令和4年度決算特別委員会(公安委員会)

石井秀武委員

 今日、最後の質問者となった石井である。部局審査4日目にして、初めて質問に立つので、会計管理者をはじめ、常時出席されている方には、今回、石井はもう質問に立たぬのではないかとご心配されたかもしれないが、今日から4日間、しっかり質問をしてまいるので、どうかよろしくお願いする。
 それでは、質問をさせていただく。

1 電動キックボードの交通ルールの周知徹底について

 まず、電動キックボードの交通ルールの周知徹底についてである。
 電動キックボードについては、令和5年7月1日から新たに特定小型原動機付自転車という区分が設けられ、新たな交通ルールが適用されることになった。
 電動キックボードは兵庫県内では時々見かけるが、実物が走っているのはまだ見たことがないという方も多いのではないかと思われる。
 ところが、経産省の令和3年度委託事業として社会システム株式会社が調査した推計結果では、国内の所持・流通台数は約2万台とのことである。
 また、海外では急速に普及した国もあり、今後、日本でも急速に普及する可能性も秘めている。
 さて、もともとは原付バイクと同じ扱いとされていた電動キックボードであるが、令和4年4月に道路交通法が改正され、取扱が分かれることとなった。
 しかしながら、この区分は大変ややこしいというか、難しいと感じている。
 今回の改正で新たに特定小型原動機付自転車という区分ができ、16歳以上なら運転免許がなくても公道を走れることになり、手軽な日常の新たな交通手段として期待されている。
 ただ、多くの方にとって初めての乗り物であり、正しい交通ルールを知らない方は多いと思う。さらに、運転免許がなくても乗れるため、交通ルールを知らなくても乗れてしまう。他者や自分の命を守るために、ルールの習得が必要であると思う。
 そこで、これまでどのような啓発活動などの対応を行ってきたのか、また、7月以降どのような課題があり、課題解決に向けどのように取り組むのか、当局のご所見を伺う。

警察本部長(村井紀之)
  
 お答え申し上げる。
 特定小型原動機付自転車、いわゆる電動キックボードであるが、道路交通法において原動機付自転車に分類はされるが、運転免許が不要な乗り物となっている。利用者をはじめとする県民に対して、交通ルールを周知することが大変重要であるというふうに認識している。
 県警察では、本年5月に警察本部の交通企画課内に特別対策班を設置して県民向けの講習会を開催してきたほか、啓発用のチラシを作成して、県内全ての市町に対して、電動キックボードのナンバープレートを交付する際のチラシの配布を依頼している。併せて、県警ホームページやSNSを活用しながら、広く交通ルールの周知を図っているところである。
 現在のところ、県内において電動キックボードの走行台数はそれほど多くない状態であるが、今後、増加も予想されところではある。
 また、委員ご指摘のとおり、電動キックボードの交通ルールには非常に分かりにくい部分があることから、県警察としては、様々な機会を捉えて県民に対する交通ルールの周知を図っていきたいと思っている。

石井秀武委員

 わざわざ本部長から答弁していただいたということは、恐らくこの後の質問がなかなか答弁しづらい質問になっておるのかとも感じるわけだが、電動キックボードでは、自転車と同じく、ヘルメット着用も努力義務であり、手軽に利用できるので、万博なども見据えて、課題解決に向け改善すべきことがあれば、国のほうにしっかり要望していただきたいと思っている。
 また、特定小型原動機付自転車という区分もあり、6キロ以下、緑色灯ランプを点滅していれば歩道も走行できるようで、歩道といっても普通自転車など及び歩行者など専用の道路標識がある歩道のみが走行となっており、質問にも触れたが、大変ややこしいものであり、警察官に対しても、改正された道交法の趣旨、そういったものを徹底していただきたいと思っている。よろしくお願いする。

2 県有施設を活用した自転車等の安全運転教室について

 次に、県有施設を活用した自転車等の安全運転教室についてである。
 兵庫県も様々な部署でイベントを開催しており、そうしたイベントに交通安全の啓発などに県警の協力をいただいていることは承知しており、感謝している。
 昨日、県立播磨中央公園でサイクリングコースの完成式典が行われたところである。今年の3月下旬にはプレオープンイベントが開催されるなど、サイクリストや子供たちに向けた取組としてよかったと思っている。
 こうした取組を続け、サイクリングコースが県民に広く知られ、利用され、県民の心身の健康や憩いにつながれば大変うれしく思う。
 もう少し詳しく申し上げると、このサイクリングコースは常設としては全国トップクラスとなる1周7.2キロメートルで、公道に出ることなく完結しており、公道に比べると安全性はとても高く、JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)などの全国トップクラスの選手が集まる大会も行われる集客力のある本格的なコースである。
 また、県立播磨中央公園内には、さいくるらんどや子どもの森ゾーンなど広大な敷地に子供も楽しめる施設もあり、自転車の大会だけなく、様々なイベントが開かれている。
 今回のリノベーションを機に、県立播磨中央公園は、今後、自転車を核とする公園として老若男女を問わず、プロ、アマのサイクリストはもとより、自転車愛好家の聖地になる可能性を秘めている。
 園内で開催されるイベントなどの機会を捉え、自転車などの交通安全指導や啓発に活用していただければ、自転車等の乗車マナーの向上はもちろん、ヘルメット着用の意義への理解促進や全国平均を下回るヘルメット着用率のアップにもつながり、これまで以上の効果が得られるのではないかと考えるが、ご所見を伺う。

