先月22日に行われた大阪府知事及び大阪市長のダブル選挙では、大阪都構想の再検討を主張する大阪維新の会の2候補が圧勝し、当選を果たしました。今後、大阪府、大阪市では、いわゆる二重行政の解消のために大きな枠組みを変えていくことの検討がなされていくこととなります。
一方、兵庫県と神戸市では、良好な関係のもと、しっかりと個別に協議が行われ、県市の東京事務所やシアトルの海外事務所の共同利用など、連携によるムダを省く取組みが進んでいると思います。また、中小企業の振興を図る外郭団体である兵庫県の「ひょうご産業活性化センター」と神戸市の「神戸市産業振興財団」に関しても、来年度の組織統合を見送る方針が先月発表されたものの、活動拠点は来年度からハーバーランドの神戸市産業振興センタービルに集約し、相談窓口を一本化することとしており、効果的な連携が着実に進んでいると思います。
今後、連携した取組みをさらに効果あるものとするとともに、その取組みを県民・市民の利便性や生活の向上につなげていかなくてはなりません。そのためには、施設の共同利用などのハード面での着実な取組みに合わせ、重複業務の解消や事業実施効果の向上につながる連携等をより積極的に行っていく必要があると考えます。
今回、中小企業支援の分野では組織統合も含めて検討されましたが、市の独自性を保つべき部分もあるということで統合は見送られました。ただ、拠点施設が同じビルに集約されるということなので、今後、より連携を深め、類似業務の効率化などにつながっていくことを期待します。
また、その他の分野での検討も必要であります。特に、観光、農業分野においては検討の余地があると考えます。そのためには、まず、各分野での県と市の推進ビジョン、計画等の整合性を図る協議を行った上で、同じ方向性で進める部分については、重複事業等を精査、実施主体の変更などを行っていくことで、効率的、効果的な行政サービスの提供につながり、費用削減等の大きな効果が期待できると思いますが、そのような体制になっているのか疑問であります。
知事は、以前の平成23年度の本会議でも答弁されていましたが、今年4月の記者会見においても、県と政令指定都市の間に二重行政は存在せず、それぞれの事業にそれぞれ必要性があり、もし二重性があれば神戸市とよく話し合いながらどちらかが主体的に取り組みたい、とされています。
ただ、その点に関しては、毎日新聞が行ったアンケートに対し、神戸市長は「二重行政があると感じている」と回答したことが報道されていましたし、県民の多くも同様に感じているのではないかと考えます。今回の「ひょうご産業活性化センター」と「神戸市産業振興財団」で行ったような検討を、さらに踏み込んで継続して行っていく必要があるのではないかと考えます。
そこで、兵庫県と神戸市に関しては、相互の連携や調和を意見交換する政策調整会議等も活用され様々な事業の意見交換等を行ってきていますが、特に、観光、農業等、各分野での連携の取組みをどのように行っているのか、今後の方針も含めて伺います。
まず、神戸空港の国際化を含む最大活用について伺います。
神戸空港は平成18年の開港以来、関西3空港の役割分担の中で、一地方空港であるという役割を前提に、一日30便、運用時間は7時~22時など運用に厳しい枠がはめられています。
また、平成26年度の国内線の旅客数245万人で、地方管理空港中第1位と多くの利用があるにもかかわらず、地方管理空港で唯一、国際線はオウンユースチャーター便と自家用機しか認められていない現状にあります。
地方管理空港の中で国際線の利用者が最も多いのは富士山静岡空港であり、平成26年度で約24万人と前年度より約8万人増加しています。インバウンドの増加に伴い、東京に近く交通至便であることが要因であると言われています。一方、神戸空港に関しては、平成26年度の国際線利用者数は統計上25人という数字が公表されていますが、神戸市中心地まで約10㎞で、かつ大都市である大阪にも近く、交通至便であり、かつ関空の国際線利用者が毎年増えている現状から、発着枠や運用時間の規制が緩和され国際化が進めば、同様に多くの利用者が見込まれると考えます。
