,000万も現に確保しているところでございます。
 ご指摘のとおり、国体におきまして天皇杯8位入賞はなかなか果たせておりませんが、今年の茨城国体、皇后杯は8位、また競技別総合成績では、体操、陸上競技などが健闘しております。オリンピックには毎回30名近い本県ゆかりの選手も出場しております。東京オリンピックに向けましては、寺内健さんをはじめ、既に5名の方の内定者を出しております。
 しかしながら、更に強化を図るためには、先ほど知事からも答弁がありましたように、大規模なアリーナ、また最先端のトレーニング施設などの国際基準に対応した施設はやはり重要でございます。その可能性を教育委員会としても検討していきたいと思っております。引き続き予算確保を含めてご支援、ご指導よろしくお願いいたします。

警察本部長(加藤晃久)
 西神中央駅周辺のリノベーションに対する安全・安心の確保についてお答えいたします。
 現在の神戸西警察署は、西神地区の開発計画などの情勢を展望して、平成3年に現在の場所に移転・新築したものでございますが、建築当時の定員が123名であったのに対し、現在の定員は324名と、約2.6倍となっております。警察署庁舎の必要面積は建築時の警察署の定員や車両台数を算定基礎として定められておりますけれども、建築時からの定員の増加により狭隘化が進みました神戸西警察署につきましては、平成17年と平成24年にそれぞれ別館を建築して、その解消に努めてきたところでございます。
 一方、建替整備の基本的な考え方としましては、耐震性のない警察署ですとか、鉄筋コンクリート造りの場合40年という建替基準年数に達している警察署を優先的に整備しているところでございまして、神戸西警察署については、耐震性があり、かつ築28年の庁舎であるということで、現時点では建替整備を早急に必要とする段階にはないと判断しているところでございます。
 県警察といたしましては、議員ご指摘のとおり、神戸西警察署の狭隘化に課題があることは認識しておりますけれども、未耐震や老朽化などの県内の施設全般の状況を踏まえますとともに、地域住民の利便性や警察活動の効率性などを総合的に勘案して、優先順位をつけて計画的に整備を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

石井秀武
 それぞれにご答弁ありがとうございました。ちょっと時間がないので、コメントのほうさせていただきます。
 まず、神戸西警察署についてでございますが、本部長の立場からしたら今のような答弁になると思うんですけども、やはり地元を見ておる人間からしたら、ぜひとも署のあり方をもっと早急に整備していただきたいという思いを持っております。例えば、ちょうど垂水と分区したときに新たに建てていただいておるわけでございますが、垂水署が今3,800平米、西署も3,800平米いうことで、ほぼ一緒の規模で、70人の定員の差があります。
 また、今回新しく西区役所が建て替わるわけでございますが、現在の1.5倍、1万平米の建物が区役所として建とうとしておるわけでございますので、やっぱりそういったことも踏まえて見ていただきたいのと、今やはりあのあたりが工事がずっと行われておるわけで、やはりせっかく、もしどこかのタイミングで建て替えていただくような機会があったときに、何年も工事が続くというようじゃ元も子もあったわけでございませんので、そういった視点もやっぱり踏まえて、ぜひとも早急に検討のほうに入っていただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 教育委員会についてコメントしたかったんですけども、時間が参りましたので、失礼させていただきますが、ともかくスポーツ強化の予算確保に向けてしっかりと、知事もここ、おる場でございますので、お願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。