交通部長(田中英敦) 
 
 自転車は、子供から高齢者まで幅広い年齢層に対して極めて身近な交通手段として利用されている一方で、以前にも増して自転車関係事故抑止のための交通ルールの遵守の徹底が求められている。
 県警察においては、県民運動として取り組んでいる毎月2日の自転車安全利用の日をはじめ、四季の運動や学校等に赴いての交通安全教室など様々な機会を通じて、全ての年齢層の自転車利用者に対して、自転車通行ルール等の周知に努めている。また、自転車を用いたイベントの開催に際しては、子供から大人まで幅広く参加していただけるよう、例えばタンデム自転車や電動アシスト自転車などの様々な自転車の試乗や自転車大会の競技体験などを行い、自転車の安全利用を啓発しているところである。
 委員ご指摘のとおり、子供連れなどの来場者が多いイベントにおける啓発活動においては、多くの方に対して年齢等に合わせた実車による参加・体験・実践型の交通安全教育等を行うことができるため、自転車のヘルメット着用をはじめとした交通ルール・マナーを周知する上で非常に効果的で有効であると考えている。
 今後とも、悲惨な交通事故を1件でも減らすため、各種イベントの機会を捉え、主催者、関係機関、団体等と連携を図りながら、幅広い世代に対する交通安全教育等を着実に推進していく。

石井秀武委員

 どうもありがとうございます。
 今回、県立播磨中央公園を取り上げさせていただき、提案させていただいたが、県立公園としては最も利用者が多く、利便性も高い、県立明石公園には球技場兼自転車競技場があり、自転車のトラックの内側にある球技場部分は、この令和4年度から自転車に関連した利用に限り、施設貸出を行っているので、明石公園のイベント開催時などの機会を捉えて、自転車などの安全運転教室を検討していただければと思っているので、どうかよろしくお願いする。

3 庁舎等の環境整備について

 次に、庁舎等の環境整備について伺う。
 まず1点目は、光熱費高騰対策についてである。
 令和4年度は燃料高などの影響で光熱費が高騰し、光熱費のための補正予算を組むほどの影響が出た。
 特に電気代が高騰して高止まり、今後、更に上昇が続く可能性もある。
 そこにこの猛暑である。警察署などにおいて電気代を抑えるために冷房を控えるということではなく、警察署員に我慢を強いることなく、適切に冷房を使用した上で、できるだけ無理のない方法で早急に省電力化を図るべきではないかと考えている。
 兵庫県では、兵庫県地球温暖化対策推進計画を昨年改定し、2030年度の温室効果ガス削減目標を更に引き上げるなど、危機意識を持って取り組んでいるところである。県警としても取組が必要ではないかと考えている。
 そこで、光熱費対策として、これまどのような取組をなされてきたのかを伺う。また、取組が進んでいないとすれば、何がネックとなっているのか、改善に向けての取組状況についても伺う。

警察本部総務部長(浪花和志)
 
 お答えする。
 世界的に脱炭素化の動きが加速化し、県における温室効果ガスの削減目標が強化される中、県警察においても、脱炭素化社会の実現に向けた取組を進めることが重要であり、光熱費の削減にも有効であると認識している。
 県警察では、県の環境率先行動計画に基づき、温室効果ガス排出量の削減目標を達成するため、組織一体となって、業務に支障のない箇所への消灯や適切な室温管理等に取り組んでいるところである。
 また、庁舎等では、高効率な空調機器への更新や、民間資金を活用した太陽光発電設備の導入のほか、特に信号灯器のLED化を加速させることで、温室効果ガス排出量及び光熱費の削減を進めているところである。
 現在、公表されている令和3年度県警察の温室効果ガス排出量は、基準年である令和元年度と比較するとマイナス5.9%で、単年度の削減の目安とされているマイナス4.1%を上回る成果を上げているところである。
 県警としては、引き続き、各種有効な施策を推進していくとともに、組織一体となって、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいく。
 以上である。