さらに、インバウンド促進の観点で、神戸は京都、大阪に遅れをとっており、特に、台湾、中国、韓国などからの誘客は大阪に比べて極端に低い状況にあります。三宮駅周辺の再開発も具体化しつつあり、「うめきた」のように世界にアピールできるようなインパクトある開発は期待できないものの、海外からの神戸、兵庫の認知を向上させ、インバウンドを促進させる上でも、県としても神戸市と連携して、三宮駅周辺の再開発に先駆けて神戸空港の国際化にも取り組んでいくべきではないかと考えます。
一方、関空と伊丹空港については、先月、運営権売却について、オリックスとフランスの空港運営会社大手「バンシ・エアポート」の企業連合と基本協定を締結し、来年3月末に両空港の運営がこの企業連合に移管されることとなりました。神戸空港においても、神戸市が3空港一体運用に向けて、運営権売却に向けた準備を進めています。
私は、知事の積極的な海外訪問に関し、神戸空港の国際化が進むことで、より効果的に海外に兵庫県をアピールすることができ、兵庫の認知度向上と誘客の促進につながることは間違いないと考えます。
そこで、神戸空港の運営権売却が進められようとする中、現状の課題を克服し、神戸空港の国際化を含む最大活用に向け、兵庫県と神戸市が一体となって取組むべきと考えます。大変デリケートな時期であり、現段階では答弁しにくい面もあると思いますが、あえて知事にご所見を伺います。
続いて、神戸の海の上にある空港から山に移動し、神戸のシンボルともなっている山、六甲山の賑わい創出による再生に関して伺います。
六甲山は、神戸港開港後にやってきた外国人により、山荘や日本初のゴルフ場建設などリゾート地としての開発が進みました。明治に入り、登山やスキーなどが行われるようになり、大正・昭和初期にはドライブウェイやロープウェイが整備され、市民の身近なレクリエーションの場となりました。昭和31年には瀬戸内海国立公園に指定され、自然保護と利用調整を進めながら開発が行われることとなりました。高度経済成長期以降、関西屈指の避暑地として多くの企業の保養所等で賑わいを見せていましたが、バブル崩壊以降の景気低迷やレクレーションニーズの多様化等により次々と保養所等は閉鎖され、当時の賑わいを失っていきました。私も、ほぼ毎年、六甲山の縦走大会に参加していますが、年々、賑わいがなくなってきていく状況を見ながら、再生に向けた取組みの必要性を感じていました。
そういう中、先月、六甲山の賑わいづくりに向け、保養所や別荘などの閉鎖された遊休施設の再活用などに関して、神戸市長が井戸知事と連携した取組みを進めて行くとの報道がありました。
聞くところによると、神戸市主体によるプロジェクトチームに県も参加し、議論が始まったとのことであり、そこでの今後の議論に期待したいが、保養所等が多くある六甲山上は、市街化調整区域であるとともに、自然公園法や風致地区における建築等の規制に関する条例などによる開発規制が多くあり、超えなくてはならないハードルも多いのが現状のようであります。
ただ、六甲山の再生は県・神戸市の双方にとって、兵庫・神戸の魅力向上のためには不可欠であることから、地権者等の理解等、別の課題も新たに生じるとも思いますが、県・市連携して、構造改革特区による開発規制の緩和を国に求めていくなど、今後も県として積極的に関与して、六甲山の再生に取り組んでいくことが望まれます。
そこで、県が、現在、把握されている六甲山の保養所や別荘などの現況を伺いますとともに、県と市が連携して取り組もうとする六甲山の賑わい創出による再生に向けた今後の展望についての見解を伺います。
少子高齢化の進展や東京圏等への人口流出により、平成21年を頂点に人口減少傾向に転じた本県においては、人口の急速な減少と偏在化の進展を踏まえ、農山村地域の存続が危ぶまれる事態が想定されます。農村地域の活力の維持を図る取組みが必要であります。
9月定例会で議決された本県の「地域創生戦略」では、人口が減少しても活力ある豊かな兵庫を実現するための1つのキーワードとして「交流」を掲げ、交流人口により農村地域が持続することを、2060年の兵庫の姿として展望しています。
また、同戦略においては、地域特性を踏まえた展開方向が示されており、「大都市圏」及び「大都市に連担する準都市圏」では、重点的な取組方向として「大都市の魅力の更なる向上」「拠点都市機能の向上」があげられています。ただ、このような地域においても農村地域は存在し、その存続・維持を図っていくためには、やはり農業を軸とした賑わい創出や交流促進等が不可欠と考えます。
幸い、大都市近郊に位置することから、魅力ある取組みを行えば、交流促進等につながっていく可能性は高いと思います。例えば、交流人口増加に向けた市民農園の充実や、農業体験などの農業への親しみを向上させる取り組みのさらなる推進が期待されます。
また、先日、地域限定で農家に少量での酒類製造販売を認める「どぶろく特区」が、政令市で初めて西区と北区で認定されたことが神戸市より発表されました。農家民宿やレストランで自家製酒類を提供できるようになり、さらなる交流促進が期待されます。県としても、このような交流促進の目的に加え、従来からの住民はもちろんのこと、移住した都市住民も含めた農村全体での取り組みという観点も含め、農家レストラン等の農の6次産業化の推進が重要と考えます。そして、特に私は交流の中心となる人材の育成がポイントとなると考えますが、いずれにしても農村地域振興に向けた様々な農業関連の取組みの展開が望まれます。
そこで、農村地域の維持に向け、賑わい創出、交流促進に関する、人材育成を含めた農業を活用した取組みが不可欠と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか所見を伺います。
シニア世代を対象としたスポーツの祭典「日本スポーツマスターズ2017兵庫大会」の開催まであと2年となりました。10月から各種目ごとに県下各地で開催地決定イベントが開催され、県民への周知、開催機運の醸成が図られています。
競技スポーツの全国大会が国民体育大会なら、生涯スポーツの全国大会が日本スポーツマスターズであると考えます。シニア世代で生涯スポーツに親しむ方が自己の技量を試す、また、かつて競技スポーツで活躍していた方のセカンドステージとなるなど、様々な形でスポーツを続ける方が目標とする場となっていると考えます。
2017年の兵庫大会の開催を控え、まず、このようなスポーツマスターズの位置づけを明確にし、そして県民へのPRに努め、県民に浸透を図る必要があります。その上で、生涯スポーツにおいても、競技団体と連携して、国体同様にマスターズ世代の参加者の育成を図るとともに、大会出場に向けてシニアの指導体制の構築、場の提供を推進していくことにより、裾野の拡大につながり、様々な形で生涯スポーツの振興に寄与するものと考えます。
日本スポーツマスターズ2017兵庫大会の開催は、まさに、生涯スポーツのさらなる振興の絶好の機会と考えますが、本県での開催を単なる一過性の開催イベントに終わらせないよう、生涯スポーツの振興にどのようにつなげていこうと考えているのか、ご所見を伺います。
のじぎく兵庫国体からもうすぐ10年が経過します。県では、競技スポーツの全国大会である国民体育大会に向けては、兵庫県体育協会や各競技団体と連携して、選手発掘からトップアスリートの育成までの系統的な指導をはじめ、競技力の向上に努めています。
中でも、来年から女子が正式種目に追加される自転車競技については、競技力向上が望まれます。また、健康、エコの観点から、生涯スポーツとしてのサイクリング愛好家が急増する中、競技スポーツとしての自転車競技の振興を図っていく絶好のタイミングだと考えます。
現在、兵庫県における自転車競技の活動の中心は県立明石公園内にある自転車競技場であります。ジュニア育成教室から公式記録会など、自転車競技の競技力向上に、同競技場を活用して競技団体を中心に取り組んでいます。この自転車競技場は公益財団法人兵庫県園芸・公園協会が所有・管理を行っており、実情に即応した修繕や改修が困難な状況にあります。また、言うまでもなく、公園の一部としての機能より、県の自転車競技の中心施設としての機能の方が色濃いのではないかと思います。一方、兵庫県と同様に今回、関西ワールドマスターズゲームズ2021における自転車競技の候補地に手を上げている隣の鳥取県では、公益財団法人JKA、すなわち旧財団法人日本自転車振興会ですが、この法人と県の補助を受け体育協会が施設整備を行ったうえで、管理運営を行っています。