石井秀武委員

 しっかり取り組んでいただいているということに聞こえた。
 毎年毎年、補正予算が組まれるわけではないので、その場合は限られた予算でやりくりせざるを得ないということもあって、どこかにしわ寄せが来るのではないかと考えられる。
 先ほど部長からの答弁があったが、設備の高効率化、このことにしっかりと計画的に取り組んでいただきたいと思っているので、よろしくお願いをする。

4 照明のLED化について

 次に、照明のLED化についてである。
 兵庫県としても、環境率先行動計画を策定し、その中でも既存設備・備品の計画的更新として、リースを用いた照明のLED化が重点取組として定められている。リースを用いた照明のLED化とは、既存照明をLED化することで削減された電気料金の中で、LED化に必要な導入費用を賄うことで、新たな予算取りを必要としない導入違方式のことである。
 県警では、現在、県警本部を含め多くの施設で蛍光灯や水銀灯が使われていると認識している。また、リース方式を用いることで、新たな予算取りを必要としないことから、財政面から見ても環境面からも非常にメリットが高いと考えられている。
 残念ながら、警察署など県警が管理する施設のLED化が他府県に比べて遅れていると聞いている。LED化は電力消費が従来の電球に比べ抑えられ、今や家庭でもLED照明が広く取り入れられている。
 この趣旨の質問としては、温室効果ガス削減の観点から、一昨年の決算特別委員会において農政環境部の部局審査において行い、「関係部局においてリース導入によるメリットや取組事例のポイントを分かりやすく周知し、積極的なLED化を働きかける」との答弁をいただいているところである。
 温室効果ガス削減の観点から、日本全体で省エネに対する取組が進められているが、昨今の光熱費高騰が続く中、早急に取り組む課題であると考えている。他部局ではあるが、今年度県立4病院がリース方式によるLED化に取り組んだと聞いている。
 そこで、県警の施設におけるLED化への交換割合やLED化への取組について、現状どのような状況なのか伺う。

警察本部総務部長(浪花和志)

 LED化の照明については、蛍光灯に比べて消費電力が少なく、寿命が長いという利点があり、電気料金の削減にもつながるとして、警察施設の新設時や大規模改修時に併せて導入を進めているところである。
 LEDの照明の導入には多額の費用を要するため、令和4年度末時点で、照明の一部でもLED化された警察署は全体の約5割で、半数以上の照明がLED化された警察署は約1割にとどまっている状況である。
 近年の導入実績は、大規模改修の機会を捉えて、宍粟警察署及び淡路警察署においてLEDの照明を導入したほか、新築の尼崎南警察署については、全館LED照明を導入しているところである。
 令和5年度においても、芦屋警察署、西脇警察署及びたつの警察署で大規模改修によるLED照明の導入を行う予定である。
 また、本部にあっても計画修繕により導入を計画しているところである。
 今後とも、県全体のLED照明の導入の動きを注視するとともに、警察施設の大規模改修の機会を捉えて導入を進めるほか、予算執行上の検討や様々な工夫を行いながら、早期導入を図ってまいりたいと考えている。

石井秀武委員

 どうもご答弁ありがとうございます。
 温室効果ガス削減、また、昨今の光熱費高騰の状況を踏まえて、LED化を促進するに当たり、今回リース方式を例に質問をしたが、リース方式以外にも、従来からの工事方式の導入もあり、そのメリット・デメリット早急に検討、分析していただきたいと思っている。
 質問では県立4病院について触れたが、この導入状況についても研究していただければと思っているし、近隣の府県警では、三重県警が既にリースによるLED化に取り組んでおり、直近では京都府警が来年3月までに19の警察署、施設などにLED照明を整備するようで、他の府県での整備状況も参考に、県警全体でスケジュール感を持って、しっかりと取り組んでいく課題であると思っているので、引き続きよろしくお願いする。

5 神戸西警察署の駐車場について

 それでは、神戸西警察署の駐車場について伺う。
 兵庫県と神戸市の連携強化は私のライフワークである。
 神戸市西区選出の議員であり、本来なら神戸西警察署の狭隘化の解消に向けて警察署そのものの建替などについて取り上げたいところであるが、これまでと同様の答弁だと思うので、今回は、神戸西警察署の来客用の駐車場について伺う。
 神戸西警察署は交通量の多い交差点の一角にあるにもかかわらず、時間帯によっては、駐車場待ちの車が道路にあふれているのを散見する。
 それは、神戸西警察署の敷地内駐車場は道路面より高い位置にあり、土地の形状から警察署敷地内に入らないと満車かどうか分からない構造となっているのも一因であると思われる。
 また、満車がどうか敷地に入らないと見通せないが、かといって敷地に入ってしまうと、満車であればUターンしづらいため、混雑時の利用がますます難しくなっている。
 これまで特に問題はなかったのか、私のもとには県民から改善要望も届いているが、苦情や市民からの声が届いているのではないかと思う。
 例えばコインパーキングにある満車表示などを設置できないかなど、状況の改善に向けてどのような取組をしてきたのか伺う。