本県においても、スポーツの振興を担い、兵庫県自転車競技連盟が加盟をしている体育協会が管理運営を担っていく方がよいのではないかと思います。既に、明石公園内では弓道場が県体育協会の管理となっているケースもあります。日本スポーツマスターズ2017兵庫大会が行われるこの機をとらえ、施設の管理運営の方法について、兵庫県園芸・公園協会と県体育協会との間で協議を行ってはどうかと考えます。
また、活動の中心である明石公園周辺には、明石高校、明石南高校、伊川谷高校、伊川谷北高校をはじめ、多くの県立高校が立地していますが、それらの高校には部活動として自転車競技を行う高校がない状況にあります。絶好の競技環境にある周辺地域の高校等における自転車競技の部活動の実施を推進するなど、活動中心地周辺での自転車競技の振興に力を入れるべきと考えます。この点は他の競技スポーツも同様に、中心施設のある地域周辺での振興に取り組むべきと考えます。
さらに、日本スポーツマスターズ2017兵庫大会や、関西広域連合として関西ワールドマスターズゲームズ2021の開催が決定しています。このような機会を捉え、競技スポーツとしての自転車競技をさらに振興していくため、教育委員会においてもその体制づくりに取り組んでいく時期であると思いますが、ご所見を伺います。
兵庫県知事 井戸敏三
もともと県と政令市とは、その担任事務が法定され、基本的には警察、教育、産業など、一部県に留保されている事務を除き、その他の事務はハード・ソフトとも、政令市の事務とされています。それが二重行政と認識される場合があるのは、施設や権能の差があるにもかかわらず、例えば立地の利便性等から、政令市に県の施設が設置・運営されている。あるいは同じような権能や機能を果たす機関が併存しているなどのような場合が多いからではないかと考えられます。
政令市である神戸市との間においては、神戸市はその仕事と責任とを果たし、県は政令市以外の仕事を果たすことになるので、特に相互に連携して行政サービスを提供することが必要となります。そこで、重要政策については知事及び神戸市長をトップとする兵庫県・神戸市政策調整会議等を通じて、計画や基本的方向性の整合性を図り、連携して事業を推進しています。例えば、医療産業都市の推進、神戸空港の活性化、大阪湾岸道路西伸部の事業推進など、連携協力してまいっているわけです。
ご指摘の観光分野においては、市が市内観光の魅力向上、県がより広域的な観光振興の視点に立ちつつ、県のひょうごツーリズム協会と市の国際観光コンベンション協会とが連携して事業を推進しています。具体的には、国内外での観光プロモーションの実施あるいは地域観光資源の開発、広域観光周遊ルートの形成などを行っています。
今後とも引き続き、密接な連携のもと観光振興に取り組んでまいります。
農業分野においては、本来政令市としての特例は特に定められていませんが、専門的な人材・ノウハウを持っている県と、地域に密着した神戸市が協力して農の神戸ブランド推進協議会を設立し、神戸フルーツを使った加工品の開発など、農の6次産業化などを図っています。
神戸のブランド力を生かした農業振興を一層推進してまいります。
ご指摘いただきましたように、兵庫県・神戸市政策調整会議などを通じまして、より適切な役割分担のもと、そして相協力すべき組織については、できるだけ一体的な運用が図れるように努力をすることにより、県市協調して効率的・効果的な施策展開を図ってまいります。
今後とも二重行政と思われるような部分で、相協力できるものはもちろん協力していきますし、それぞれの責任を果たすべきものは、それぞれが責任を果たしていくべきなのは当然のことであると考えております。
石井秀武議員
今、知事からご答弁いただきました。
役割分担をしっかりしていただきながら、神戸市と更なる相互の連携強化に取り組み、効率的・効果的な行政サービスの構築を図り、またいろいろ新たな課題も出てくると思いますので、そういったことに向けても今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますので、引き続きどうかよろしくお願いをいたします。
そこで、人口減少が加速する中、政令市の中で5大都市の一角を占めていた神戸市の人口が来年2月にも福岡市に抜かれ、6番目となることが確実との報道がありました。兵庫の中心である神戸の地位回復、都市間競争に打ち勝つとの観点からも県と神戸市の連携強化が今まさに急務であると考えております。
引き続き、県と神戸市等が連携して取り組むべき具体的課題についてお伺いしたいと思います。
先ほど紹介いたしました神戸市の人口減少の報道の中で神戸市長は、神戸が居住都市として選ばれるまちの地位をどう回復させていくのか、しっかり議論していくと神戸市長のブログでのコメントが掲載されておりました。
選ばれるまちに向けては、まさに他都市にない神戸独自の魅力を磨き上げることが必要であります。その観点から、神戸を見ますと、私は神戸港、神戸空港、六甲山、そして自然豊かな農村地域が市中心地に近接して存在していることが、町の魅力、アピールポイントだと思っております。この魅力を最大限に活用していくことで、選ばれるまちにつながっていくものと考えております。
神戸港に関しましては、今年2月県議会の代表質問で開港150年に向けたにぎわい創出に関してお伺いいたしました。1年後に迫った150年に向けた盛り上がりに期待しております。本日は、それ以外の3点、神戸空港、六甲山、自然豊かな農村地域、それぞれのにぎわい創出、交流促進について順次お伺いいたします。
訪日外国人旅行者数が政府目標の2,000万人に迫り、インバウンドの活用が地域の活性化にとって課題となっています。
兵庫にとりましても、大阪・京都に比べまして、外国人の方々の訪客はまだまだ見劣りがしているという実状です。しかし、来年2月に開港10周年を迎える神戸空港は、関空との関係から、運用時間や発着枠、国際チャーター便の運行等に規制が課せられ、本来の能力を十分発揮できていない実状にあります。外国に開放されていない唯一の地方空港が神戸空港です、唯一です。
ですから、このような状況を打開し、神戸空港の利用を国際化を含め、拡大するためには、関空、伊丹に神戸を加えた3空港一体運用を実現することが不可欠である、このように考えています。
関空、伊丹では、コンセッションが進められ、オリックスを中心とする企業連合が選定されました。この12月、今月ですが、空港運営を担う新たな運営会社が誕生し、来年4月から両空港は完全民営化されることになります。
神戸市は神戸空港をこの運営に加わるよう、同社への運営権売却も視野に入れ、準備を進められていると承知しています。
国はコンセッション後の空港運営については、民間の経営判断を尊重する考えであると聞いています。このため県としては、神戸市とともに運営会社に対し、神戸空港を含めた3空港一体運用が実現するよう経営判断を促していきます。
具体的には、まずはビジネスニーズの高い神戸着23時台の羽田便設定など、夜間早朝時間帯の増便を図ること、二つに国内外の誘客を促進す国際チャーター便の誘致を図ること、三つに国際ビジネスの動きを加速化させるビジネスジェットの誘致などを強く働きかけてまいります。
外国便との関連で言いますと、CIQの運用も大変重要になります。これらについても準備を進めておく必要があります。さらに、関西の空港需要拡大に向けたセミナーや、フォーラムを開催し、運営会社が積極的に規制緩和の実現に取り組んでいただき、関西3空港を最大活用できるように後押しをしていくことも大事だと考えています。
今後とも神戸市とスクラムを組み、国際化も含めた神戸空港の最大活用に取り組んでまいりますので、よろしくご指導をお願いいいたします。
農政環境部長 新岡史朗
都市近郊に位置する農村地域では、その立地と景観や伝統文化などの地域資源を生かした活性化を図ることが重要であり、それを担う人材の定着が不可欠であります。その第一歩として、兵庫楽農生活センターでは、新規就農駅前講座でありますとか、就農コースを開設いたしまして、農業に関心を持つ人材を対象に研修を行っております。その卒業生が都市近郊で営農をスタートさせた後は、地域の主導的農業者が地域への溶け込み応援もしており、より地域に定着しやすい環境づくりを行っております。
引き続き、こうして定着した就農者や、さまざまな知識・経験を有する都市住民などが地域特産品の開発や直売イベント、さらには農家レストランや農家民宿、市民農園などの農業関連ビジネスに取り組めるよう、6次産業化プランナーや農業改良普及センターによる助言・指導、販路開拓やブランド化を含めた経営ノウハウの研修などの支援を通じまして、幅広く農村地域の活性化に取り組む人材を育成してまいります。