警察本部総務部長(浪花和志)

 お答えする。
 委員ご指摘のとおり、神戸西警察署の来庁者駐車場については、昼前後の時間帯に、車両が一時的に混雑し、駐車場待ちによる不便が生じて、車両来庁者から駐車状況についての問合せを受ける状況が認められている。
 これまでも駐車場待ちの来庁者による事故等の問題は確認されていないが、駐車場待ちの車両が通行の妨げとなって事故を誘発するおそれもあることから、そのような場合には、署員が駐車場周辺を確認し、誘導等に当たることもあり得るものの、一般駐車枠には限りもあり、現在のところ、十分な対応には至っていない。
 県警察では、車両来庁者の利便性向上に向けて、近隣施設の駐車場利用ができるよう、協議・交渉を行っている。ただ、利用車両が多く、駐車スペースに余裕がないなどの理由から、署外に利用できる駐車場の確保には至っていないところである。
 このような状況を踏まえ、引き続き、署員の確認等による来庁者の円滑な駐車場利用や事故防止を図るとともに、駐車場確保のため、現在も近隣施設との協議・交渉を継続し、ご提案のあった満空表示器の設置についても検討を進めてまいりたいと考えている。
 以上である。

石井秀武委員

 駐車場に関して、部長からもご答弁があったが、近隣の駐車場にも当たっていただいている。なかなかその近隣の駐車場も満車状態、結構利用頻度が高いということで、交渉のほうが難航しておると思うが、昨今、神戸西区役所が同じ西神中央に移ってきている。ここでは1時間、一応無料の駐車サービス券を発行したりして、区役所利用者の利便性のために、そういったサービスもしておるわけであるが、警察署に来る人より、恐らく区役所に来る人のほうがかなり数は多いと思う。しかし、近隣のこれも神戸市の施設であるが、プレンティの駐車場であれば、そういったサービスが受けられるということで、このあたり、やはりこの利用者、そして、今のところ事故がないということだが、そういった可能性を秘めた場所であるので、そのあたり、しっかり交渉していただきたいと思っている。
 それでは次に、この席には首席監察官もおられる。首席監察官は、ちょうど神戸市警察部長も兼任されている。神戸市警察部は神戸市と調整・連携を担当されており、今年5月の神戸新聞の県警新幹部に聞くのインタビュー記事で、これまでの豊富な経験から、部下に対してどんな小さな相談でも丁寧に対応することと、口酸っぱく言ってきたとのことで、大変心強く思っている。

6 神戸市との連携について

 そこで、最後に神戸市との連携について伺う。
 神戸西警察署の隣接には神戸市営の有料駐車場がある。また、警察署と道を挟んで駐車場が確保できそうな西神中央公園がある。
 このような駐車場や敷地を県民・市民の利便性向上に向け、神戸市と連携し、駐車場問題を解決するために市と協議できないか、先ほど協議しているような感じであったが、更に強くしていく必要があると思うので、改めて当局のご見解を伺う。

警察本部総務部長(浪花和志)

 お答えする。
 先ほどのお答えと同じになるが、県警察では、近隣の市民病院、それから、郵便局、商業施設に対しては、駐車場確保に向けた協議・交渉を進めてきたほか、ご提案のあった西神中央公園の駐車場利用についても神戸市との協議を行っているところである。
 近隣の施設については、既に利用車両も多く、駐車スペースに余裕がないという理由などで、神戸西署駐車場としての利用できる状況には至っていない。
 西神中央公園については、もとより駐車場が設けられておらず、来園者の方には公共交通機関の利用及び近隣の有料駐車場を案内しているということで承知しており、神戸市との協議においても、都市公園法の規制等により、公園内に警察署来庁者のための駐車場を確保することは困難であるとの回答をいただいている。
 こうした状況を踏まえながら、引き続き、神戸市との協議を継続し、同公園の改修や周辺の市関係施設の整備などの機会を捉え、神戸西署の駐車場としても利用できるよう協議・交渉を進めてまいりたいと考えている。

石井秀武委員
 どうもご答弁ありがとうございます。
 今回、これを取り上げて、警察本部のほうも、そのご認識をしっかりしていただいておるということは確認できたので安心したが、今回、首席監察官の立場で席に着かれておられるので、答弁は求めないが、私の小さな相談にも耳を傾けていただき、今後とも神戸市と粘り強く協議を重ね、駐車場問題も解消していただきたいと思っているので、どうかよろしくお願いを申し上げ、質問を終わる。どうもありがとうございました。