また、交流のすそ野を広げるため、一つには大学生の発想や情報発信力を生かした農村交流イベントの開催、二つには都市住民や企業による農作業や環境保全ボランティア活動、三つには都市住民による遊休農地を活用した農園づくりと、空き家活用による2地域居住を推進しております。四つには立地を生かしたJAや道の駅の農産物直売所でのにぎわい創出に向け、消費者との交流イベントの企画、運営支援や多様な品目への生産者指導などに努めているところでございます。
今後、こうした取り組みを地域の実情に応じまして、総合的に実施することにより、地域住民全体の意識醸成と、地域のにぎわい創出や交流をリードする人材育成を図りながら、都市周辺における農村地域の活性化を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
まちづくり部長 笠尾卓朗
大都市近郊に位置し、先人たちの熱意と巧みな技術により、緑の山としてよみがえった六甲山は、神戸のみならず、兵庫の代表的な観光資源の一つであり、自然環境を極力損なわない形で利活用に積極的に取り組まなければならないというふうに考えております。
県職員が本年夏、六甲山頂における企業保養所などの現地調査を行った結果、営業中の施設は、ピークである平成6年の226件から70件へと減少しているほか、個人宅などへの転用が71件、閉鎖などが85件、更に閉鎖しているもののうち、66件は管理状況が非常に悪いことが判明いたしました。また、開発業者などを対象にヒアリングを行った結果、大阪や三宮などから近く、夜景がきれいで、自然が豊かであることから、開発のポテンシャルが高いことが改めて明らかになりました。
しかしながら、道路などのインフラ整備が不十分であるとともに、市街化調整区域や自然公園法、風致条例などによる各種規制により、建築物の建てかえなどが難しく、その結果として不動産が流通しにくいなど、問題の困難性を指摘する意見も多くございました。
こうした課題の解決を図るため、本年11月、神戸市において町内関係部署によるプロジェクトチームを設置し、規制緩和や利用促進策の検討を開始したところでございます。県においても、このチームに参加し、県が行った調査結果の提供などを行ってまいりました。
プロジェクトチームとしては、今後、所有者や管理者の意向を踏まえ、さらに調査を進め、利活用の方向性を検討していくこととしており、県としてもその中で特区制度の活用など、六甲山の活性化に資する取り組みを検討してまいりたいというふうに考えておりますので、引き続き、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
石井秀武議員
今、知事より、また農政環境部長、またまちづくり部長よりいろいろご答弁いただきました。
やはり、神戸においていかに魅力を高めていくかという観点で、この三つを質問させていただいたわけでございますけれども、神戸港の開港以来、国際文化都市として発展して、そして山・海へ行くといわれる農山村地域の丘陵を開発し、ポートアイランドや六甲アイランド、神戸空港などを造成し、豊かな魅力的なまちとして発展を遂げてきました。
かつては、神戸ウオーター、また今では神戸ビーフ等を通じ、諸外国への知名度も高いものがあります。大阪・京都にない魅力を最大限に引き出しながら、この魅力あふれるまちを県と市が連携して盛り上げていくことが、神戸のみならず兵庫県全体の活力につながっていくものと確信しており、さまざまな分野での連携・協力した施策展開を期待しておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
教育長 高井芳朗
まず、日本スポーツマスターズ兵庫大会に向けた生涯スポーツの振興についてでございます。
シニア世代の国体とも呼ばれます日本スポーツマスターズは、生涯スポーツの一層の普及・振興を図るとともに、県民にシニアのトップレベルの競技を間近に観戦していただく機会を提供するほか、開催地の地域活性化にも資する大会でありまして、先催県では、約8,000人が参加をされて、1人当たりの消費は10万円近い額と見て、10億円弱の経済効果も報告をされているところです。
2017年9月に開催されますこの兵庫大会は、神戸市、明石市、姫路市など、県内の10市でテニス、自転車競技、空手道など、13競技の実施が予定されています。のじぎく兵庫国体以来の全国規模の総合スポーツ大会でございます。
本県では、これを単発のイベントとしてではなくて、2021年に開催される関西ワールドマスターズゲームズに向けた機運醸成の重要な機会というふうに位置づけをしまして、その準備を進めています。
昨年11月には、日体協での開催の決定を受けまして、北京オリンピックのソフトボール、金メダリストの乾絵美選手らを招いて、開催決定記念イベントを実施しました。今年10月から12月にかけては、開催競技団体と開催市の協同により、開催地決定イベントを開催されるなど、県民への周知、PRに努めています。
今後は開催1年前となります来年の9月頃に、1年前イベントといたしまして、例えば女子プロゴルフの樋口久子さんですとか、元プロ野球の衣笠祥雄さんですとか、こういった各種スポーツの往年の名選手が参加されます12名の日本スポーツマスターズシンボルメンバーという方がいらっしゃるんですが、その中から何名かお越しいただいて、県民を対象にしたスポーツ教室を実施いたしますほか、さらにその翌年、開催年の29年6月には、100日前イベントの開催やカウントダウンボードの設置などによって、一層の機運の醸成を図ることとしています。
これらの取組によって、特にシニア層を中心とした幅広い世代のスポーツへの参加機運を県域全体で高めまして、スポーツ立県ひょうごの実現を目指してまいりたいと考えております。
それから、2点目の自転車競技の振興についてのお尋ねにお答えいたします。
本県では、関西ワールドマスターズゲームズ等の開催に向けた機運醸成を図るため、先ほども申し上げたが、関西マスターズスポーツフェスティバルを自転車競技を含む44競技で開催するなど、スポーツ参加機会の充実や競技人口拡大を図る取組を進めています。
また、競技レベルの向上については、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機として、平成26年度からは、オリンピック選手の輩出を念頭に置いた有望なジュニア選手の海外合宿などの支援等を行っているほか、競技施設を有する地域、拠点施設がある地域と連携をして、小中学生等を対象に一貫した発掘、育成を図る拠点化推進事業という事業を展開しておりまして、これには自転車競技連盟など、18の競技団体が参画いただいています。
今後も県体育協会、各競技団体との緊密な連携のもとに、各種支援事業を積極的に展開をして、自転車競技を含めて、スポーツ実施者の増と、競技力レベルの向上に努めてまいります。
また、これに関連いたしまして、明石公園内の自転車競技場の管理のお尋ねがありました。これを県体育協会が管理してはというご提案をいただきましたが、ご承知のように、明石公園は庭園ですとか野球場、陸上競技場などを含む複合施設でありますので、明石公園全体としての一体管理が望ましいのではないかというふうに考えておりますことと、今後改修が必要となった場合には、広域財団JKAの補助を活用することになりますけども、その場合の補助割合は、体育協会であっても園芸・公園協会であっても同等であるということですので、体育協会が管理を行う積極的な理由にちょっと乏しいのではないかというふうに私どもは見ておりますが、むしろ、ご提案の趣旨は、競技団体のお考えを当該施設の運営に反映させることが大切であるという趣旨でありますので、そうした趣旨であれば、これは例えばですが、競技団体、体育協会、園芸・公園協会などの関係者の施設運営に関する協議の場づくりというのが有効なのではないかと考えまして、今後関係機関とともに、そのありようを検討してまいりたいと考えています。
また、あわせて近隣の高校での自転車競技部の新設のご提案もいただきました。県下の全ての公立高校で自転車競技部を有する学校あるいは部員はわずか6校、49名、これはご指摘のとおりでありまして、部を作るためにはまず部員が必要ですので、先ほどご説明いたしました明石の自転車競技場を拠点に育成をいただいているジュニア選手がもう少し成長をして、高校生の競技人口になれば、その中で部活動の設置ということも考えられるのではないかと思いますので、その様子を見ながら、対応を検討したいと考えております。